良い文章
以下のことも芥川賞作家、村田喜代子さんの『名文を書かない文章講座』(葦書房)のなかに書かれていることだが、文章を書く人(小説やエッセー)にとっても肝要な事柄なので掲載しておく。『高校生のための文章読本』(筑摩書房)の付録に、作文の書き方について説明した「手帖」がついている。この付録に以下のようなことが書かれている。
という二つの条件を満たしたもののことだ。だれが読んでもわかるようにということは、言葉の意味がわかるということも含んでいるが、それだけではない。自分にしか書けないこと、自分だけの発見や経験をできるだけ正確に言葉に表現するということを指している。
これによると反対に、よくない文章がどんなものかも見えてくるのである。
よくない文章とは、
1 だれでも書けることを
2 自分だけにしかわからないように書く
ということになるだろう。
また村田喜代子さんはインパクトのある文章ということで、以下のことを書いておられる。
こういうことを常に念頭に置いて文章を書いている人のものは金を払っても読む値打ちがあるが、案外、だれでも書けることを、新規な発想もなく書いている人が多いのではないだろうか。私の創作にしても自戒しなければならない。
私の文学態度を決定づけた詩人、小野十三郎の『詩論』(昭和22年8月 真善美社刊)の中に「詩とは偏向する勁(つよ)さのことだ」といういい表現がある。当時人生をさまよっていたぼくにとっての大きな啓示、天啓であった。この言葉で人生を歩む姿勢をまがりなりにでも保持することができるようになった。
偏向した視点を持たないことには、読者にインパクトを与える小説も評論もエッセーも書けない。偏向と偏狭とは異なる。
以下のことも芥川賞作家、村田喜代子さんの『名文を書かない文章講座』(葦書房)のなかに書かれていることだが、文章を書く人(小説やエッセー)にとっても肝要な事柄なので掲載しておく。『高校生のための文章読本』(筑摩書房)の付録に、作文の書き方について説明した「手帖」がついている。この付録に以下のようなことが書かれている。
良い文章とは、
1 自分にしか書けないことを
2 だれが読んでもわかるように書く
という二つの条件を満たしたもののことだ。だれが読んでもわかるようにということは、言葉の意味がわかるということも含んでいるが、それだけではない。自分にしか書けないこと、自分だけの発見や経験をできるだけ正確に言葉に表現するということを指している。
これによると反対に、よくない文章がどんなものかも見えてくるのである。
よくない文章とは、
1 だれでも書けることを
2 自分だけにしかわからないように書く
ということになるだろう。
また村田喜代子さんはインパクトのある文章ということで、以下のことを書いておられる。
一、誰もが心に思っている事柄を、再認識させ共感させる。
二、誰もが知りながら心で見過ごしている事柄を、あらためて再認識し実感させる。
三、人に知られていない事柄を書き表して、そこに意味を発見し光を当てる。
こういうことを常に念頭に置いて文章を書いている人のものは金を払っても読む値打ちがあるが、案外、だれでも書けることを、新規な発想もなく書いている人が多いのではないだろうか。私の創作にしても自戒しなければならない。
私の文学態度を決定づけた詩人、小野十三郎の『詩論』(昭和22年8月 真善美社刊)の中に「詩とは偏向する勁(つよ)さのことだ」といういい表現がある。当時人生をさまよっていたぼくにとっての大きな啓示、天啓であった。この言葉で人生を歩む姿勢をまがりなりにでも保持することができるようになった。
偏向した視点を持たないことには、読者にインパクトを与える小説も評論もエッセーも書けない。偏向と偏狭とは異なる。