様々な分野でグローバルに活躍する「普通の人々」が体験を語り、次世代の普通の人々のお役に立てればと思っているサイトです。

日本在住歴約40年のRon McFarlandと外資系勤務が長い齋藤信幸が、それぞれの海外体験を語ります。

グローバル人材育成・活用の現状(2)~グローバル人材の供給源の現状

2017-02-06 00:12:33 | グローバル人材育成
①若者の内向き志向

 2012年に産業能率大学が新入社員に実施したグローバル意識調査の結果では、日本企業の経営環境を認識してか改善はみられるが、海外で働きたいと思う新入社員は半分に留まる。また、在外経験のある若者の66%が海外に赴任してみたいと答えており、在外経験がグローバル志向にポジティブな影響を与えていることが分かる。

②日本人海外留学生の減少
 かつて米国でMBAを取得することがブームになったことがあるが、現在の留学状況はどうであろうか。文部科学省が2013年2月に集計した資料によると、海外留学は2004年の82,945人をピークに減少に転じ、2010年には58,060人となっている。

 減少の原因としては、子供の絶対数の低下、景気低迷による経済的な問題、そして先に述べた若者の内向き志向等が考えられる。

 米国への留学だけを見てみると、日本人の留学は2001年の48,497人をピークに減少し、2011年には19,966人と2万人を割り込んだ。1997年までは米国大学の留学生の中で日本人学生の総数は一番多かったが、1998年に中国に抜かれ、現在はインドや人口が日本よりも少ない韓国にも抜かれ、国別では7位である。グローバル化が進み、他国がそれに対応しているのに対し、日本は逆に後退している。

③外国人の雇用の増加
 グローバル化に対応すべく日本企業は積極的に外国人の雇用を増やしており、職場の上司・同僚、部下が外国人というケースも珍しくなくなりつつある。

 外国人留学生の就職先の業種は、商業・貿易、コンピュータ関連、教育、電気・機械製造など多岐にわたっている。就職先での職務内容としては、翻訳・通訳、販売・営業、情報処理が多い。

 海外の大学の卒業生の採用も活発化している。従来は現地の工場等の従業員として採用する場合がほとんどであったが、グローバルリーダー候補として海外の一流大学への接触が積極化している。一方で、優秀な外国人社員が日本の人事システム等に不満を感じ退職するケースも多い。どう彼らを育成・活用するのか、グローバル化に相応しい人事システムの構築等が必要である。
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