?色の「ためいき」

ほんと世の中「わからない」ことばかり。ニュースを見ても「?マーク」が増えるだけ。そんな「?」を書き連ねてみました。

苦い「鼻血の警告」か?心地よい「ニコニコする人に放射能は来ない!」か?(2)

2014-05-11 13:51:58 | この報道に??
前回ご紹介した動画には、さまざまな意見があるだろう。 ドイツZDFの風刺ニュースに「けしからん」と怒る方々もいらっしゃるだろうし、山下俊一氏に疑問を持つ方々もいるだろう。しかし、どちらにしても、一部にしろ大多数にせよドイツ人が福島原発事故の現状について「どう受けとめているのか」を知る手がかりになることは間違いない。

たとえば「ヒステリックなドイツ人は、日本人を見習うべきです!」「彼らは 全然気にしてない!お寿司が光って 便利だなってなもんです(どのような風刺的意味があるのかはわかりません)」「電気代も節約できちゃうぞっと!」という台詞は、その現れと解釈できる。

たしかに、「ニコニコする人に放射能は来ない!」が、常識的に考えて「心地よい」がどうかは難しいとしても、「ヒステリックなドイツ人(風刺ですね、これは)」に比べ、原子力発電に対し日本全体では「寛容(?)」だと「受け止められている」と考えたほうが正解に近いのだろう。

しかし、「ニコニコする人に放射能は来ない!」は「あまりにも非論理的なスローガン」でしかない。それに代わって日本のマスコミが「絶対に正しい(反対論は許さない)」として使うのが、「復興」と「風教被害」である(ように思える)。

いまや「被災地の『復興』」といえば、「そんなことは、どうでもいいよ」と発言できない気分が定着している。そのためにマスコミは、同じく「あまりにも非論理的なスローガン」でしかない「キズナ」とか「カンシャ」という言葉を連発し、お涙ちょうだい風の「美しく感動的な『復興』のドラマ」を、手を変え品を変え延々と報道しつづけている。そして、切り札が「風評被害」である。瓦礫の受け入れひとつをとっても、「大丈夫なの?」と素朴な疑問をいおうものなら「風評被害を助長する」と袋叩きにされる。

しかし、それらすべてが情緒から来る気分でしかない。「被災地はタイヘン」という同情と、マスコミが創り出した「感動的な『復興』のドラマ」に刺激された情緒が、短絡的に「『復興』 =善」「『風評被害』=悪」という気分が醸成されている(ように思える)。

けっして「被災地の『復興』」や「風評被害」など「どうでもいい」といっているのではない。情緒が作り出す気分が、ほんとうの「復興」や「風評被害の防止」につながるのかどうかは疑問だということだけは強調したい。

むしろ、苦い「鼻血の警告」のほうが、真の「復興」や「風評被害の防止」につながる。そのために不可欠なのは、「あまりにも非論理的スローガン」ではなく、苦い事実を事実として認識することである。苦い事実を情緒や気分で排撃しても、短絡的な「善悪」の区別しか生まれない。

にもかかわらず「あまりにも非論理的スローガン」ばかりが、表現をかえ乱発されるマスコミの罪は大きい。

この稿 完


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