Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

第33回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会

2018-08-18 00:35:44 | トリニータ
今年も夏の帯広に行ってきた。



数ある育成年代の大会の中でももしかすると一番好きなのがこの大会かもしれない。そこには夏の北海道で開催されているということも多分に含まれてるわけだけど、今年ばかりは雨にやられた。滞在した丸2日ずっと雨。それもけっこうな本降り。1日に3試合観られるのがこの大会のいいところなんだけど、今回ばかりは長く外にいることが本当に嫌になった。本当もうしばらくは雨は勘弁。


今年観戦したのは以下の6試合。

FCトッカーノ−宇治FC
ディアブロッサ高田−東松山ペレーニア
サガン鳥栖−前橋FC
柏レイソル−ベガルタ仙台
セレッソ大阪−フェルボール愛知
Fマリノス追浜−ガンバ大阪

去年からこの年代での街クラブの面白さに気付き始め、今年は街クラブの試合を優先に観戦スケジュールを組んでみた。去年は九州で、今年は関東で街クラブの勢いが目立った。関東は全国大会への15の枠に対してJクラブの下部組織で勝ち抜けたのは7つと半分以下。さらにマリノスが新横浜と追浜の2チームを送り込んでいるので、クラブ数にするとわずかに6。川崎も湘南もその他多くのJ2クラブの下部組織もことごとく敗れた。U18年代になると街クラブで活躍していたタレント達がJクラブの下部組織に入ったりもするので、この傾向は弱まっていくけど、U15年代の面白みは街クラブにあるなと実感している。


前にも少し書いたことがあるけど、去年のこの大会の観戦記がここ1年での弊ブログでぶっちぎりのアクセス数を叩き出している。それも投稿直後だけじゃなく、1年間ずっと一定数のアクセスが継続している。個人的にいいなと思った選手の名前をたくさん出したことで検索から流れてきたんだろうと推測してるけど、もしほんの少しでも選手たちの励みなってるのなら嬉しい。



まずは一番最初に印象に残ったのが、FCトッカーノの細谷昇生(ヴェルディジュニア 3年)。トッカーノ自体は東京のクラブなので名前は聞くけど、詳しく知らなかった。予選ではPK戦で粘り強く勝ち進み、クラ選の本大会も今回が初出場。少し調べてみたら創設者はあの三浦ヤスとのこと。知らないことは意外と多い。細谷くんはヴェルディジュニアっぽいと言ってしまえばそれまでなんだけど、小柄ながら抜群のテクニックで最前線で存在感を放つ。159cmと小柄なので背負ってパスを受けてもまず振り向けないし、入れ替わりも出来ない。ただ彼は大柄のDFを背負ったまま走り込む味方の選手に絶妙なヒールパスが出せる。この試合では2本見られたけど、そのうちの1本が決勝点に繋がった。





2試合目は奈良のディアブロッサ高田と埼玉の東松山ペレーニア。それぞれ大和高田市と東松山市という全国的には極めてマイナーな自治体に本拠地を置くクラブで、そのマイナーさが逆に興味を抱かせた。



試合は基本的にディアブロッサペースで進むも先制はペレーニア。決めたキャプテンの佐藤柊椰(1FC川越水上公園 3年)のゴールパフォーマンスは多分グリーズマンだったと思われる。



この試合で一番気になったのは、ディアブロッサのハイライン戦術。それほどハイプレスではないんだけど、やたらとハイライン。GKの佐藤要大朗(ディアブロッサU12 3年)がカバーするエリアの広さはジェフの佐藤優也がカバーするエリアの広さを軽く超えてた。失点シーンもやや前に出てたところをシュートがディフレクションして頭を越えていってしまったというもの。チームにとって良いか悪いかは別にしてこの年代であのプレースタイルに挑戦出来てるのはいい経験だと思う。ジェフはエス将でこのままいくのなら、奈良方面で青田買っとくのどうですか?





3試合目の鳥栖はこの大会のディフェンディングチャンピオン。第一印象はとにかくタレント揃い。10番のキャプテン中村尚輝(FC BIGWAVE 3年)はトップチームの小野裕二を彷彿とさせるプレースタイルでとにかくうまい。試合終盤に相手を食ったようなドリブルを見せてそこからあわや失点というようなミスをやらかしかけたけど、ああいうのをなくすとかなり恐い選手になると思う。



さらにその中村に輪をかけてサッカーセンスを感じさせるのが中野伸哉(思斉館FC 3年)。球際やライン際でのプレーにうまさを感じさせるし、先制点となったシュートもちょうど真後ろから見ていたけど、コースを狙った見事な一撃だった。



DFラインでは岡英輝(プレジャーSC 3年)。試合開始直後の一発目のヘディングの飛距離でいきなりグッと引き込まれた。キックの精度はまだまだ改善の余地を残すものの、強いの一言。間違いなくCBが適性。



鳥栖の対戦相手の前橋FCの湯浅英明監督。全然知らなかったけど、大分トリニータでのプレー経験があるそうです。終了直前に魂の同点ゴールを決めながら、勢いで逆転ゴールを狙いにいったところをATにカウンターで決勝ゴールを被弾するというもったいない負け方をしただけに、試合後は選手に対して激おこでした。


