【シリーズ:反日騒動2005(24下)】
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町村外相が訪中した4月17日、前日の上海における大規模デモを受け、北京は硬軟取り混ぜた厳戒態勢で無事に何事もなく乗り切ることができた……というのは、「中」の文末に記した通りです。
しかし、それは北京だけのことでした。
香港紙『大陽報』の報道(※1)によれば、17日に反日活動が発生した都市とその人数は、瀋陽(1万名)、石家荘(人数不明)、青島(数十名)、上海(2000名)、寧波(人数不明)、長沙(数百名)、西安(数十名)、成都(300名)、アモイ(1万名以上)、広州(数十名)、東莞(数十名)、珠海(2000名)、深セン(10万名)、南寧(数百名)、香港(1万2000名)……と、確認しているだけで合計15都市。言うなれば北京を除く全国各地で反日活動が展開された訳です。
優勢である筈の「胡錦涛派」は、こうした活動に対し全く無力だったことになります。
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「中」の最後の部分で、町村外相の訪中に合わせたデモを計画しそうな「民間団体」の主要メンバーを「当局」が北京市から郊外の施設に「隔離」したことを紹介しました。水面下で行われたこの動きについて、「隔離」された当のメンバーのひとりは「まあ無料のバカンスのようなものさ」と語っています。「隔離」ではあるものの「接待」ともいえる厚遇を受けたことが垣間見える言葉です。
実はこの報道をみて、私は「胡錦涛派」と「抵抗勢力」の間である種の「取引」が成立したのではないか、と考えるようになりました。その時期は恐らく16日、上海のデモに関する詳報が北京の党上層部に伝えられた直後かと思います。
両者には共通している点があります。「胡錦涛派」が「官」なら、「抵抗勢力」もまた「官」です。「官」は「中共人」と言い換えてもいいでしょう。現在の政策面その他に意見対立はあれど、どちらも中共政権が打倒されることは望んでいません。
余談になりますが、改革・開放以来現在に至るまで、「中共人」よりも「中国人」であることを優先した政治家(国家指導者レベル)はどれほどいるでしょうか。趙紫陽は明らかに「中国人」であることを優先し、それがために失脚しました。その他のケースとしては胡燿邦と朱鎔基にそのニオイを感じますが、いずれも幸運なことに「中国か中共か」という究極の選択を迫られる場面に遭遇せずに済みました。トウ小平は筋金入りの「中共人」です。江沢民や李鵬も「中共人」(しかも醜悪な)でした。前にも書きましたが、胡錦涛はトウ小平の衣鉢を継いだがごとく、徹頭徹尾「中共人」であるようです。温家宝はウソ泣きしてみせたりして庶民派との好評を得ていますが、究極の選択を前にしたら腰砕けになりそうです。元上司である趙紫陽のような鮮やかな進退をみせることはないでしょう。
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ともあれ、「中共人」という共通点を軸にして、両者の間に「合意」と「妥協」が成立したのではないでしょうか。「合意」とは中共政権を脅かしかねない動きは断固阻止する、ということで、具体的には反日デモの沈静化ひいては活動停止です。これは「胡錦涛派」だけでなく、「抵抗勢力」も群衆が暴走に移った際の怖さというのを一連のデモで学習した筈ですから、一応納得できたと思います。とりあえず北京は静かにさせておく、ということで、「民間団体」の主要メンバーである糞青などの「隔離」策が採られます。ただし隔離とはいえ軟禁ではなく「接待」です。その任に当たった「当局」は、対外強硬派を主とする「抵抗勢力」の側ではないかと思います。
「君たちの愛国精神は素晴らしい」
「君たちの気持ちはよくわかる」
などと頭を撫で、肩を叩いてやりつつ巧みに丸め込んだのかも知れませんし、あるいは「このままだと組織が潰されるぞ」と心配顔で脅したのかも知れません。「民間団体」を構成する珍獣や糞青も、組織のリーダークラスになるとこれまた平然と「愛国」より「組織防衛」を優先しますから、難しい仕事ではなかった筈です(笑)。
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ただ、これだけでは「抵抗勢力」が収まりません。胡錦涛は「反日デモ禁止」の見返りとして、「抵抗勢力」の主力である対外強硬派が不満に感じ、政策論争の焦点となっていた点、つまり対日政策について、対外強硬派に配慮してこれまでより強腰で臨むことを受け入れた可能性があります。やはり「抵抗勢力」の一部かと思われる地方のボスに対しては、経済政策上での何らかの譲歩や、引き締めの過程で中央が回収した権限の一部を地方に戻す、といった条件が提示されたのかも知れません。それらがいわゆる「妥協」に当たります。
反日デモでの破壊行為への謝罪と被害に対する補償について、日本側の再三の要求に対し中国側が全く応じず拒否する態度を貫いています。元来が謝罪したことのない国ですし、反日気運が高まっている折りでもありますから、「それが合意と妥協の証」かどうかは、私にはわかりません。
