private opinion

next live 12.14 高円寺showboat(S)

フェスへ行こう

2007-01-27 16:17:43 | GOD‘S ORDER
午前だか午後だかどっちでもいいような明るさだった、六メートル幅の車道を走行する車両は一台もない。
ある男と連れ立って歩く地面はなんだか波打っている。おぼろげに浮かぶ空の丸は月か太陽かはやはりあやふやな存在である。
フェスティバルに行こうと男は言った。
フェス? まだ先だしどこでもやってないよ
いやこの道をね、この方向だね、ずっと歩いて行くと階段があるから
あぁ、階段か、、あるある。あったねぇ確か。
その階段が昇ってればしめしめだぜ?。
しばらく男が少し先を歩き、木造のかなりしっかりした橋にさしかかった。橋の向こう渡しが見えない事に無性に腹が立つ。
そうは言ってももうすぐ着くぜ、見えない事がそんなに問題か?
しかし今更だけど実は手持ちが乏しいんだ。
なんだそんな事か、見ろよ。
これは印鑑登録証のカードじゃないか、それにこんなにたくさん。
ライブラインのケーブルケース位の麻の袋からザラリと出てきたカードを手に取りパーキングメーターのスロットに差し込む。
ガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンガチャンチャリリガチャンチャリリチャリリ。
はははははははははぁ。
さっきから気になってたんだけどあの空の丸は月か太陽かどっちなんだい?
アレは君が気にするようなもんじゃない!これだけだ!これだけの五百円玉じゃ足りないとでも言うのか!
男が両手にすくったコインの中から一枚を手にとり頼りない光量の中、目を凝らして見る。
おい! THE JEEVASって書いてあるぞ! そっちも見せろ! あぁやっぱりそうだ、TORTOISEにLOCUST? HONEY FOR PETZIにDEPECHE MODEか、、ゴールディまである。これは出演バンドのメダルだ!俺達が持ってていいはずがない!全部集めて返そう。
その時緩かなアーチを作る行く先の木造の橋の向こうから幾人のモノとも想像すらつかない程の外人達の悲しい声が風に乗り聞こえて来た。
返チテ下サ~イ、、返チテ下サ~イ。
ほら! やっぱりこれがないと困るんだよ。なんか大きな袋を持ってないかい?
薄明かりの中の男の表情が断続的に引きつる。
こんなのしかないけど、、
ビックカメラかよ、まぁいいや集めよう、うん? 何か入ってるぜ? うわっ動いてるっ!
そうだよ、そのコインが彼等のモノだとしたら必然的に袋の中身は君のモノだ、開けて見ろよ。
いや、いい、後で見るよ。
なんで? 気に入ると思うぜ? 今開けて見ろよ。
いやだよ、なんだか見たくないんだ。
気に入ると思うぜ? 今開けて見ろよ。
勘弁してくれよ、後で開け、、
気に入ると思うぜ? 今開けて見ろよ。


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