ゴエモンのつぶやき

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伝えられぬ意思、傷つく弱者 堺の知的障害者、失明原因わからぬまま

2015年02月20日 02時00分11秒 | 障害者の自立

 【鈴木洋和】 堺市の障害者施設で、入居者の男性が左目を失明する大けがを負った。男性は重度の知的障害で、けがをした状況を説明できず、警察の捜査や民事裁判でも原因がわからないままだ。意思表示できない障害者が虐待を受ける場合もあり、厚生労働省は対策に乗り出している。

 堺市の松本剛(ごう)さん(40)は重度の知的障害で意味のある言葉を話せず、身体障害もあり、全面的な介護が必要だ。母の幸子さんは「事件前はよく笑っていたのに、今はふさぎこみ、すぐ寝てしまう。生きる意欲がなくなったようです」と話す。「事件」と呼ぶのは6年前のことだ。

 大阪地裁堺支部の判決によると、2009年4月13日、剛さんが堺市の福祉施設の一室で、身体障害のある男性と生活していたときだった。職員は常駐しておらず、午前6時に、剛さんが左目に失明する大けがをしているのが見つかった。施設はアパート1階で、3部屋に計5人が暮らし、窓は施錠されていなかった。

 剛さんと幸子さんは11年5月、安全配慮を怠ったなどとして施設側を相手取り、地裁堺支部に提訴。同居の男性が暴力を加えた以外に考えられないと主張。男性には粗暴性があり、剛さんを一人部屋にすべきだったなどと訴えた。

 施設側は、男性に粗暴性はなく、同居していた2年半に暴行を加えたことはなかったと反論。適切な支援サービスを提供する義務はあったが、身体の安全にまで配慮する義務は負わない、と主張していた。

 判決は、全ての証拠を見ても同居男性の暴行とは認められないと判断。外部からの侵入者、職員、他の利用者による暴行や自傷事故の可能性も否定できないと結論づけた。施設側が、大けがの事実を2日後に幸子さんに知らせた点には報告義務違反があったとして慰謝料など15万円を認めたが、それ以外の訴えは棄却した。

 剛さん側の代理人、中平史(ふみ)弁護士は「話せないという事情をふまえ、けがや周囲の状況から、何が起きたのかという可能性を検証し、施設側の責任を判断して欲しい。このままでは障害が重いほど泣き寝入りせざるを得ない」と指摘。剛さん側は控訴し、大阪高裁で審理が続いている。

 一方、捜査している西堺署は「個別事件については回答を差し控える」とし、一般論として「被害者の供述は事件を立証する上で重要な要素。特に客観的証拠に乏しい事件における事実認定への影響は否定できない」とコメントした。

2015年2月19日    朝日新聞

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どう防ぐ性犯罪 障害者支援の現場で(中)「対策甘さあった」

2015年02月20日 01時53分11秒 | 障害者の自立

 放課後の障害児を預かる横浜市内の「放課後等デイサービス」事業所を運営するNPO法人代表の男性(67)が、元職員の男(42)に抱いた第一印象だ。だが採用からわずか3カ月後、利用者の知的障害児にわいせつな行為を繰り返していたことが判明する。

  男は2013年10月、「子どもの福祉の仕事がしたい」と語り、職員募集に応募してきた。履歴書には、2カ所の障害児施設での勤務歴が書かれていた。代表が1人で1時間にわたって面談。きちんと目を見て話すことができ、実際に福祉の知識もあった。すぐに採用が決まった。

  しかし働き始めると間もなく、「問題行動」を見せるようになった。代表によると、男は利用者の障害児と接する際、女児ばかりを選んで近づいていた。周囲の職員の目にも留まるようになった。不適切な行為に至らないよう、採用から2カ月後、男を子どもと接することが少ない事務職に配置換えした。

  「事務の仕事をやりに来たわけではない」。普段はおとなしい男だったが、配置換えに強く反発した。「女の子ばかりに近づくと、不審者に思われるよ」。そう諭してもなお、男は不満を残した様子だったという。

  事件は、この配置転換から約1カ月後、女児の1人の訴えで発覚した。一審判決によると、男の犯行期間は、勤務期間とほぼ重なっていた。周囲が問題行動に気付いた時には既に女児が被害に遭っており、配置換え後も繰り返されていたことになる。

  どうすれば、男のような職員を避けることができるのか。

  代表によると、事業所は問題行動に気付き、男の解雇も検討した。だが相談した社会保険労務士は、当時の契約内容では「女児ばかりに近づくことだけを理由とした解雇は難しい」と回答。このため、配置転換で対応したという。

  今回の事件を受け、事業所は契約書を修正。事業所側が不適切と判断した場合に解雇できるとの一文を加えた。

  また、採用時の確認も強化。過去にわいせつなどを理由に退職したことがないか、宣誓欄を設けた。今回の事件発覚後、以前勤めていた施設でも、男が禁止されていたトイレでの異性介助を行うなど問題行動を起こし、退職していたことが分かったからだ。

