ゴエモンのつぶやき

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視覚障害者と市民ランナー 伴走グループ発足へ

2018年05月23日 11時52分28秒 | 障害者の自立

 鳥取県内の市民ランナーと視覚障害者が、県内初の障害者と伴走者のランニンググループをつくろうと準備に奔走している。伴走に必要な知識や技術を学ぶ研修会(県障がい者スポーツ協会主催)を6月に開き、賛同者を募る計画。関係者は「走ることを通して喜びや楽しさを分かち合い、障害者の生きがいや社会参加の後押しになれば」と期待する。

 視覚障害者がランニングする場合、伴走者が必要不可欠だ。輪にしたロープを互いに持ち、伴走者はランナーの目となってコースの状況や障害物の有無を伝えながらゴールへ導く。

 伴走者になるのに資格は不要。大切なのは視覚障害者との信頼関係で、伴走グループの練習会に参加することが第一歩になる。

 県内には伴走グループがなく、マラソン愛好者の池本智美さん(57)=鳥取市鹿野町鹿野=と県外の伴走者研修会に参加経験のある川口誠さん(63)=倉吉市大谷=が同協会に相談し、研修会の開催にこぎ着けた。伴走グループを立ち上げて障害者ランナーと伴走者を増やし、将来的には双方を組織的にサポートする体制づくりも視野に入れる。

 病気で全盲になった山根直之さん(34)=日吉津村富吉=もメンバーの一人。岡山県内の職業訓練センターにいた2016年に地元の伴走グループと出会い、マラソンを始めた。

 「引きこもり状態で二度と走ることすらないと思っていた」が、練習会に参加し大会での完走距離が伸びるにつれ、やる気と自信が芽生えた。「初のフルマラソンを完走した充実感はこれまでの人生で経験したことがないほど。目が見え1人だったら完走できなかった」と伴走者との絆の大きさを実感。日吉津村に戻ってからは、日々の練習は個人のつながりだけで伴走者を探しており、同じ趣味を持つ仲間が増えることを心待ちにする。

 研修会では日本ブラインドマラソン協会常務理事の鈴木邦雄さんを講師に、視覚障害の特性や伴走者の役割を学ぶほか、アイマスク体験や伴走体験もある。

 「マラソンを通していろんな人に出会えたことは自分の宝」と山根さん。「ウオーキングしたりランニングしたり、気軽に楽しめるチームにしたい。一歩足を踏み出してほしい」と呼び掛ける。川口さんも「走る喜びや感動を共有し、互いに学び合う場になれば」と話している。(野木絢)

 ◇伴走者養成研修会は6月16日午後1時から、鳥取市のコカ・コーラ陸上競技場で。参加無料、先着50人。申し込みは県障がい者スポーツ協会、電話0857(50)1071。

ロープを手にジョギングを楽しむ山根さん(中央)と川口さん(左)ら。走る喜びを共有し、仲間が増えることを願う。

2018年5月22日   日本海新聞


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