とりあえず、主要メディアを通じた「安定団結の強化」(=反日活動のクールダウン)を呼びかける作業が繰り返されます。
●第一の要務は発展だ(人民日報2005/04/18)
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-04/18/content_2842984.htm
例によって署名論評です。『人民日報』の1面に出た記事で、時を置かずに「新華網」が転載しています。
言わんとしていることはいつもの通りです。発展とはつきつめれば経済・社会の発展で、国力を富ましめることだ。そのためには社会環境が不安定であってはいけない。安定・団結がいま求められているのだ……といったところでしょう。
●国防と軍隊建設において科学的発展観を貫徹し根付かせよう(解放軍報2005/04/18)
http://news.xinhuanet.com/mil/2005-04/18/content_2843352.htm
これは人民解放軍の機関紙『解放軍報』に出た論評を「新華網」が転載しました。胡錦涛が提唱する「科学的発展観」を前面に押し出した内容は以前より一歩踏み込んだものといえます。
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そして、極め付けが昨日(4月19日)開催された「形勢報告会」です。これは6部門共催(中央宣伝部、中央直属機関工作委員会、中央国家機関工作委員会、教育部、解放軍総政治部、北京市党委員会)による、特筆すべき政治的イベントです。
●李肇星外相、6部門共催の形勢報告会で対日関係の現状を報告
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-04/19/content_2851482.htm
なぜ極め付けで特筆すべきものなのかといえば、この「形勢報告会」は上の記事の冒頭に書かれているように、「国際情勢と中日関係の歴史と現状、そしてわが国の対日政策について広範な幹部・民衆の理解を促進するために、また中央の政策決定や処置を正確に理解し、擁護するために」開催されたものなのです。
その趣旨もさることながら、李肇星による対日関係の現状報告がこの催しの主役である点、つまり対日関係という個別のテーマについての指導部の意思表示を改めて行うために開かれたイベント、ということが際立って異例です。極め付けというのは、中央宣伝部や教育部、そして人民解放軍の総政治部といった部門までが主催者に名を連ねていることで、要するに、
「対日関係はこういう方針でいくから。最近色々あったけど、これからは勝手に動くことは厳禁」
と宣言したことになります。このイベントには各部門から合計3500名が参加し、テレビでも大きく取り上げられました。「胡錦涛派」vs「抵抗勢力」という観点からすれば、これで一応の手打ち、といったところでしょう。
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同時に、国民に対しては「反日」でエスカレートする一方だった状況を非とし、過激な行為を強く戒めるものです。政策が変わったことを告知している訳ですね。いままで各地で散々行われてきた反日デモ、これはその大半が未申請・未認可のものでしたが、これについて李肇星報告は、
「党と政府が徹頭徹尾、根本的な国益を考慮した立場に立って、対日関係にまつわる様々な問題を適宜に処理することを我々はよく信頼しなければならない。我々は目下の世界情勢を正確に認識し、自国の国情を正しく把握して、中央の打ち出す一連の重大政策や処置を断固として貫徹し、安定かつ団結した政治局面を擁護することを自覚し、法制観念を強化するとともに、冷静かつ理知的に、また合法かつ秩序立ったやり方で自らの感情を表現するようにし、未許可デモなどへの活動には参加しないことで、社会の安定に影響を及ぼさないようにしなければならない」
……と、報告の最後の部分で明確に言及しています。
興味深いのは、主役が李肇星でありながら、外交部は主催者に加わっていないことです。対日情勢といいつつも、これは国内問題扱いなのです。
もう2週間以上前になりますが、四川省・成都市で署名活動を発端に民衆が集まり、イトーヨーカ堂が襲撃された事件について当ブログでふれました(上下)。以下はそこからの引用です。
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上の呉建民氏の発言、内容的には『南方都市報』の記事と似ている部分があります。が、政府関係者の口からその言葉が出たということは、大きな意味を持つものといえます。
ただ、この記事がなぜかあまり大手メディアには出てきません。「新波網」などには転載され、その「日本の常任理事国入り反対特集」ページにも登場しているのですが、「新華網」と「人民網」では見当たらないのです(少なくとも私の目に届く場所にはありませんでした)。そのことから、胡錦涛政権内部ないしは党上層部において、対日強硬論が台頭している可能性を指摘することもできなくはありません。
一方で、外交部報道官の会見に加え、呉建民氏も外交関係者であることを考えるとき、胡錦涛政権は目下のところこの問題を「対日外交」の枠内と位置付け、その線で処理していこうとしていることがわかります。一昨年末、秋口に起きた日本人による珠海集団買春事件や西安の一件でネット世論がヒートアップしていた際に、
