障害のある子どもが放課後や休日を過ごす「放課後等デイサービス」の長野市内の2施設が4月下旬、監督する県に直前まで連絡がないまま閉鎖されていたことが17日分かった。50人ほどの子どもが利用しており、突然の閉鎖で代わりに通う施設が見つからない子どもも出ている。運営会社の資金繰りの悪化などが原因とみられるが、県は、児童福祉法の定める閉鎖1カ月前の廃止届の提出を怠ったとして、同法違反で運営会社を指導した。
施設は「こども自立支援スクールぽらりす」で、出版や学習塾経営などの創拓社出版(本社・東京)が運営。県内では長野市の東和田、安茂里、吉田の3カ所あり、東和田が4月25日、安茂里は同28日に閉鎖した。県長野保健福祉事務所によると、安茂里の施設は20人余、東和田は約30人が利用していたが、同社から廃止届が出されたのは閉鎖直前の同24日だった。
吉田の施設も5月31日に閉鎖予定だったが、長野市や中野市で放課後等デイサービス施設を運営する会社「ひふみ」(中野市)が従業員ごと引き継ぎ、運営することが決まった。
創拓社出版は4月下旬に3施設の保護者に配った文書で「出版事業の不振や急激な資金繰りの悪化により、事業継続が限界に達した」と説明。17日の取材に「責任者がしばらく出社しておらず、お答えのしようがない」とした。同社の学習塾「まつがく」を県内外で運営する塾本部(長野市)は「塾の運営は問題なく続いている」としている。
閉鎖した「こども自立支援スクールぽらりす」
5月18日 信濃毎日新聞