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死因2位心臓 どうしたらいい?「急変時」の不整脈とその対応

2020-09-05 15:18:49 | 連絡
2020/09/04
田中喜美夫(田中循環器内科クリニック)

Q. 緊急対応が不安です。急を要する不整脈にはどのようなものがありますか?
A. 対応しないと生命にかかわる不整脈を「致死性不整脈」といいます。心室頻拍、心室細動、高度な徐脈は致死性不整脈であり、循環不全による意識障害やショック、心肺停止といった重篤な症状を呈します。予測不能な場合もありますが、前兆が胸部症状やバイタルサインの変化、モニター心電図の変化に表れることがありますから、「おかしい」と思ったら報告して12誘導心電図記録や厳重な観察が必要です。
致死性不整脈は、いわゆる「急変」で、突然の状態悪化により出現します。緊急度が高い心電図波形としては、心静止や心室細動などが挙げられます(図)。原則的には予想外の病状変化で、緊急の対応が必要ですが、悪性腫瘍の終末期などで、蘇生不要の指示があれば手順通りに対応しましょう。  
「急変だ」と思ったら、まず意識を確認します。意識がない場合は、循環機能が停止しているかもしれません。心肺蘇生対応を行います。

 意識がある場合は、循環機能は保たれているはずです。バイタルサインの確認、症状の聴取、呼吸状態、血圧、脈拍、酸素飽和度、麻痺の有無などを素早く確認して、報告します。指示をもらって、酸素投与、静脈ライン確保を行います。モニター心電図監視、12誘導心電図記録、血液ガス測定、採血、X線撮影などにより、急変の原因を突き止めて対処します。

 急変が起こったときには、「突然の徐脈」「突然の頻脈」が原因となっていることがあります。 
突然の徐脈の場合
 モニター心電図あるいは脈拍触知で、徐脈であった場合は、急変の原因が徐脈によるものかどうかを判断することが必要です。その際、まず患者さんの状態を把握してください。全身状態の悪化や、急性の呼吸不全でも徐脈になります。

 徐脈が原因で急変している場合は、ペースメーカーが必要になる可能性が高いので、すぐに報告しましょう。
突然の頻脈の場合
 突然の頻脈を認めた場合、状態が危機的でなく、余裕があれば12誘導心電図をとりましょう。

・幅広QRS頻拍の場合
→モニター心電図監視、報告とともに、除細動の準備をしましょう。

・正常幅QRS頻拍の場合
→循環状態が悪い場合は、除細動を行うこともありますが、原則的には、医師に報告のうえ処置についての指示を仰ぎます。モニター心電図と状態の継続観察は必要です。
理解度UPのおさらい
モニター心電図は患者さんの状態を知る指標の1つ

 心疾患の病歴がなく問題なく終わった非心臓手術の後、延命しない終末期、心疾患の既往があるが別の疾患で入院など、さまざまなケースでモニター心電図の指示があります。

 心電図は検査ツールの1つです。採血や採尿データ、CTやエコーなどの画像データ、さらには血圧や酸素飽和度などのバイタルサインと同様、患者さんの状態を示す指標の1つです。それでは、皆さんの多くがモニター心電図を恐れるのはなぜでしょう。それは、看護師が監視し、変化を捉えて対応しなければいけないからです。正しく読み取るスキルが必要なのは、ほかのデータと同じこと。特別視せずに慣れていきましょう。

 モニター心電図で循環動態の把握や不整脈を鑑別するために、厳重な監視が必要な場合を区別しておきます。

<厳重監視対象>
●不安定な心疾患がある場合:心不全急性期、心機能低下例、急性心筋梗塞急性期など
●全身状態が悪い場合:腎不全急性増悪時、脳卒中急性期、重症肺炎など
※この記事は、ナース専科PLUSの連載『「困った」を解決する!心電図の読み方のコツQ&A』を転載したものです。
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/anursing/ecg/202009/566934.html


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