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名古屋城「忠実な復元」で昇降機なし

2018年06月19日 11時45分47秒 | 障害者の自立

障害者反発、市は

 名古屋市が進める名古屋城天守閣の木造復元事業で、バリアフリーを巡る論争が巻き起こっている。河村たかし市長が「史実に忠実に復元する」として昇降用のエレベーター(EV)を設置しない方針を示したことが発端だ。賛同する市民も多い一方で、障害者団体は反発を強めている。

 天守閣は17世紀初頭に完成。1930年に当時の法律に基づく国宝第1号に登録されたが、第2次大戦中の45年5月、空襲で焼失した。現在の天守閣は59年に鉄筋コンクリートで再建された。7階建てだが、外部EVで1階まで、内部EVを使い5階まで、車いすでも上り下りができた。

 「江戸時代の本物を作る」。2009年に就任した河村市長は木造による天守閣の再建構想を表明。前回17年の市長選では最重点公約の一つに掲げて再選され、関連予算案も市議会の同意を得た。天守閣は18年5月7日から、復元に向けて足元の石垣を調査するため入場が禁止になった。市の計画通りに進めば、20年に着工し、22年末に新天守閣がお目見えする。

 市長は「史実に忠実」にこだわり、創建当時はなかったEVの設置に否定的な姿勢を崩さない。障害者団体は「これが認められれば『忠実な復元』との名目で障害者を無視した建物が全国に広がる」などと抗議している。障害者差別解消法などに反するとの指摘に対して市は、代替手段を講じることで法令違反はないという立場を取る。

 河村市長はEVに代わる案として「車いす型ロボット」「はしご車」「人間が搭乗できるドローン」などを示す。市長は「(復元完成までの)4年かけて新技術に挑戦しよう」と意気込み、バリアフリー対策を探るため障害者や技術者でつくる協議会を6月中に立ち上げる予定だ。これに対し、障害者側は実現性を疑問視している。

 国宝の姫路城(兵庫県姫路市)や松本城(長野県松本市)など、江戸時代から現存する天守閣にEVはない。文化財として当時の姿を保存することを重視し、城の構造を変えることになる大がかりな改修は難しいためだ。

 一方、戦後に再建した城郭にはEVを備える例もある。大阪城(大阪市)は8階の展望台まで上れるEVがある。熊本城(熊本市)にはなかったが、熊本地震からの復旧に合わせて今後設置する計画をまとめた。「石垣など歴史的な遺構の保存に配慮しつつ、バリアフリーの向上を目指す」(同市の担当者)という。

 名古屋城のように、創建から昭和に至るまで300年以上存続した城郭について、「戦災を免れた実測図や写真などを基に再建しようとする事例はかつてない」と市の担当者は意義を強調する。しかし、障害者団体と河村市長との意見交換は平行線をたどり、バリアフリーを巡る議論は今後も曲折が予想される。

(名古屋支社 高橋耕平)   日本経済新聞

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