この大会は48チーム出場して各グループの1位と2位が通過、3位でも12分の8がワイルドカードで通過出来て、32チームが決勝トーナメントに進出するというレギュレーションなので、初日に勝ち点3が取れるとかなり有利に大会を進められる。ただ今日グループリーグの3試合目が終わってこの後連敗した鳥栖が3位にもなれなかったというのを聞いて驚きを隠しきれなかった。確かに試合の運び方に問題はあったにせよ、チームとしては本当に強いイメージだったから。ちなみに激おこだった湯浅監督の前橋FCは見事2位通過。この年代は本当に難しい。


2日目は初日よりも強い雨が降り続いてまともに写真も取れない状態。かろうじて残ってる写真でご容赦ください。



鳥栖同様に個のレベルが高かったのが去年の準優勝である柏。エースの真家英嵩(柏U12 3年)は優しい顔してえぐいシュートを決める「平山系ストライカー」。ラインブレイクする抜け出し方もうまいけど、シュートがえぐい。かわいそうなくらい雨が降っててピッチコンディションは良くなかったと思うけど、何点でも決めそうな雰囲気を持ってた。





中盤でゲームをコントロールしていた10番の菅原大知(つくし野SC 3年)と15番の田制裕作(柏U12 3年)も存在感があった。どちらもスキルが高くて、見ていて楽しいプレーヤー。



対戦相手の仙台で気になったのは、キャプテンの大津瑠要(ベガルタジュニア 3年)。2列目からスタートして、最後は最終ラインという能力が高いがゆえに試合中に色々とコンバートされる典型のような選手。



この日の2試合目に見たのはフェルボール愛知。たまたま今回泊まったホテルにフェルボール愛知も泊まっていたので、何の縁もないけど、何となく気になってた。試合が始まってみるとなかなかしっかりとしたサッカーをして、関西予選トップ通過のセレッソ相手に押し込んでいた。ここがJクラブの下部組織との違いかなと感じてしまうんだけど、仕上げるえげつないストライカーがいないこと。フェルボールに限らずいいサッカーをする街クラブは多いんだけど、どうしてもその「個」の部分ではやはりJクラブのタレント達と比較してしまうと違いが見えてきてしまう。ただフェルボールはいいサッカーをしていた。出世頭はマリノスの伊藤翔らしいけど、今後ちょっと気になるクラブだ。気になった選手は6番の武藤寛(岐阜VAMOS 3年)。テクニックとか視野の広さとかなかなかいいものを持ってるんだけど、フィジカルに優れるセレッソの選手に潰されてしまうことが多かったので、U18年代でどこまで伸びるか注目したい選手。



ただそれでも勝ってしまうのがセレッソ。正直に言って3年前のタレント軍団だった頃と比較すると小粒感は否めないわけだけど、今回も結局危なげなく1位通過。そのセレッソでプレー以上に気になったのが、ほとんどの選手の感じがとてもいいこと。味方か相手か関係なく誰かが痛むとすぐに駆け寄る。交代で退く選手が相手でもきちんと握手する。その筆頭がこのGKの山形慈温(アイリスFC住吉 3年)。痛んでる選手がいれば、相手陣内でも走り寄っていって、めちゃくちゃいい奴感があふれてた。こんなこと言うとアレだけど、セレッソの特に3年前のチームなんてそういう点では腹立つくらいに感じの悪いチームだった。特に長崎方面の高校に移籍した彼とか。そのチームも代が替わるとこんなものなのかと感じるとともに、改めてこの部分って大事だよなとも思った。





で、大阪のもう一つの雄・ガンバ大阪。ここはいいタレントが集まってるなという印象。特に10番の中村仁郎(ダックSC 3年)。まずドリブルがえぐい。ボールの持ち方や抜き方からあふれ出す「建英(たけふさ)感」。今大会見た12チームの中で一番印象に残った選手。あえて注文をつけるとすると、もっとゴールを決めにいく仕事に絡んでいけばいいのにと思うことくらい。鳥栖の中村と大阪の中村がU18年代でどこまで成長するか楽しみにしておきたい。









ガンバの未来が明るい(トップチームは知らん)なと思うのは、1−0でまだ試合が決したとは言えない状況から次々と送り込まれてくる交代選手がことごとく2年生であること。

26番・鈴木大翔(ディアブロッサU12 2年)
27番・桒原陸人(京都長岡京SS 2年)
28番・南野遥海(ガンバ大阪ジュニア/セレッソ大阪U12 2年) ←前所属はプログラムとおりに書いたけど、名字も含めてちょっと気になる。
30番・高橋隆大(京都長岡京SS 2年)※先発





2年生という観点で見ると、昨年の大会で気になった当時の2年生プレーヤー(現3年生)が隣のピッチで試合をしてたので少しだけ覗いてきた。三菱養和の森山純平(三菱養和ジュニア 3年)。見立てとおりに順調に成長して背番号も4番に。サイズは2cmのアップだけだったけど、何よりも顔つきがたくましくなってた。わずかな時間しか見てないけど、しっかりと声も出してたし、いいステップを踏んでるようです。


最後の森山くんのような見方も出来るので、出来れば毎年参戦したい大会。1人で好き勝手出来る立場でもないので、あくまでも希望ですが、毎年参戦したい大会。そして何よりも大分でも宇佐でもいいから、トリニータU15に参戦してきてほしい大会。
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