ゴエモンのつぶやき

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障害者向け接客 充実へ 五輪パラ前に道内宿泊施設 体験会重ねニーズ把握

2019年03月19日 15時19分30秒 | 障害者の自立

 道内の宿泊施設が、障害のある人に配慮したサービスの充実に力を入れている。背景には2020年開催の東京五輪・パラリンピックで、海外からも多くの障害者が道内観光に訪れることが予想されることなどがある。誰もが利用しやすいサービスを提供することで高齢者ら幅広い層の需要の掘り起こしも期待され、取り組みは今後も広がりそうだ。

 「お好きな食材は何ですか」「サラダはお取りしますか」。ニューオータニイン札幌(札幌市中央区)が9日、障害者を招いて開いたランチビュッフェの体験会。ホテルのスタッフが車いすの人らと列に並び、要望を聞きながら料理を皿に盛り付けた。

■皿の横に写真を

 体験会は昨年に続き2回目。今回は身体や精神、知的障害のある11人が参加。二分(にぶん)脊椎症のため下半身が不自由で車いすを使う札幌市北区の塚越俊晴さん(24)は「料理が自分の目線よりも高い位置にあるので中身が見えにくい。皿の横に写真が置いてあるとうれしい」などと助言した。

 同ホテルは昨年から、従業員に、障害者や高齢者らが旅行を楽しめるよう支援する民間資格「観光介助士」の取得を促している。現在、資格を持つのは6人。松島啓二営業企画室長は、「障害を問わず、家族や友人らと一緒に安心して食事を取れる場を提供したい」と話す。

 5月1日にJR函館駅近くに開業するホテル「センチュリーマリーナ函館」は14、15両日、同市内の視覚障害者を招いた宿泊体験会を開き、盲導犬を伴うなどした3人が参加した。

 同ホテルを運営する札幌国際観光(札幌)の執行役員で、自身も網膜の異常で視野が狭くなる網膜色素変性症を患う安藤修さん(53)が「自分の経験を施設運営に生かしたい」と企画。3人は、犬と宿泊できる部屋「ドッグラバーズ(全5室)」に泊まった。

■新たな認定制度

 浅野清貴総支配人は「盲導犬を同伴した宿泊客への対応に慣れたスタッフは少ないので、体験会を従業員の意識や接客技術の向上につなげたい」と話す。

 東京五輪・パラリンピックの開催を前に、観光庁は、非常時の誘導など障害者をはじめ配慮が必要な人への対応法をまとめた「接遇マニュアル」を作成。宿泊施設などに活用を呼び掛けている。

 道内の障害当事者や福祉サービスの従事者でつくる、北海道バリアフリー推進協会(札幌)は、障害のある人を受け入れる飲食店や宿泊施設向けの「接客介助認定」制度を作る予定だ。6月から認定に向けた講習を開始。宿泊施設従業員らに、車いすや片まひのある人、視覚障害者への対応を実技や意見交換を通して学んでもらう。

 札幌市内で就労継続事業所を運営する、同協会の澗口剛士郎(たにぐちたけしろう)代表は「障害の経緯や外出時の困りごとなどを障害当事者から聞いてもらい、心の通ったもてなしを提供してくれる店舗や施設を増やしたい」と話している。

犬と泊まれる部屋でホテル従業員と意見を交わす視覚障害者(右から3人)=14日、センチュリーマリーナ函館

犬と泊まれる部屋でホテル従業員と意見を交わす視覚障害者(右から3人)
 
03/18          北海道新聞

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