  さらに施設内に防犯カメラを設置。管理職を増やして情報を共有する仕組みもつくった。「一つの対策で完全に防ぐのは難しい。いくつもの対策を組み合わせることで、利用者の被害を防ぎたい」。代表は力を込める。

 放課後等デイサービスは、12年4月に創設された新しいサービス。需要の高さもあって、このNPO法人は13年秋に新規参入した。職員には未経験者もおり、利用者増で職員不足にも直面していた。男が応募してきたのは、そんなころだった。障害児施設での勤務経験を信頼し、男の採用を決めたという。

  代表自身、障害者の在宅介護やグループホームなどに35年携わってきた。障害児支援のノウハウはあるつもりだった。だが-。

  「職員に問題行動を起こさせない対策に、甘さがあった。被害者の方は地獄と思う。責任を感じている」。代表は謝罪を繰り返し、こう続けた。

  「人の良いところを見抜くのが福祉の仕事。しかし今回の事件で、(犯罪行為が起きる)かもしれないという目を持たなければいけないと、痛感している」

 施設での虐待 声上げにくく

 障害者虐待防止法に基づく県の集計によると、2013年度に県内で家族や福祉施設の職員らによる虐待が認められたのは153件に上る。このうち、施設職員による虐待は29件。だが障害者を支援する事業所の関係者は「公表された数字は氷山の一角だ」と指摘する。

  類型別では、性的虐待は12件だった。ほかには身体的虐待が96件、暴言や差別的な言動など心理的な虐待は60件などとなっている。

  障害の種類別(重複計上)では、知的障害が82人、精神障害が58人、身体障害が24人、発達障害が5人、その他の心身の機能障害が2人だった。担当者によると、知的障害者は周囲と十分なコミュニケーションを取るのが難しいことに加え、福祉サービスを利用する機会が多いことなどが背景にあるとみられる。

  障害者への虐待は、事実確認が難しいのが実情だ。中でも、施設職員らが加害者とされる場合、実際に虐待と認定されたのは、通報・届け出数の1割未満にとどまっている。

  県によると、通報には内容が具体的でなかったり、発生から時間がたっていたりするものもあり、担当者は「調査をしても、事実確認が難しいケースはある」と打ち明ける。通報者が施設内での立場を守るために、通報を取り下げることもあるという。

  だが、県内で障害児の支援に当たる事業所の関係者は「『預かってもらっている』という負い目から、サービス利用者は声を上げにくい」と指摘。「公表されているのは氷山の一角だろう」と話し、利用者側が訴え出やすい環境整備の必要性を強調している。

 ◆県内の障害者施設で発覚した近年のわいせつ事件

 厚木市内の福祉施設で2013年、利用者の知的障害のある少女が、生活の介助などを担当していた臨時職員からわいせつな行為を受けていたことが発覚。12年には横浜市旭区の入所施設で職員が入所女性に性的関係を迫ったと施設側が公表。綾瀬市内の知的障害者施設では09年、利用者の女性が非常勤職員2人から体を触られるなどの被害に遭っていたことが分かった。

 【神奈川新聞】    2015.02.19

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阿部友里香が女子立位2位 障害者スキー距離W杯

2015年02月20日 01時50分02秒 | 障害者の自立

 障害者ノルディックスキー距離のワールドカップ(W杯)旭川大会第4日は18日、北海道旭川市の富沢クロスカントリースキーコースでフリーのスプリント(1キロ)が行われ、女子立位の阿部友里香(日立ソリューションズ)が2位に入った。阿部は今大会4度目の表彰台。男子立位の新田佳浩(同)は準決勝で敗れた。同視覚障害の高村和人(盛岡視覚支援学校教)は4位だった。

■横一線、執念の2位

 阿部が執念で2位を勝ち取った。女子立位決勝。下りを終え、ゴール前最後の直線(約120メートル)に入った時は3位。ここから前を行くカナダのフダックを追い込み、ほぼ同時にフィニッシュ。ギリギリでかわした。「上りでついて行けば、最後に追いつけるかな、と思っていた。ゴールの時は横に並んでいるのは見えた」。これで初日から連続で表彰台に上がっている。「きょうは競り合って勝てたので、うれしい。疲れがたまってきたが、明日の最後のレースをしっかり走り抜きたい」

2015年2月18日    朝日新聞

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障害者や高齢者利用 注目集める「デイジー図書」

2015年02月20日 01時38分06秒 | 障害者の自立

 読むことが困難な人が全国で164万人に上るとされる中、弱視や発達障害者、高齢者など幅広い人が活用できるデジタル録音図書「デイジー図書」。近年は文字表示と同時に音声が流れる形式のスタイルも登場し、情報媒体として注目を集めるが、デイジー図書の製作者はまだ少ないのが現状だ。大阪市西区の製作施設は「一般の書籍まで手が回っていない」と訴え、供給体制の構築が課題になっている。

