ゴエモンのつぶやき

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優生手術提訴 被害掘り起こす契機に

2018年05月19日 18時26分24秒 | 障害者の自立

 旧優生保護法の下で不妊手術を強いられた人たちが、補償を求めて提訴する動きが広がった。障害者らへの重大な人権侵害の実態解明に向け、埋もれた被害の掘り起こしにつなげたい。

 東京、宮城、札幌の70代の男女3人がそれぞれ、国に損害賠償を求める裁判を起こした。子どもを持つ自己決定権を奪ったことは憲法に違反すると訴えている。

 1月に提訴した宮城の女性を含め原告は4人になった。近く全国弁護団が結成され、提訴はさらに各地に波及しそうだ。

 今回の3人が手術を強制されたのは1950年代、60年代である。既に長い時間が過ぎ、裏付けとなる記録は見つかっていない。

 差別を受けた当事者にその責めを負わせられない。訴えを起こすこと自体、大きな苦しみを伴う。本人の証言を踏まえて尊厳の回復が図られなくてはならない。

 札幌の小島喜久夫さんは、原告で唯一、実名を公表した。同じようにつらい思いをしてきた人たちが声を上げてくれたら、と提訴後に語っている。

 19歳のころ、医師の診察もなく「精神分裂病」と診断されたという。旧法が定めた手術対象ではない人にまで被害が及んでいたことを示す証言である。

 旧法は「不良な子孫」の出生を防ぐ目的で戦後の48年に制定された。96年に改定されるまで、およそ2万5千人が手術を受けさせられている。1万6千人余は本人の同意がない強制手術だった。

 旧厚生省は、強制手術にあたって身体の拘束や麻酔のほか、だますことも認めた。手術件数を増やすよう都道府県に要請してもいた。国、自治体を挙げて手術を推し進めた実態が浮かぶ。

 法の運用や手術の可否を判断する手続きもずさんだった。政府は、当時は合法的に厳正な手続きで行われたとして補償を拒んできたが、その根拠は崩れている。

 1月の提訴後、事態は大きく動いた。与野党の議員連盟や与党の作業部会が発足し、立法による被害救済の動きが進む。政府も実態調査を始めた。

 幅広く補償を図るとともに、被害の実情を詳しく検証することが欠かせない。旧法を国会が議員立法で成立させたことを含め、責任の所在も明確にする必要がある。過ちに正面から向き合わなければ根深い差別を克服できない。

 なお多くの当事者が声を上げられずにいる。被害者を支える取り組みを強め、その現状を変えていかなくてはならない。

(5月18日) 信濃毎日新聞

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