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「何があっても、諦めない」aba 宇井吉美が、介護=食事・入浴・排泄=現場と交わした“約束”

2021-11-28 15:34:45 | 連絡
★「介護=食事・入浴・排泄=現場」調査・研究・世界標準技術規格開発・世界市場における商品展開のPDCAサイクルが経済安全保障政策(注1)の肝心要の必須行動か>
(注1)
第二次岸田内閣「甘利後継茂木・前輪駆動運転ー成長・経済安全保障ー及び岸田後部着席・指示ー分配・社会保障=保健・医療・介護・福祉」議員内閣は公明連立支援と国政選挙後の維新・国民からの協力必須の国会活動か」
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/fbf198b41bd9717ade1f8a6499de2499

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少子高齢化に伴い、人手不足が深刻になっている介護現場。施設のキャパシティは年々逼迫し、介護離職も社会問題になっている。こうした課題をテクノロジーで解決するために研究に励んでいるスタートアップがある。株式会社aba(以下、aba)だ。
創業者の宇井吉美氏は、大学生だった2011年にabaを設立。2019年には大手ベッドメーカー・パラマウントベッド社と共同開発した排泄ケアシステム『Helppad』の提供を開始。同年4月には総額3億3000万円の資金調達の完了を発表するなど、注目を集めつつある。
しかし、ここまでの道のりは決して平坦なものではなかった。プロダクトをリリースするまでの8年間、時には、自らおむつを着けて排泄データを集め、時には、事業資金を捻出するため福祉施設でアルバイトする−−。泥臭い日々を宇井氏は淡々と重ねてきたのだ。なぜ彼女は粘り強く事業を続けることができたのか。そこには介護現場の方々と交わした“約束”があった。 
〇「介護現場の力になりたい」きっかけは、祖母のうつ病
宇井氏がabaを立ち上げたのは2011年。千葉工業大学に在学中のことだった。
 「私がケアテックに興味を持ち始めたのは、祖母のうつ病がきっかけでした。当時は中学生で、力になりたくても何をして良いか分からなかった。その時のもどかしさがずっと心に残っていたんです。その後、高校生の時に介護ロボットの存在を知り、開発技術を学びに千葉工業大学へ進学しました。在学中に学生プロジェクトとしてabaを立ち上げていましたが、実は、起業するつもりはなかったんです。卒業後はメーカーに勤めようと考えていました」
 その後、彼女の進路を大きく変えたのは、実習で訪れた福祉施設での体験だった。
当時は施設からアンケートやデータをいただいて、論文が形になるたび報告に出かけていたんです。でも、スタッフさんはそのたびに苦笑いをしていた。理由は聞いていないのですが、きっと、『私たちが欲しいのは“論文”じゃない、現場の負担を減らす“製品”が欲しい』と願っているんじゃないかなと、思いました」
現場スタッフは「もっと良いケアができるように」と企業や研究機関の調査に協力してくれていた。しかし、研究だけで終わってしまうプロジェクトが多く、具体的なプロダクトが生まれることはほとんどなかったそうだ。
「介護現場は想像以上に過酷で、特に排泄ケアは負担が大きい。スタッフさんは1日に6回以上、入居者さんのおむつの中身を確認して交換します。時には2人がかりで入居者さんを押さえ、お腹を押して排便を促すことも。現場の壮絶さを知った私は、『なんとかしたい』という想いからabaで排泄ケアプロダクトの開発を行うことを誓いました」 
原動力は、現場との“約束
プロダクト開発に着手して数年後、宇井氏は3.11に見舞われる。社会が混乱に陥る中、それまで産学連携で進めていたプロジェクトは「東北の支援に行かないといけない」「これ以上は学生だからどうにもできない」という理由で支援者たちから見放され、次々と頓挫していった。
資金面の課題にも直面した。学生で会社設立の資金もなかった彼女は両親に「大学院の進学費用を起業にあてたい」と頭を下げ、なんとか資本金100万円を捻出。しかし、継続的な研究費用としてはとても足りない。そこで、福祉施設でアルバイトを兼業し、報酬はそのまま自社エンジニアの給与へ転換。信用金庫、金融公庫、消費者金融まで、使える資金源は何でも使った。もちろんオフィスは自宅アパート。開発拠点は大学の研究室だったそうだ。
2016年には税理士の先生に『いつ会社を清算するのか』と真面目にアドバイスを受けてしまって(笑)。以降は、行政機関から委託業務や助成金をうけ、委託事業を担保に、つなぎ融資で資金を捻出しました。今思えば、浅はかだったと思います。事業収益がなかったので、資金はビジネスコンテストの賞金やエンジェル投資家の支援に頼り、生活費は親から仕送りしてもらっていましたから。一緒に創業したメンバーも起業から半年で辞めてしまい、3ヶ月後にCTOの谷本に参加してもらうまで1人で会社を続けていました。周囲からも『もう諦めて就職した方がいい』と何度も言われましたけど、現場の方々の顔を思い出したら、とても諦める気にはなれませんでした」
周りが就職していくなかで「こんな20代を過ごしていていいのだろうか?」と自問自答を繰り返す日々。しかし、「ここで開発をやめたら、現場のスタッフさんはもっと技術者に不信感を抱いてしまうかもしれない」そんな焦燥感が、彼女を突き動かしたそうだ。
「施設にヒアリングに向かうと、スタッフの方は『こんなプロダクトが欲しい』『もっと快適なケアを提供したい』と願いを聞かせてくれました。私はそれらの願いひとつひとつを“約束”だと思っているんです。私は優秀ではありません。けど、せめて諦めない。やめない。しつこい。そのことを証明したかった。どうしてもプロダクトを現場に送り届け、介護現場の方々に技術者を信用してもらいたかったんです」
〇理念は「よく生き、よく死ぬ、未来つくり」想いに共感した仲間たち
紆余曲折を経て今や40名ほどのメンバーを抱えるまでに成長したaba。採用ではカルチャーマッチを優先しているため、みな「よく生き、よく死ぬ、未来つくり」という同社の理念に共感しているという。
 
