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モラモラ会社員がムラムラしながらお届けするヌルヌルアーカイブ。

養老天命反転地でXserve

2004-05-06 | ぷらぷらアーカイブ
前々から行きたい行きたいと思っていた、「養老天命反転地」に行ってきた。

えらいケッタイな名前だけど、一言で言うと「あぶないふしぎ公園」かなぁ。岐阜県が一人の現代美術家とその奥さんの妄想に多額の資金を投じて完成させた、完全にラリッた空間。公園なのに、平らな地面があまりなく、まっすぐ歩くことさえ困難な空間。過去には園内で骨折してしまう人なんかも出たりして、危険極まりない空間。でも、そんな空間をたまらなく魅力的に感じてしまう向きは少なくないはず。かつては世間の耳目も集め、こんな本も出版されている。

新幹線やらローカル線やらを乗り継いで、たどり着いたは近鉄養老線「養老駅」。出迎えるはこれみよがしにぶら下がるひょうたんたち。一つくらい盗んでもバレやしねーだろうと思ったが、駅員さんが目を光らせていたので実行に移せず。くやしまぎれに切符を指ではじいて手裏剣ばりに投げつけてやった(もちろん、自動改札なんていうアンチひょうたんオブジェクトはありません)。

園内に入るやいなや、これみよがしに立ちふさがる注意看板に遭遇。
「樹木の植えてある穴のなかには入らないで下さい。(出られなくなります)」
「園内にて問題が生じたときは×××(←なぜか消されている)まで申し出て下さい」
などのふるったメッセージに、いやがおうにも胸は高鳴る。

パビリオン「極限で似るものの家」。屋根と地面に岐阜県が描かれており、内部は迷路状。壁や床などのいたるところにソファやらキッチンやらが埋め込まれている。完全に意味不明。しかし、四次元空間や虚数空間、マク―空間などといった異空間を通常空間である三次元で表現するとこういうことになるのかなぁと思い、半ばムリヤリに納得。あとでパンフレットを見てこれがメインパビリオンだったということを知り、いろんな意味で面食らう。

園内は、とにかく坂が多い。中にはすべり台として遊べるものもあった。写真に写っている女の子のスカートの中を、いっしょにすべるふりをしながら植草教授ばりに手鏡を使って覗こうとするも、親御さんの娘を見守るあたたかい視線が強靭なバリアとなり断念。

登ってはいけないところに登ってみる。園内が一望でき、いや絶景かな、絶景かな。なんか気持ちよすぎて思わず「はじめてのチュウ」を鼻ずさみ出す始末。このあと、警備員さんに「降りなさい」と拡声器で怒られる。

さっき怒られた警備員さん。このあと、ニギリッペをかましてやった。




公園の壁沿いにぽっかり空いた心のスキマ。「のび太の宇宙開拓史」で畳の下に空いた穴を思い出す。山本直樹の最近のマンガにもこんな壁と穴がでてきたよーな。


穴に入ってみると、コンクリに囲まれた無愛想な空間が現れた。まるで合わせ鏡のように同じフレームがひたすら連続している。三浦あいかのAVにこんなシーンがあったよーな。


反転地の中心部。くもりガラスの床の下には、またソファやらキッチンやらが垣間見える。ちなみに、反転地を上から見下ろすと、日本列島が浮き上がるらしい。


反転地は5時で閉園。全員が退園するまで、拡声器片手に警備員さんが執拗に、そしてゆっくりと確実にこちらに迫り来る。まるで、「アタシは貞子の親父ですヨ」とでも言わんばかりだ。すでに俺以外は全員退園し、1対1で真正面から対峙すること数十秒……。俺の人生の中でもマジでアツい刹那だった。ヤツにとってもきっとそうだったに違いない。いつもの日常業務の延長線上などでは決してなく。お互いに目は血走り、喉はカラカラ、アソコはギンギンだ。いつ、どちらかがブッ倒れ、その結果人生が反転してもおかしくない。いや、しかし、でも俺はこんなことをするためにここに来たんじゃない。ここで、天命が尽きるわけにはいかないんだ。ああ! でも! 逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ――

「ありがとう。」

なぜこんな言葉が俺の口から出やがったのか、今になってもわからない。結局、その場から逃げ出したかっただけなのかもしれない。でも、うすら翳った太陽越しに見えたアイツのニヒルな笑顔が、未だに俺のマブタに焼きついて離れやしないのさ。

夜。あらかじめ「岐阜 うまい ラーメン屋」でググっておいた「中華料理金龍」へ。ここの五目ラーメンや、卵スープはマジで旨かった。しかも安くて量が多い(卵スープは200円ポッキリ!)。しかし、帰りのタクシーで「あそこは今は2代目の養女が経営してて、味が落ちた。昔の方が旨かった」という聞きたくもない噂の真相を突きつけられる憂き目に。むかついたので、この辺でほかにいい観光地はないかと聞いたところ、「金華山」周辺がおすすめ、とのこと。じゃぁ、明日はそこに行ってやろうじゃねーか!

ビバ・養女!(幼女じゃないよ)