<企業不祥事は、企業経営者及び従業員の不具合故障か>
<不具合故障の原因分析と再発防止策は社内の人事・経営とは独立組織が必須か>
<社外の独立・中立系=司法・行政・立法・三権分立=の組織体制公的機関で処理か>
::::::
■今回のニッキィ
植木 樹理さん 5月まで埋めていたコンサート鑑賞や観劇のスケジュールがすべて白紙になった。コロナ流行前に取材したであろう、雑誌に掲載されたインタビューを眺めては「切ない気持ちになる」
高橋 めぐみさん 在宅勤務で2時間かかっていた通勤がなくなったが、趣味のマラソンは大会が軒並み中止に。代わりに始めたのが昔習っていたピアノ。「上手に家にいる術を開拓しています」
[日本経済新聞夕刊 2020年5月11日付]
大きな会社で内部通報があって問題になったというニュースをたまに見るけど、普通の企業ではどれくらい行われているのかしら。いやがらせとか本当にないのかな。
内部通報制度について、高橋めぐみさんと植木樹理さんに渋谷高弘編集委員が解説した。
――内部通報って、いつから注目されるようになったのですか。
――実際にしている人はいるのでしょうか。
東洋経済新報社の「内部通報が多い企業ランキング」最新版で5年連続トップになったセブン&アイ・ホールディングスは、前の年より200件以上も増えています。年間の通報件数が100件以上の会社は70社以上です。内部通報に詳しい西垣建剛弁護士は「目安として、従業員100人あたり年間1件という考え方が定着しつつある」と指摘しています。
近年では企業不祥事の大半は内部通報がきっかけで発覚するとさえいえます。日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の逮捕劇も、内部通報が始まりでした。オリンパスの巨額粉飾事件や東洋ゴム工業(現TOYOTIRE)の品質データ改ざん問題なども内部通報、または通報を握りつぶしたことを発端に発覚しました。企業不祥事に詳しい国広正弁護士の事務所は90年代末ごろから企業の通報窓口を担当しており、現在も10社以上の窓口を担っています。「年間100件以上の通報を扱っている」そうです。
――通報したら、仕返しされてしまうのでは。
70年代にトラック業界の闇カルテルを告発したトナミ運輸元社員が定年まで32年間も閑職しか与えられなかった事例は有名です。公益通報者保護法施行後の06年、トヨタ自動車系販売会社の社員が実績水増しを通報したところ、窓口の弁護士事務所が社員の氏名を会社に知らせ、社員は自宅待機命令を受けました。
そのほか手抜き工事を通報した現場の下請け監督が自宅待機の後に解雇されたり、上司の不法行為を通報した社員が畑違いの部署に異動させられたりした事例があります。
18年に発覚したスルガ銀行による不正融資問題は、多くの従業員が認識していました。内部通報を利用しようと思ったものの結局やめたという人が200人弱もいたと、第三者委員会報告書は指摘しています。20年3月に閣議決定された改正公益通報者保護法案では通報者特定につながる情報を守秘するよう義務付けました。しかし報復した事業者に対する行政措置や刑事罰は導入されていません。
■ちょっとウンチク
「正義感」見分ける工夫を
内部通報は学校における「先生への告げ口」のようなもの。告げ口の動機は「正義感」と「個人的恨みで他人を陥れる」の2種類に分かれる。内部通報も同じで、実際には後者の方が圧倒的に多いようだ。西垣弁護士も「割合は1対99でも仕方がない」と指摘する。
企業が設けた通報窓口が1つの場合、後者が殺到するため、中から貴重な前者を見分け、しっかり話を聞くことが重要になる。「窓口を2つにし、対応も変えるべきだ」と主張する事業者もいる。「間口が広いから多くの情報が集まる。窓口は1つがよい」という弁護士もいる。企業の考え方次第だろう。(編集委員 渋谷高弘)