「行き過ぎた民族主義はいけない」
と、それをたしなめる談話を発表したのが楊振亜・元駐日大使、これまた外交関係者です。何を当たり前のことを、と言われるかも知れませんが、これはひとつの目安だと思うのです。仮に今回のヨーカ堂襲撃事件のようなプチ都市暴動もしくは本格的な都市暴動が各地で続発するようになっても、やはり止め男は外交関係者でしょうか。
私は温家宝あたりが出てきて、テレビ演説で切々と訴える(またウソ泣きするかどうかは別として)のではないかと思うのです。温家宝が出てくれば、胡錦涛政権による事件の位置付けが対日外交から国内問題へと変化したことを示すことになります。そうなったときには、もはや中国は容易ならぬ情勢になっていることでしょう。
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……引用終了。何が言いたいかといえば、今回の「形勢報告会」は、引用文中の「温家宝によるテレビ演説」に等しいものだということです。実際に出てきたのは温家宝でなく外相の李肇星ですけど、主催者に外交部の名はありません。一連の反日活動に対する胡錦涛政権の位置付けが「国内問題」へと変化したことを意味するものなのです。
全国各地で生起した反日活動は指導部にそういう危機感を持たせるに至るほどのプレッシャーを伴うものであり、統治者たる中共にとって、現在の社会状況(物価上昇+失業+貧富の格差+党幹部の汚職蔓延)では到底許容し難い、生死が「紙一重」ともいえる危ない運動、ということなのでしょう。各地で行われるデモなどのうち、どこか1カ所でドカンと暴発すればもう大事件です。それがさらに他の地域へと広がれば、もはや手のつけようがなくなります。容易ならぬ情勢ではないでしょうか。
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最後に、愛すべき糞青たちにふれることにしましょう。連中が実質的に「地下活動」に入ることなど、誰が予想したでしょうか。現実には、連中はいつも通り、インターネットカフェや自室や、大学や職場にいるのです。ただし掲示板で連絡を取り合ったり、反日活動計画の相談をすることを避け、もっぱらQQ(ICQみたいなもの)での連携を深めています。反日「民間団体」の掲示板から姿を消して独自に同志的結合を強めていくのですから、これは「地下活動」と称すべきものと私は思うのです。今回の一連の件における当局の最大の失敗は、連中に本当のデモ(なんちゃってデモではなく)の楽しさ、面白さ、気分のよさを教えてしまったことかも知れません。
糞青絡みでいえば、「民間団体」をはじめとする反日傾向の強い各種掲示板、ここで再び反日に関する言論統制が行われるかどうかは注目に値します。言論統制は確かに反日熱を下げることになるかも知れません。ただその「副作用」として、「愛国主義教育」「反日キャンペーン」に育てられ、いまも反日に没頭することで糞青の視野の外に置かれていた問題意識、自らの属する社会(中国社会)への問題意識が生じる可能性があります。これはこれで中共政権を揺さぶりかねない因子へと成長するポテンシャルを秘めています。
問題はまだ終わっていないのです。上海のデモを報じたとき私は「幕があがった」と表現しましたが(◆)、いまもその考えは変わっていません。上述した通り、ひとつのデモをきっかけにドカンと暴発すればどうなるかわからないのです。「当局」は李肇星報告を以て意思表示を行いましたが、それで国民が納得して全てが丸く収まるかといえば疑問が残ります。
現に「地下」に潜った糞青たちによる、同時多発デモ計画(五四運動記念ということで5月4日実施か)が進行しているといわれています。が、掲示板にはその切れ端すらなかなか出て来ないために、こういうことには耳聡い香港メディアすら動向を把握できていません。5月末には香港の尖閣奪回運動組織の連中が現地に船を出す予定です。また日本の常任理事国入りに対して新しい動きがあれば、糞青どもはその都度敏感に反応することでしょう。対外強硬派も騒ぐかも知れません。5月には台湾の陳水扁総統夫人の来日予定もあります。6月4日の天安門事件16周年はともかく、7月7日は盧溝橋事件の記念日です。さらに東シナ海資源紛争。「燃料」はまだいくらでもあるのです。
しかも、糞青が起こす反日活動は起爆剤でしかありません。問題は社会状況がいまなお一触即発ともいえる危険水域にあるということです。社会状況にまつわる諸問題は李肇星報告によっても何も解決されてやしませんから、危機は去っていないのです。
また週末が巡ってきます。そこで再び何事かが起きるのかどうか、とりあえずはそれを眺めてみることにしましょう。
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【※1】http://the-sun.com.hk/channels/news/20050418/s_news.html
→反日騒動2005(25)へ
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記事が出ているのですが、党首討論を実際に見た人、ニュアンス的にどうなんでしょう?
