神の記録

娘が産まれる直前から始めた成長ブログです。

人生の一大事

2009年10月10日 | 日記
奥様の様子が気になりつつやっと寝付いた夜中の1時すぎに起こされた


そしたら奥様うなってる
かなり痛そう
もうすでに立てない


陣痛だとは容易に判断できるが、問題なのはその間隔


5分切ってる!!!
しかもあまりの痛さに奥様は嘔吐
これはまずい
急いで病院に電話すると、来てくれということ
おろおろしながらも、パジャマのままの奥様を乗せて病院へ向かう
車の中でも痛くて苦しくて悶えてる

とにかく宇都宮の済生会病院までぶっとばす
なんと長い時間に感じたこと
俺の口のなかも緊張でからから
奥様は俺の腕に必死にしがみついて痛みに悶えている
救急車を呼んだ方が良いかと考えてる間に到着
救急窓口へ直行する


しかし
他のお産が始まってたらしく助産婦さん達は降りてきてもらえない(産科は四階)
受付とガードマンによって車椅子に乗せられ運ばれて行った


俺も遅れて四階に着くと、部屋の中からは悲痛な叫びが…
俺は中に入れてもらえないし、もうかわいそうで聞いてられない
(あとから聞いたがほとんど放置だったそう)


やっと陣痛室に移動して、そのときが来るまで耐えることとなる
数分おきに来る陣痛に叫びながら悶えながら耐える奥様
こんな声聞いたことない
もう逃げ出したい
俺は背中をさすってあげることしかできない
男なんてほんと無力
叫んじゃだめ、がんばって深い呼吸をすること。
それしか言ってあげれない
俺も辛い
でも奥様はもっとつらい


陣痛室に入って約二時間
少しずつ赤ちゃんは下がってきてるようだ
奥様も感じているらしい
ますます陣痛の間隔は短くなり痛くなってくる

そして
「なんか出ちゃったぁ!」
破水である
奥様は半分パニック状態
助産婦さんは冷静に診察

「じゃあ分娩室へ行きましょう」
いよいよである
俺も立ち会うことに。

分娩室に移動し、叫びはますます大きくなる
あまりの痛みに
「もういや、開けて(←帝王切開のこと)」と懇願する奥様
でも助産婦さん達がはげましてくれる
もう少しだからがんばって

頭が半分出てきた
助産婦さんが「髪の毛ふさふさですよ」って。
俺も奥様に呼びかける
少し休んでまた力入れて
何回やったことだろう?
覚えていない
とにかく長かった
奥様はがんばった
そして


女の子ですよーって。
ほぎゃーって
産まれて来てくれた
俺達の子供
元気に泣いてる


神山 ゆめ
2820グラム、48.8センチ
10月10日午前5時53分に誕生です


でもね
喜びもつかの間
子宮筋腫がジャマして胎盤が出てこないらしい
ここで外に出される俺とゆめ
またも奥様の悲痛な叫びが聞こえる

事態は思ったより深刻
先生が来て両親も交えて話に。
そして伝えられた
やはり筋腫がジャマして胎盤が出てこないので
静脈麻酔で少し麻酔をかけて処置するとのこと。
もし子宮と癒着していてはがすことができない場合は
最悪子宮を取り出さなければならないこと
そこまでしても出血がなかなか止まらないこともあり
その場合は入院となりもっとひどいことになるかも。

どちらにしてもこのままだと出血が止まらず
こちらの方がひどくなる可能性が高いので
胎盤がはがれない場合は子宮を取り出すことを了承して
先生に処置をお願いした

頭の中が真っ白になった
目の前には元気な娘がいるのに、最悪奥様がいなくなる?
なんでそんなことに?
あんなにがんばってゆめを産んだ奥様が、もうゆめを抱けない?

俺はただゆめを抱いて待つことしかできなかった
処置しているあいだゆめは全然泣かなかった
なんどか泣きそうな顔になったけど、奥様の悲鳴が聞こえてもゆめはがんばって泣かなかった
俺と義母は祈りながら泣いていた
もうろうとした意識のなかで奥様は
「ゆめに会わせてー、ゆめを返してー」と言っていたらしい

どれだけ待ったか覚えていない

先生が出てきた
そして
「大丈夫でしたよ、癒着していませんでした。ちゃんと胎盤出てきましたよ」
もう何も言えません
ありがとう先生
奥様がんばったね
「出血も少量で済んだし、安心して大丈夫です」
と助産婦さんも言ってくれた

ゆめをいったん預けてまだ処置台にいる奥様のところに。
ぼーっとして目も開けてられない状態だったがたくさんほめてあげた
俺の奥様はすごい
こんなに奥様が愛しく感じたのは恥ずかしながら初めて

やっと病室に移動して、少し落ち着いたので奥様とちょっとだけ話した
まだ朦朧としてる奥様が
「ちゃんと(子宮)残ってるんだよね?これから兄弟たくさん作れるんだよね?」って。
「そうだよ、たくさん作れるよ」
もう涙止まりませんでした
料理も片付けも苦手な奥様だけど、
こんなにがんばってゆめを産んでくれた奥様は間違いなく最愛の妻です
この奥様と二人の宝物のゆめを俺は一生大切に守っていきます


徹夜です;