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聴覚障害者に情報端末 AIが音認識、富士通が開発中

2019年04月23日 10時51分35秒 | 障害者の自立

新ユニバーサル社会(下)

富士通や富士通デザインが、聴覚障害のある人のために、室内や建物内で何が起こっているのかが分かるようにするシステムに挑戦している。室内や建物内に小型マイクを設置し、チャイムやドアの開閉音といった環境音を人工知能(AI)で認識し、独自の情報端末に光や文字を使って表示する。

AIで環境音を認識させるといっても、簡単ではなかった。周囲の雑音もあり、環境が変われば認識できないこともある。どんな環境下でも、例えばドアのノックを正しく認識できるようにするため、何度も試行錯誤を重ねてきたという。

 ■平均認識率は91.8%を達成

 同プロジェクトは3年計画で、現在は3年目。1年目はドアのノックや開閉、電子レンジや水の音といった4種類の環境音を認識させることから始めた。2年目は聴覚障害のある人や家族にアンケートを実施し、重要度と頻度の高さから13種類(炊飯器や目覚まし、電子レンジのアラーム音、換気扇、水の音、冷蔵庫のトビラの開アラーム、ドア開閉、ドアノック、チャイム、会話、カギ落下音、自転車のベル、クラクション)まで認識できるようにし、その精度を高めていった。13種類の環境音の平均認識率は91.8%を達成。「マイクの位置などによって認識率が変わることもあり、まだまだ精度は高めていく必要がある」と小野氏は語る。

表示する情報端末も聴覚障害のある人のニーズを基に開発を進めた。中心となってプロジェクトを推進したのは自らも聴覚障害があり、富士通でエクスペリエンスデザインを担当する松田善機GUIデザイナー。1年目は音を認識すると光る独自の情報端末や、音を認識するとくるくると回り出す仕掛けを備えた装置を開発。どこの音かをアイコンで表示する仕掛けも設けた。聴覚障害のある人が実際に試したところ、「音が鳴っていることが分かるのはすごく便利」という意見が挙がったが、「情報端末が大き過ぎる」「アイコンが目立たない」といった意見もあった。

 そこで2年目には、据え置き型の情報端末に加え、市販のパソコンや腕時計型端末など、表示端末のバリエーションを増やした。3年目にはマイクの設置を不要にし、パソコンがなくても使えるよう、AIを搭載したマイク内蔵の情報端末を作った。「環境音以外にも、人から話しかけられたことも分かるようにしてほしい」というニーズも多く、最新のプロトタイプでは「話し声」「玄関チャイム」「ドアノック」「水の音」「アラーム」の5種類の音を認識し、異なる光の色で教えてくれる。

聴覚障害がある人の多様なニーズに対応すべく、可搬型や据え置き型の情報端末など、機能分化した情報端末の開発にも取り組んでいる。周囲の人とのコミュニケーションを支援するため、インタラクティブな機能の実現も目指していくという。さらに多くの聴覚障害のある人のニーズや意見を集めるため、2018年10月4、5日には全日本聾教育研究大会に、11月23日には川崎市立聾学校の文化祭にプロトタイプを出展した。

 ■音声をリアルタイムにテキストに

富士通にはインタラクティブな機能の実現に大きく寄与する技術がすでにある。富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)が開発した「LiveTalk」だ。これは音声認識などの技術によって会話の内容を可視化し、共有できるようにしたコミュニケーションツール。音声認識の機能により、最近は議事録の作成ツールとして導入するケースも増えているという。日本語から英語など外国語に翻訳する機能も搭載しているため、聴覚障害のある人とのコミュニケーションはもちろん、さまざまな言語間でのリアルタイムなコミュニケーションが可能になるという。

 

「聴覚障害がある人は周囲の会話内容が分かりにくいため、意思決定の場面に参加できないという課題があったが、それを解消するツールでもある」と富士通SSL LiveTalkテクニカルエヴァンジェリストの福岡寿和氏は語る。聴覚障害のある人も、会議などで意思決定に貢献しやすくなりそうだ。

 (ライター 中村仁美、写真 丸毛透)[日経クロストレンド 2019年2月27日の記事を再構成]

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