障害者の芸術活動を支援している高岡市のアートNPO工房ココペリは十四日、同市伏木古府元町の工房で、県内のアール・ブリュット(生(き)の美術)の拠点となる県障害者芸術活動支援センター「ばーと◎とやま」を開所した。県の委託で、県内の知的障害者らの芸術活動の発掘や相談、作品の販売支援、展覧会の開催に取り組む。
アール・ブリュットは、美術教育を受けていない知的や精神などの障害者が自発的に創造した美術芸術。ココペリでは障害者約十人が絵や造形などの制作活動に励んでいる。
開所式では、ココペリの活動を長年続けてきた同センター代表の米田昌功さん(52)=富山市=が「芸術を通して障害者の笑顔が増えていくように頑張りたい」と意気込みを述べた。
出席者が障害者の作品を飾った会場で、センターの名称に使われている二重丸をピンクやオレンジ色で描くオープニングドローイングを行った。障害者の作品制作会もあった。
センター名は「Be(存在または生)」と「ART(芸術表現)」を組み合わせた。「はーと(心)」の意味もある。二重丸は心と体の調和を表している。
まずは、障害者芸術の現状を把握するため、県内の福祉施設などにアンケートを実施する。米田さんは「障害者が生きるために必要な表現である芸術活動を増やしたい」と力を入れる。
開所式の会場で、障害者の作品を紹介する米田昌功さん
2018年7月15日 中日新聞