「うちの仕事は想像以上に泥臭いことも多いので、同じゴールを目指せないとやっぱり辛い。熱意を試す、ではないですけど、最終面接では私の想いややりたいことを候補者に30分くらい語り続けるんです。やりすぎかな……とは思うんですけれど、付き合い切れないなら正直、うちには向いていない。『もっと宇井さんの話を聞きたい』『宇井さんと一緒にビジョンを実現したい』と思ってくれる人でないと、abaで働くことは難しいと思っています」
特に自然とabaのカルチャーを体現している人物がCTOの谷本和城氏だ。宇井氏と同じ千葉工業大学を卒業した谷本氏は創業間もない頃にabaへ入社。実験のため宇井氏がおむつを履いて排泄して、谷本氏が目の前でデータ確認をすることもあったという。 
「誰かが排泄しないとデータは取れません。羞恥心とか、排泄臭が部屋中に充満するとか、そんなことは言ってられない。常識はずれの状況でしたが、においにセンサーが反応した時は谷本と二人で大喜びしました。ものづくりって構想を実現できた瞬間がめちゃくちゃ楽しいんです」
谷本氏の凄みは理念の体現だけではない。宇井氏は谷本氏を「呼吸をするように課題解決できる人」と賞賛する。
「彼のアイデアって優しいんですよね。例えば、『介護現場の人は仕事で手が濡れていることが多いから、名刺は濡れても読めるプラスチック素材にしよう』と提案してくれたことがあって。『相手の悩みを考えてものをつくるのがエンジニアの仕事』という考えがベースにあるから、彼にとって誰かを支えることはごく当たり前のことなんだと思います」
〇時間・空間の拘束、そして情報の分断を解決したい
仲間に恵まれ、ようやくプロダクトのリリースにこぎつけたaba。宇井氏に今後の展望について聞くと、「現場で生まれる『時間・空間の拘束、そして情報の分断』を解決したい」と教えてくれた。
「まず、時間的拘束は排泄周期を中心とした、要介護者のバイオリズムがわかる技術があればある程度解決できると踏んでいます。現状だと、家庭に要介護者がいた場合、いつ排泄があるか分からないから介護者は落ち着いて買い物にも行けません。でも、技術が発達して排泄周期が分かれば『次のおむつ交換は3時間後だから、今のうちに買い物に行こう』と出かけることができます
空間的拘束に関しては、遠方からオンラインでベテランスタッフからアドバイスが受けられる技術や、自分の手のように操作できるロボハンドがあれば解決できるでしょう。将来的には、福祉施設の壁からロボハンドを生やし、転倒しそうな高齢者を瞬時に支えられるような技術も開発したいですね。
最後に情報の分断ですが、時間と空間が拘束されると、どうしても情報が分断されます。要介護者の排泄タイミングがわからないから、介護者はずっとスタンバイ状態になってしまう。ずっとスタンバイ状態だから、ますます一人の介護者に情報が集約され、業務が属人化していく。空間拘束も同じです。
特定の場所にずっといるがゆえに、オペレーションによっては、オンラインにデータを溜めるよりも現場で紙のメモを渡したほうが情報伝達が速いこともある。だから介護現場にはITによる記録が根付かない。現場の人が紙のメモを使うのには理由があるんです。しかしこれらの問題も、時間と空間の拘束が解かれ、介護情報へのアクセスが楽になれば誰でも一定レベル以上の介護ができるようになるはず。
 超高齢化社会がやってきて要介護人口が増加すれば、自宅で介護をする人は今より増えるでしょう。近い将来、誰もが介護に携わる社会がやってきます。プロのように100点満点でなくてもいい、その時に備えて、誰もが60点の介護ができる環境を広げていきたいんです」 
〇「理想はナイチンゲール」誰もが介護に関わるエコシステムを
将来的には「スタジオジブリのようなエコシステムの実現を目指す」と宇井氏は続ける。
「ジブリ本体のスタッフさんはたしか300人程度しかいません。でも、配給やスポンサー、グッズ展開も合わせれば、事業に関わる人は数万人規模になる。ファンも合わせれば数億人が関係しています。abaもコアな社員は300人くらい、事業に関わる人は何千人、その周りにファンが数百・数千万人いる会社にしていきたい。関係人口が増えていけば、介護が身近になり、人と人が支えあっていける社会に近づいていくと思います。最近は、『Helppad』が普及するなかでユーザー同士の交流が生まれ、ケアテックに関わる人たちも増えているので、近い未来に私たちの構想が実現できると信じています」
 