個人的にはこれで一気にゆれ戻す気配がしている
のですが。何せ「あの」村山談話だし…
まあ、ゆれ戻した所でうやむやになるだけで、中国
が爆弾を抱えている事は変わりないですが。
昔「ぶひ」スレで遊んでいた時には、こういうすごい分析をされる方とともに遊んでいるのだとはぜんぜん知りませんでした。たんに、朝早くからタカ派にたくさんのおめでたいスレを立てまくって念入りに嫌がらせをされる、朝型のヒマ人だと思っていましたw その後「ぶひ」の方々がどうされているのか僕は知りませんが、たしかパソコンに悪さをされた人がいたり、HPに真実的人さんの名前が晒されたりなど色々なことがあって、みな離れていったのではなかったでしょうか(いや、もしかすると、どこぞで落ち合われているのかもしれませんが…)。
「ぶひ」スレで遊んでいた時から一年半ほどたち、社会情勢の変化も大きかったのですが、それとともに、私事ですが僕自身の置かれている状況も大きく変わりました。そもそも現在は関東に住んでいますwまた、だいぶん知識が増えて、頭がよくなりました。御家人さんのブログに教化されたことも大きいですw ただ、中国語はほとんど(仕事上では)使わない環境になったので全然上達していませんが…
それにしても、反日デモがこういうかたちで起きるようになるとは、僕自身は一年前は想像もつきませんでした。中国経済が破綻するというようなよく聞かれる話もまったく信じられませんでした。でも、たとえば深刻な公害問題などは、かなり最近になって急に出てきてるんですね、こういうかたちで矛盾が出てくるのかと考えると納得できます。中国って花粉症もないし、健康そのものという印象だったんですが、今後は随分と変わってくるんでしょうかね。
とりとめのないことを書いてしまいすいません。そもそも僕は、垂れ込みするような情報も何も持ち合わせいませんw 今回の反日暴動はひとまず休止した感がありますが、いずれ近いうちに、頻発してる農民暴動的なものと、都市の若者主体の反日暴動的なものとが、合流・合体していくんではないでしょうか?(いや、僕は何の知識もなくそう想像してるだけですが)そうすると、御家人さんもいよいよ忙しくなるんでしょうね。楽しみにしております。
http://www.reuters.co.jp/newsArticle.jhtml?type=worldNews&storyID=8234750§ion=news
さすが余計な一言(二言か(苦笑)も忘れません…
早速利用してみましたが、今日の一面のトップ記事はどれでしょうか?
複雑な中共事情が力強く浮き出てきて、とても勉強になります。
しかし絶対的強者(カリスマ)無き現状が、中共維持の足並みの乱れをこれほど露骨にあぶりだすとは思いもしませんでした。現体制下で既得権をもつ人々にとっては、何が何でも利権を守るため、わが身を維持するのに必要な中共体制を少々傷つけてでも現指導部の現実路線に歯向かおうとするのでしょうか。
この身内の足の引っ張り合いに反日が使われるのは稚拙としか思えない。逆にいえばコキントウ体制への攻撃に国内のみでかつ現体制の枠組みの中で筋を通した議論ができない事態は、裏を返せば自分達の行いがあまりにでたらめであることを意味しているのではと考えたりします。
過去の奪権闘争でよく使われたボケたカリスマ付思想闘争など都合のよい奪権形態が改革開放でなくなり(現在は何でもありという思想です)、また足の引っ張り合いが成功した暁には、従来はもれなく権力が得られたのですが、今や経済利権(搾取し放題の権利)が加わったことで事態をよりいっそう複雑にしているのではと考えたりしています。
しかし中共史上かつて無いほどどうにもならないぐらい貧しい大量の国民と強烈な貧富の格差が発生し、本当の暴動がぼこぼこ発生している中、よくもまあこんなことをしているなあと思います。
現状をリセットできるくらいのカリスマもいない。あくまでコキントウが妥協できない敵(日本)を作り、それに弱腰であれば苛めてしまえ(奪権してしまえ)というのり。
手段として残っているのが偏狭なそして劣等感を増幅する大変迷惑な反日思考しかなかった(自信があれば反日教育なんぞしない)ということであれば、それはあまりに寂しいと思っています。
