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生きること:過去と未来とエスペラントと

孫たちへの贈り物

2017-11-10 09:01:32 | エスペラント
 ドイツから来た孫たちへの贈り物は本が2冊。
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 1冊は2009年ポーランド・ビアイストックの世界エスペラント大会で姉と共に買いました。二人ともいつか孫たちにエスペラントを勧めたいと思ったのでした。言語はドイツ語・英語・エスペラント・ポーランド語の4言語で書かれています。いつか日本語を付けようと話していたのですが、それはできませんでした。6年生になったばかりのEがエスペラントに興味を持ったので渡すことにしました。

 内容は大好きなパウロじいさんが病気で倒れ、車いす生活になる話です。先日同じ内容の絵本を見ました。私はこちらの本が好きです。と云うのは絵は数人の子どもが描いています。ですからページによっておじいさんの顔が違ってきますが、絵が好きな私達の孫にとっては自分も絵本を作れるかもと云う夢を持つかもしれません。4歳ごろでしたか、2男は画用紙に描いた絵を数枚持ってきて自分の云うことばを書いて欲しいと云いました。それを閉じて絵本を作りました。内容は忘れましたが、多分物置きのどこかに保管してあるでしょう。その子の娘ですからもしかして同じことを考えるかもしれません。


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 2冊目は『La nanoj en domo kun granda zelkovo』です。原作はいぬいとみこの『木かげの家の小人た』です。作者の文章はよどみなく流れるように美しい!内容は昭和18年から21年春までの自由主義者の家庭に生まれた少女の戦争体験です。とりわけ情景描写が素晴らしいです。むごい戦争を描くのではなく美しい情景を描くことで、作者は戦争のむごさ、庶民の悲しみを表現しています。 
 エスペラント訳がそれをうまく表現しているかどうかは分かりませんが、解説や解説に付けられた挿絵が内容を分かりやすくしています。Eも日本的な挿絵にも魅かれたようでした。

 絵や文章で直接語ることのできない平和を語ることは難しいことです。どうしても戦争のない世界、人種など出自によって差別されない、また経済的格差のない社会などと語ることで平和とは何かを考えることになります。その点でもこの作品は優れています。作者は単に西洋から来た小人だけでなくアマノジャクと云う日本伝統の小人を登場させることで、戦争物語として平和を考えさせる半面、楽しめるファンタジーの世界も描いているのです。

 Eの母親はドイツ人です。日本もドイツも戦争を起こした加害者です。いつか、エスペラントを学びこの本を読んで欲しい。そして平和とは何か、考えながら生きる人になって欲しいと云う願いを込めてこの本を贈りました。日本の若い人にも是非読んで欲しいです。

 私と同年齢の人が戦争の記憶を持つ最後の人でしょうか。戦争中の生活は60代の人にも理解しがたい事と思います。日本は今共謀罪とかが議論されています。それは戦前の治安維持法によく似ています。隣組と云うものもありました。それは互助組織でもありましたが、庶民がお互いに監視し合う組織でもありました。隣組の代わりになる組織はなんでしょうか。ツイッターとか現代はインターネットを使った組織が使われるかもしれません。

 
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