ゴエモンのつぶやき

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個性認め、障害者の働く場をつくる 柴田智宏さん

2018年06月19日 12時01分43秒 | 障害者の自立

 週1日の勤務も、1時間だけの勤務もOK。鳥取県倉吉市関金町のペットフード製造会社「ドアーズ」は、午後3時には多くの社員が退勤する。障害者たち、介護や高齢、ひとり親家庭など「働く時間に障害」がある人たちを受け止める企業をつくろうと、2013年に起業した。「障害というか個性ですね」。個性を認め合って得意分野を役割分担、労働時間もカバーし合う。

 17年は約5億円売り上げた。鶏や豚、牛、シカ肉といった県産品などをペットのおやつに加工する。手作業が多く、多品種・少量の製造を得意とする。

 転機があった。高校を卒業して就職した地元の社会福祉法人で、障害者施設の製麺事業の立ち上げを担当。親しくなった利用者と飲もうと盛り上がったが、生活保護を受けていて気がひけるという。一生懸命働いても稼ぎが少ないため、生活保護に頼ってあまり働いてもいなかった。「自分が稼いだお金で楽しもう」「生活保護より稼ごう」と本気で語り合い、お互いの仕事への姿勢が変わった。

 「1円でも給料を上げるのが利用者の幸せにつながる」。04年に退職して岡山県真庭市社会福祉法人蒜山慶光園(現・慶光会)へ。同市で障害者が働く製麺所を開業。10年度に年商1億円、利用者の月額工賃5万円を達成した。事業は順調。だが、「給料が下がっても一般企業で働きたい」と利用者が話すのを聞いた。「福祉ではない選択肢が必要だと気付いた」。それがドアーズにつながった。この先も「現場の声を聞いて進んでいきたい」。可能性の扉を開き続けるつもりだ。(斉藤智子)

     ◇

 ――ドアーズの製造の仕組みは

 自社ブランドではなくメーカーと契約して商品の製造を任せてもらうOEM会社です。包装を近隣福祉施設に委託したり、長野県の福祉施設が加工した害獣駆除のシカ肉を購入したり、連携も広げています。

 ――障害者が働く福祉作業所の製麺事業でも、高い工賃を実現してきました(就労継続支援B型事業所の全国平均月額は15年度で約1万5千円)

 「障害者がつくれるものを、つくれた分だけ」ではなく、一般市場で売れるものという発想です。手打ちの食感がある冷凍うどんを開発して製法特許も出願しました。事業所内であいまいになりがちな福祉支援職員と労働職員の業務をはっきりと分担をしてビジネスに「福祉」の言い訳を持ち込まないようにしました。でも、最初は「脱福祉」しきれなくて。当時の理事長に製麺機の工面を相談したら、商売する者が補助金などをあてにするなと。悔しくて。機械を中古でそろえて、営業を重ねました。

 ――夢のある計画も進行中ですね

 障害者スポーツに打ち込む若い選手を応援しています。高校生から20代まで陸上と卓球の選手20人以上がNPO法人に登録して、関金を拠点にトレーニングを積んでいて、ドアーズがユニホームや用具費、遠征費を支援しています。パラリンピックに出場する選手が生まれるといいですね。

写真・図版

社名「ドアーズ」は、就労に困っているすべての人に扉を開く、という思いで名づけた

 しばた・ともひろ 1974年、倉吉市生まれ。倉吉北高卒。妻と子ども2人の3人家族。11年、障害者の自立支援を推進した人に贈られる「ヤマト福祉財団小倉昌男賞」受賞。14年から蒜山慶光園(現・慶光会)理事長でもある。慶光会は4月から関金で障害者の共同作業場「地域はたらくセンター」も正式稼働。

朝日新聞             2018年6月18日

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