日本が何らかの妥協をするとは全く考えられない状況では中共史上最悪の社会情勢と思います。それを知ってか知らずか、今回デモ+暴動を煽った人たち参加した人達は、それを利用した時点で自らも思いっきり袋小路に入ってしまったと思いますし、まだ現在の枠組みで反対派が活動できるとたかをくくっているのだとしたら、それは大変な間違いだと思っています。最後は真の暴動に自らが巻き込まれることを覚悟してくださいという感じです。
結果としてはたから見ればあ~あやっちゃった。知らないよ~と言う感じなのでしょうか。
御家人さんの情報収集と分析の能力には本当に感心しております。
「●李肇星外相、6部門共催の形勢報告会で対日関係の現状を報告(http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-04/19/content_2851482.htm)」の記事ですが、「二戦后,日本政府抱着反省和道歉的態度,表示理解和尊重受害国的民衆感情。」というくだりがありますね。
「反省和道歉」という言葉を使っていることが気になったのですが、こういった形で日本の反省と謝罪を認めているようなふりをしながら舌の根も乾かぬうちにまた非難を始めるというのが中国のやり方なのでしょうか。
我家本有七口人 祖父屬於國民黨 二戰時被日兵殺
我家還有六口人 祖母住在上海市 解放時被中共殺
我家還有五口人 父親對黨有看法 當作右派被肅清
我家還有四口人 母親相信大躍進 田地制鉄而餓死
我家還有三口人 我哥因爲滿洲族 紅衛兵來絞死他
我家還有兩口人 姐姐陸肆在北京 李鵬坦克所軋死
我家只有一口人 在此告發中共罪 特務該來逮捕我
愛國無罪的確是 奴隸人民愛雇主 共産黨則大凶星
党中央軍事委主席になれば牛耳ることができる時代は終わりました。その実例が今回のドタバタだと思います。
私は実際に党首討論を見ていないので、何とも言えません。
むしろ靖国参拝に関する発言の方が中国や台湾では注目されているようです。
>朝早くからタカ派にたくさんのおめでたいスレを立てまくって
>念入りに嫌がらせをされる、朝型のヒマ人だと思っていましたw
今もデタラメをやっているという点では似たようなものです。「鷹派」を苛めるために記事を集めているうちに、本来の血が騒いでかくなってしまいました。ただ一応勤労者ですのでヒマ人ではありませんw
「ぶひ」の皆さんがそれぞれお元気だといいですね。大将は「愛国者同盟網」にときどき出現していたフシがあるのですが、定かではありません。
私もこういう反日デモ、というかデモ自体が全国各地で起こり、一部でプチ暴動にまで発展するような事態は全く予想していませんでした。手に負えなくなった当局が慌てて火消しにかかっているようですが、どうなることでしょう。昨年のいまごろに比べれば荒れていることは確かですね。
歪んだ成長モデルゆえにいずれは破綻するであろう経済、発展の陰に隠された環境破壊や公害。……マクロコントロールがあまり機能していないようなので、経済もソフトランディングとはいかないでしょうね。まあ実情なんかはどうでもよくて、中国が全身血みどろになって気息奄々とした中で「これは、軟着陸だ」と言えば軟着陸なのでしょうけど(笑)。
今回の「反日」に絡んだ様々な事件の中では、日本企業でのスト発生と台湾企業の工場が地元民の略奪にあったこと、この2つが印象的です。もし広州や深センでの「デモ+プチ暴動」に煽られての行動だとしたら、これは危険ですね。御指摘の通り、都市での官民衝突(反日に限らず)と都市郊外型農村での暴動が何かのはずみで呼応しあって、ひとつの流れになっていくことがあるかも知れません。
中共も何を勘違いしたのかデモをやらせてしまいました。糞青や市民に、意思表示の手段の選択肢を増やしてやったも同然です。来年のいまごろはもっと荒れているのでしょうねえ。
上村氏は大学の先生になるんでしたっけ。見込まれるだけの仕事はしていましたからね。でも名物記者が紙面から消えてしまうのは残念ですね。
>中国、新法王選出でバチカンに台湾との断交を呼びかけ
根比べが終わったらすぐにこれですか。どうも最近の中共は台湾問題については我慢が効かないようですね。余裕がないというか焦っているというか。そりゃ時間が経てば経つほど「台湾人」意識が強まっていくのですから、焦るのはわからなくもないのですが。やはり対外強硬派が胡錦涛政権にけしかけているのかも知れません。
>今日の一面のトップ記事はどれでしょうか?