最後に宇井氏は、尊敬する人物について教えてくれた。
 
「私が理想としているのはナイチンゲール。彼女は医療看護分野で活躍しましたが、エンジニアとしても功績を残しています。実は、ナースコールや円グラフを発明したのは彼女なんですよ。工学や統計学を看護に導入して、医療や看護の専門性を推し進めました。ナイチンゲールは私にとってエンジニアの神様なんです。これからも彼女のように、本質的な解決法を現場にインストールしていきたいです」
今後も宇井氏は介護現場の課題を解決するため、様々なプロダクトを開発していくだろう。現在、abaにはエンジニアを中心に優秀なスタッフが揃っているが、事業をグロースさせるために営業や最高執行責任者(COO)といったビジネスサイドの人材も強化したいそうだ。
abaの事業は人と深く関わる仕事。介護現場に対する責任は大きく、地道な動きが求められるが、その分やりがいは大きいはず。宇井氏はこれからも介護現場との約束を諦めることはないだろう。彼女の想いに共感した方は、ぜひabaでケアテック領域を盛り上げてほしい。
 取材・文:鈴木 雅矩、撮影:鈴木 智哉、編集:田尻 亨太 
会社名
株式会社aba

所在地
千葉県船橋市前原東3-30-5


社員数
9名
事業内容
医療・介護・福祉分野を対象としたロボティクス技術の研究開発及びサービス提供




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