図書館の帰り道、いつもの遊歩道を歩いていると、前方を母親と歩いていた小さな男の子が振り向いて私に向かって手を突き出した。
「何見せてくれるの?」と聞くと「グミだよ」
ちっちゃな指の先に黄色のグミが掴まれている。
それから遊歩道を一緒に歩いた。私は若いお母さんと話しながら、男の子はその周りを走り回り一時もジッとしていない。
川沿いの遊歩道は幅広で走り回るのに最適、道路わきには草花が生い茂り興味は尽きない。
とっとこと走る先に交差する道路がある、「危ないよぉ、ストップ!」
走り寄る前に道路を自転車で通行中の人が、男の子の前に止まって待っていてくれた。
近づくと私と同じオバアチャン、何も言わずに走り去ったけどみんな優しい。
私は知っている遊歩道情報を、出没している猫や川にいる亀などの話をしながら歩いた。
「トンボも飛んでるよぉ!」
遊歩道の行き止まりになり二手に別れる時、遠ざかる私に向かって「おばぁちゃーん!」と三度も叫んで手を振ってくれた。
都度振り返り手を振り返す、あぁ幸せな、、、、