うーんこれは難しいですね。レイアウトでいえばGパン青年のようですが、見出しのポイントに加えボールドがかかっている、しかもそれで統一されているという点からして、例の李肇星報告とその右隣のコラム、このコンボが重視されているように思います。
御家人さんの日々の情報収集とその分析、本当にご苦労さまです。
ところで、私は近年の日本政府による「燃料投下型」対中外交(靖国神社参拝・尖閣諸島の灯台国有化・ODA打ち切り具体化・李登輝氏の訪日etc…)を支持してきましたし、今後も「やむにやまれず」支持していくとは思いますが、以下の見方接して「う~む。」と考え込んでしまいました。
http://bewaad.com/20050419.html
確かに、
> プチ暴動で済んだのは、僥倖にすぎない
> 一回の「反日デモ」からどういう事態に発展するか、どの方向に鉾先を向けてどれほど荒れ狂うかは誰にも予想できない
というのは、まったくその通りだと思います。
日本側もそろそろ、今後の中国の動向に関する一つの可能性として、どこまでを「想定の範囲内」として「覚悟」しておくかを、真剣に考える必要があるかもしれませんねぇ。
(御家人さんの棲息地である某巨大掲示版の某スレに書き込まれていた
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2005042016478
のようなことは、瑣末的な動きに過ぎないかもしれませんが…)
>しかし絶対的強者(カリスマ)無き現状が、中共維持の足並みの乱れを
>これほど露骨にあぶりだすとは思いもしませんでした。
私もそれを実感しています。このままだと胡錦涛の「強権政治・準戦時態勢による構造改革の断行」は画餅に終わりそうです。となれば中共もこれまでですね。
中共人は国家より党の存続を優先させ、党にあっては私利追求を優先します。それをチェックし規制するメカニズムがシステムに組み込まれていない以上、これはもうどうしようもありませんね。
もはや「反日」とか「祖国統一」(台湾問題)といった錦の御旗を担ぎ出すしか手がない訳ですから、中共も追い詰められたものです。仰る通り、袋小路ですね。自分の身の丈を客観的に測ることができないようでは、亡国もまたむべなるかな、といったところでしょう。
御指摘の部分は、恐らく「昔の日本の指導者はマトモだったのだ。しかるに現在ときたら……」という文脈で使われているように思います。このくだりが指しているのは国交樹立までのことですからね。
実は追記しようかと思ったのですが、この李肇星報告には私も非常に気になった部分があります。
「以胡錦涛同志為総書記的新一届領導集体」
という表現です。どうしてすでに使われたことのある「以胡錦涛総書記為核心的新一届領導集体」ではないのでしょうか。
「核心」が欠落したことで、胡錦涛の扱いが後退したことになります。これは結構重要かも知れません。そろそろ記事漁りにかからないといけないので、そのあと気が向いたら追記しておきます(笑)。
でも何だか電波というか「気」を感じませんか?(笑)
法輪功とかSecret China、あるいは大紀元、出処はそんなところでしょうか。
あ、でも肝心の江沢民が歌い込まれていませんね(笑)。ということは別口ですか。「鬼子」でなく「日兵」とされているのが個人的には気になります。
と言われる事もあるようですが、私の知る限り
ではソースが確認された事はありません。
さらに2chのコピペ文化を考えれば、千変万化な
亜種が存在していても、不思議ではありません。
中国語を解さない私としては、
同じく中国語を解さない人達が主流の筈の
2chで、このようなコピペが流通している事の
不思議さを感じています。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm
こちらから、カレンダーの4月20日
→国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)
→ 岡田克也 と選んでいくと見られます(WMAよりRealPlayerの方が見やすい感じ)。歴史認識の話は17分すぎからです。
見た印象では、村山談話をひっくり返すことはしないけど、外交姿勢は変えないよ、という感じでしょうか(すぐ日米同盟は堅持、と続けていましたし)。小泉さんも岡田さんも中国を刺激しないように、いつもより慎重な物言いでした。(排外的なナショナリズムは自信のなさの結果、そうでなくて自信に裏付けられた謙虚さで当たるべき、という岡田さんの発言は釣りでしょう。)
インドネシアで日中首脳会談が開かれたら(デモ沈静化のため)うわべだけの和解がアピールされるでしょうね。開かれないとなると、よっぽど対立が深いんだな、と推測できます。
ってことは、政府機構や企業だけでなく、軍内部でも、共産党委員会による統制が効かなくなっているってことですか?
