ゴエモンのつぶやき

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広がる障害者雇用 人口減時代、貴重な労働力に

2018年08月14日 13時23分29秒 | 障害者の自立

 障害を持つ人が貴重な労働力として、経済の担い手になりつつある。約10年で障害者の新規雇用は2倍になった。身体や精神など障害に応じて仕事内容や働き方を工夫することで、障害者が年金の限度額を超える給与を得たり、企業も黒字を確保したりしている。

 東京都江戸川区にある中古OA機器販売会社のリベラル。作業場では4人の障害者が1台の中古オフィス用複合機の分解・清掃に取り組んでいた。黙々と4~5時間かけ、新品同様に再生した。その姿勢は教育を担当する佐久間賢課長が「自分では到底まねができない」と舌を巻くほどだ。

 同社は2008年、法人向けOA機器販売のラディックス(東京・千代田)の特例子会社として設立された。社員40人中、28人が障害者だ。漢字やアルファベットが読めない人もいるため、作業マニュアルにはイラストや写真を多用した。障害者がチームリーダーになるなど、健常者並みの仕事をこなす。

 まじめで粘り強い仕事ぶりは業績にも反映。リベラルは設立以来、黒字を確保する。7割以上がグループ外取引だ。給与が増えて障害年金などの手当の制限に引っかかるケースもあるという。

 IT分野にも障害者の活躍の場が広がっている。グリー子会社のグリービジネスオペレーションズ(横浜市)では、精神障害者らがゲーム制作にも携わる。

 約50人いる従業員のうち、42人が障害者だ。働きやすいよう、例えば自閉症の社員には机の周囲を覆って集中できるようするなど工夫している。グループ内の業務支援という位置づけだが、従来グループ外に委託していた分のコストが減り、グループ全体の収益に貢献している。

 障害者が働ける職種を広げようと支援に取り組むのは東京都大田区だ。7月、区役所の地下駐車場で精神障害者による洗車サービスを実演した。洗剤で汚れを落とし、時々ペンライトでボディーを照らして汚れが残っていないか、磨き残しはないかなど確認した。

 区は洗車サービスの事業者が障害者を雇用すれば、丁寧な仕事ぶりで利用者に高い満足を与えられると呼びかける。実演した事業者はカーシェアの洗車を請け負うが、個人向けなどビジネスの幅が広がれば雇用される障害者も増える。

 08年度に約4万4000人だったハローワークを通じた障害者の新規雇用者数は、17年度には10万人に迫る。ただ、民間企業の平均雇用率は17年で1.97%と、法定雇用率の2.0%(当時。現在は2.2%)には届かなかった。さらに約半分の障害者が1年で離職するとされているだけに、定着率の向上も課題となっている。

 障害者の職業訓練施設を運営する一般社団法人ビーンズの坂野拓海代表理事は、障害者の雇用拡大や定着には「健常者、障害者が能力に合わせて分業し、共通の目標に向かうような体制作りが大事」と指摘する。

 障害者が働くことによる心身の負担は決して小さくない。労働経済学を研究する中央大学の阿部正浩教授は「医療機関や企業、支援機関が連携し、適切なケアを提供することが必要だ」とする。障害者の能力を最大限発揮させるための環境づくりが重要になる。社会保障の受け手から納税者へと変わる素地はできつつある。

2018/8/11        日本経済新聞

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