■「より理解進む」

 デイジー図書は、印刷物を読むことが難しい人を対象にしたデジタル録音図書の国際標準規格。スウェーデンでは、雑誌をデイジー図書にして販売している。

 最近はパソコンやタブレットにダウンロードすると文字と画像が表示され、音声が流れる「マルチメディアデイジー」が注目されている。文字の大きさや色、音声のスピードを設定でき、目と耳で情報を得ることができる。

 「文字と正しい音が同時に流れることで、文章をより理解できることが魅力」と語るのは、デイジー図書を製作する日本ライトハウス(大阪市西区)の久保田文製作部長だ。

■増える会員登録

 デイジー図書をめぐる国内の現状は、2008年の教科用特定図書普及促進法と著作権法の改正を受け、読むことが困難な児童・生徒の教科書をデイジー図書や点字図書にすることが可能になった。10年には一般図書も可能になり、対象者の範囲も拡大。ボランティアや視覚障害者情報提供施設などが積極的に製作できる環境が整った。

 デイジー図書を希望する場合、専用のホームページ(HP)「サピエ」に会員登録して無料でダウンロードできる。会員は毎年千人規模で増え、現在は約1万3300人が利用している。同HPを運営する全国視覚障害者情報提供施設協会の担当者は、読むことが困難な高齢者も利用可能になったことが会員増加の背景にあると分析。「ラジオばかりだった両親がデイジー図書を利用して読書を楽しんでいるといった声が寄せられている」と話す。

■製作に時間

 しかし、利用者が増える一方、製作者を確保できていないのが現状だ。音声に文章が加わるマルチメディアデイジーの製作には誤読のチェックだけではなく、文章の校正も必要になるため、通常のデイジー図書と比べて1・5~2倍の時間を要する。

 「パソコンの基礎的な操作ができる方であれば、ぜひとも講習を受けてもらって手伝ってもらえれば」。久保田製作部長はそう呼び掛けている。

文章と読み上げる音声が流れるマルチメディアデイジー

2015年2月19日     大阪日日新聞

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<施設虐待防止>NPOがトラブル回避(1)財産管理

2015年02月20日 01時29分27秒 | 障害者の自立

 湯沢市が運営する障害者支援施設「皆瀬更生園」で昨年11月、知的障害のある入所者が職員から虐待を受けた複数の問題が発覚した。施設の閉鎖性や障害者の権利を守る意識の欠如が背景とされる。福祉関係者らに広がった波紋は大きい。虐待をどう防ぐのか。

開かれた施設を目指し、権利の擁護などを強化する先進的な取り組みの現場を訪れた。

<通帳預かり業務>
 施設職員でも親族でもない。障害者の財産管理を担うのは、NPO法人財産管理サポートセンターという全国でも珍しい組織だ。
 宮城県大和町の山あいにある大型の障害者支援施設「船形コロニー」。事務管理センターの一角で、NPO法人の職員が仕事をこなす。
 コロニーや県内全域のグループホームなどで生活する約690人の通帳を預かる。光熱費や食費、日常生活に必要な衣類代…。各施設から、支出伺いと呼ばれる文書を受け取る。
 入所者に必要な出費かどうか。必要と判断すれば、職員が金融機関の店舗か通信回線上で振り込みの手続きをする。施設が発行する領収書を受け取って保管し、弁護士や公認会計士の監査を年2回受ける。
 湯沢市の皆瀬更生園の預かり金問題のように、親族から贈与や貸し出しを求められた場合はどうするのか。
 「全てお断りします。障害者が生活するために必要なお金ですから」。鈴木恵美事務局長(47)はそう断言する。

<議論重ねて設立>
 同センターの設立は2001年。行政機関の判断で福祉サービスを提供する時代が終わり、障害者自身が福祉サービスを選ぶ支援費制度の開始が03年に迫っていた。
 入所者から負担金を受け取る施設が、通帳を管理するのはおかしくないのか。コロニーと入所者の家族が議論を重ね、法人格を持つ団体の設立を決めた。
 趣旨に賛同する福祉施設職員や障害者の親族120人が年1000円の会費を払って同センターを支える。通帳を預ける障害者は月2500円の利用料を払う。
 施設側のメリットも大きい。コロニーが入所者の通帳を預かっていた時代、入所者の親族が生前贈与を求めるなど、対応に苦慮するケースが少なくなかったという。
 コロニーの中川昌(さかり)総合施設長は「通帳管理の手間がなくなり、トラブルに巻き込まれる心配がない」と話す。
 鈴木事務局長はセンターの位置付けについてこう説明する。「判断力が弱い障害者の金銭管理を担えるのは成年後見人だけ。センターは、ベストの成年後見人とまではいかないが、後見人を付けるまでのベターで過渡的な役割だ」

[預かり金問題]皆瀬更生園は入所者が障害基礎年金を受け取る通帳を預かり、入所者の親族に多額の金を贈与・貸与したとして経済的虐待の疑いが持たれている。湯沢市の調べでは、2004年度から10年間で計45件、3697万円が親族に振り込まれた。入所者の同意の署名がない手続き書類が多数あった。

4人の職員が常駐し、障害者の財産を守るサポートセンター

2015年02月19日     河北新報

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