共産党の内部の勢力争いですか。
共産党はどこも同じですね。
独裁制の行き着く所なのでしょう。
どんどん先鋭化してブレーキが効かなくなる。
アラブ問題で「民主主義の押しつけ」と気軽に
発言するジャーナリストはちょっと無責任だと
思いますね。私個人は。
・・・で、この度、ブログをはじめようかと
思いまして。
某所でのご活躍とこちらのブログを拝見して
いて、リンクを置かねばなるまい、と。w
また、トラックバックもさせて頂きました。
問題があればリンクは外します。
とりあえず、なにとぞ、よしなに。m(_ _)m
今後のさらなるご活躍をお祈りしております。
無理されて、お体を壊されませんように。
各種のニュース見るかぎり、取り上げる所はほとんど
なさそうですね。たいしたことも無かったか。
個人的には、中国側が「日本がああ言っているから取り合えず止めろ」
って文面でデモを押さえ込むと思ったのですが、どうも
それよりは大人の対応をしろって感じの押さえ込み
方をしてそうですね。
まだ中国側に余裕があるのか…な?
まあ今週末どこまで行くかで見極めは出来そう
ですし、日本とすれば生温かく見守りつつ、いつも
どおりの対応するだけでしょうが。
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極め付けというのは、中央宣伝部や教育部、そして人民解放軍の総政治部といった部門までが主催者に名を連ねていることで、要するに、「対日関係はこういう方針でいくから。最近色々あったけど、これからは勝手に動くことは厳禁」
と宣言したことになります。このイベントには各部門から合計3500名が参加し、テレビでも大きく取り上げられました。「胡錦涛派」vs「抵抗勢力」という観点からすれば、これで一応の手打ち、といったところでしょう。
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何故、 党の幹部3500人も集めて反日デモ抑制公演が必要なのか。 中国(ある意味で共産党ではない)当局が”あのデモは、自然発生的に人民が起ったものだ”としながら党幹部3500人を集めて訓示する必要があるのか。それとも幹部ではなく下級党員だったのか。
んーー 幹部に訓示する意味が見えない。
このような矛盾は、10000人とも言われるインターネットを管理している人々は、絶えず感じているわけでかわいそうです。
共産党員といってもまずは日本人と同じアジア人ですから、決して鬼でも糞青でもなく人の心は持ってるのでは。
リンク先(上)の方の視点、ああ、こういう角度から中国を眺めることもできるんだという驚きとともに、非常に興味深く拝見しました。
>日本側もそろそろ、今後の中国の動向に関する一つの可能性として、どこまでを「想定の範囲内」として
>「覚悟」しておくかを、真剣に考える必要があるかもしれませんねぇ。
私も全く同感です。成り行きで出ていって泥沼にはまってしまったらシャレになりません。
今回、外務省はスポット情報は出すものの渡航に関しては一切動きがありませんでした。
国としても企業としても、「中共の余命はX年」という仮定に基づいた約束事を決めておくべきだと思います。
「民主論壇」あるいはどこかの中国語掲示板に出た戯れ歌を、これなら日本人でもある程度意味ができるだろうということで転載したのかも知れませんね。
それにしても世相を諷するのに必ず「死」とか「殺」といった単語が出てくるあたり、さすがに中国です。
インドネシアでの日中首脳会談、そんな拙速に慌ててやらなくてもいいのに、と思うのですけど、やることで日本にはどんなメリットがあるのでしょう。
もし実現したとしたら、胡錦涛に「靖国は参拝するな」と言わせれば成功だったりして(笑)。
これは江沢民時代からそうでしたが、そのポストに就いたからといって「牛耳る」ことができるかどうかは、当人次第です。
江沢民も扱いにくい将官には昇進カードをまくなどして、機嫌をとりつつやっていました。「牛耳る」ほどの掌握力でなかったことは、引退後に院政を敷けず、腹心を党中央軍事委のポストに滑り込ませることすらできなかったことでわかるかと思います。
政府機構や企業で党委による統制が効かなくなっているというのは、私にとっては初耳でした(あり得ないことではないとは思いますが)。
>中共の言うとおり歴史を鏡にすれば、これから起こるのは第2の通州事件が懸念されます・・・。
そもそも上海のデモ自体、そういう事態に発展する可能性がありました。紙一重だったと思います。
1月に死去した趙紫陽・元総書記がいまの中国経済を評して「最悪の資本主義をやっている」と語ったのが印象的です。独裁体制というのはやはり自己変革が遂げられないものなのでしょうか。
時間的余裕がないのでなかなか他の方のブログを読めないのですが、自分とは違った視点から中国を眺めているのに刺激されたりします。異なる視点が多いほど立体像としての中国を思い描けるようになります。蔭ながら応援しておりますので頑張って下さい。
ペレストロイカのようなものは、やはり剛腕ともいえる政治力の持ち主にしてはじめて実現できることかと思います。いまの胡錦涛にそのニオイは感じません。
それから、現体制のもとでの民主化はまずあり得ないでしょう。これは一党独裁を云々する以前に民度の問題で、いまの中国の水準に照らせば高級すぎるシステムだと思うのです。
歪んだ経済・政治システム、具体的には政治制度改革を置き去りにして貧富の差拡大を容認する形で十数年走ってしまいましたので、ここからの修復は不可能でしょう。トップが胡錦涛でなくても、匙を投げるほかない状態のように思えます。「反日」を煽っていたと思ったら、今度は全力で火消しにかかる情けなさ。呆れるばかりです。
東アジア特有の開発型の近代化というのは存在してもおかしくありませんし、現に80年代末期には「新権威主義」という考え方が改革派にもてはやされました。ただ中国は……広すぎますし、人が多すぎます。その人民の民度もさることながら、その原因である愚民教育を推進してきた中共自体が愚民化してしまっています。私個人は、権力闘争に敗れて失脚しない限り、中共は胡錦涛政権でおしまいだと考えています。
>まだ中国側に余裕があるのか…な?
いえ、余裕がないから慌てて火消しにかかったのです。日本の反応とは無縁でしょう。
いまや中共当局は、「反日デモ」を国内問題として捉えているように思います。「反日」で対日関係がどうこうという以前に、「反日デモ」という起爆剤によって中国社会が誘爆し、中共政権が崩壊しかねない、という危機感によるものでしょう。
これは深く考える必要がありません。最近は目にする機会が減りましたが、中国における伝統的な「政策変化」の告知方式なのです。テーマが対日問題ということで異例なのですが、こういう場で持ち出された以上、これは国内問題という扱いなのです。
矛盾といえばその通りなのですが、そこはダブルスタンダードですから。「自発的に」云々とは日本向けの理屈です。一方で対内的には火消しに躍起。この面の皮の厚さが中国なのです。この公演だけじゃ足りなくて、出前の宣伝部隊まで出すようですね(笑)。
会場に集められた3500人はエキストラのようなもので、神妙に聴き入って要所で拍手をする役です。3月の全人代で「反国家分裂法」の表決がとられたとき、「反対票0」ときれいにまとまりましたね?あれと同じようなものです。
同じアジア人だから、という言い方には疑問を感じます。本当にそうでしょうか?
私が思うに、明治維新以前、江戸時代あたりから日中は全く違う道を歩んでいると思います(もしかしたら鎌倉時代から?)。もうその時点で「アジア人」で一括りにはできない相違点が生まれている筈です。乱暴な言い方かも知れませんが、中国人と比べるなら、日本はむしろ欧米人に近いのではないかと思ったりもします。
>同じアジア人と云う考えは無理、皮膚の色が同じだけと考えている方が良いのでは。
同感です。
お話の内容が私には難しくて……でも仰ること、わかるような気がします。
>日本人が中国の異常さに再び気づいたという意味で良い出来事だったと思います。
この10年、「中国・中国人」との接触が深まるほど日本人の対中嫌悪感が高まっていきました。当然の結果だと思います。
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【北京21日時事】中国公安省は21日、国内で反日デモが拡大したことを受けて初めて談話を出し、無許可デモ組織やデモ開催情報をインターネットや携帯電話メールを通じて流布するのを禁止すると発表した。新華社電が伝えた。
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共産指導部(糞青)は、本気でネット封鎖するんですかね。情報が全て入らなくなったらそれこそ暴動になってしまう と心配するんですが。
真実を伝えるために世界中の人がプロバイダーを別にして2-3個にわけ、HP、Blogを幾つも作ればけっこうきついと思うのですが。
ネット封鎖ではなく監視強化でしょう。メッセージの中に含まれていると送信しても自動的に跳ね返されるNGワード、これも増えていると思います。いまはネットで反中共攻勢をかけるには最適の時期ですね。
そういえば私も中国に反中共ブログを持っていました。「大紀元」とか香港発のニュースをガンガン転載して。あれはどうなったのか(笑)。
いや、聖徳太子が「ツツガムシ大丈夫か?」って
言った頃からかと。距離が近いので相互に影響は
受けているでしょうが、歩む道は元から違うと
個人的には思っています。
それゆえ、ぶつかる事もあると。
まあ、日本側の許容度が思いっきり広い為に、
対立が表面化した時代は少ないとは思いますが。
聖徳太子、全くもってその通りでしたね。
自らの不明を恥じ入る次第です。
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