Sugar's Adventures (PCT trail name is "SUGAR" in 2016)

2016年 米国 Pacific Crest Trailの踏破 及び 2013~14年 南米の自転車旅行を紹介

2017年7月 PCT 日本人女性の死亡事故

2017-09-02 22:05:22 | 2017年~ その後のPCT
PCT その後 (2017年9月2日記載)

 2016年、PCTのトレイル上に、4月23日から9月30日まで161日間、いた。

 この時の記憶は、その時、日々書いたメモおよび写真があるのでそれを見れば思い出せる。

 その時にしていたことは、

 歩くこと、
 テントを設営して寝ること、
 たまに店のある場所に行きRESUPPLY(食料調達)をすること、

 これしかなかった。

 ただ歩くだけだから、

 前方・右左・
 時々は
 眼下の・上方の・後方の

 風景を眺めることしかやっていない。

 時々、地図(www.pctmap.netからdownload)を見て、現在位置を確認し、今日の到達すべき目標を決める。

 大体、日没頃までは十分歩けるので、4月・5月・6月・7月頃であれば、午後7時もしくは8時頃までに到達できる場所を目標にする。

 例えば、2016年7月8日13:45にはTR1213の地点にいた。
(記号の「TR」とはPCTトレイが他のトレイルと交差している地点、「1213」とはメキシコ国境より1213マイル北に来た地点。1マイル:1.6km)

 このころは日没(午後8時頃)から考え午後7時ごろまでは十分歩けた。

 * * * * *

 2017年のPCTで、7月に日本人の女性が死亡したとの、記事があった。

 女性の名前は

 「Rika Morita」、
 32歳、
 死亡した場所は
 「Sequoia Kings National Park」の
 「South Fork of the Kings River」という急流。

 私も、2016年6月後半ここを歩いた。

 2017年は、2016年に比べ雪が格段に多かったようだ。

 彼女は単独行で、身長が150cm。

 身長が低いということは、渡渉の時、(背の高い人に比べれば)流れる水圧に押し流される可能性は高くなる。

 彼女は、危険なクリーク(クリーク:急流。各渡渉箇所の危険性については、ガイドブックに出ているので事前にわかる)に近づいた時、近くにいたグループハイカーにサポートを頼んだようであるが、そのグループが当該クリークに着いた時には、彼女の姿はなかったらしい。

 先に一人で渡ったか、そのグループの後ろを歩いていたか、いずれかだが、(私が思うのには)そのグループの後ろを歩いてたのだと思う。先にクリークに着いていれば、その渡渉する場所で(渡渉が危険なため)グループを待っていた、と思う。

 多分、グループが渡ってしまった後に着き、その後、しばらく待っていても誰も来ないので一人で渡ったのではないかと思う。PCTトレイルは、一日に会う人は多い日では20人、会わない日は数人、もしくは全く会わない日もある。

 このようなときには、危険だとわかっていても、渡らざるを得ない。

 選択は、
 引き返すか、
 行くしかないのだが、
 その時ザックに残っている食料が、引き返す距離(日数)に見合わなければ(引き返している途中で食料が尽きるので)進むしかない。

 各ハイカーが軽量化のため限界の食料しか持参していない状況では、食料を他人にねだることは、ねだられたハイカーの生命を危うくするので、よほどでないと、お願いできない。

 渡渉の時の問題は、川岸から見ると、速い流れのため、光が屈折し、深さがよくわからないことだ。さらに川底にも深い部分と浅い部分が交互にあり、それもよくわからない。

 川底が浅い場合は、流れがせせらぎ的であり、浅いことはわかる。
 
 深いときは、どのくらい深いがわからない。
 自分の足の股以下なのか、以上なのか、その深い場所まで行ってみないと分からない。

 一番いいのは、先に誰かが渡るのを見ることである。これで深さはわかる。

 だが一人の時は、自分で入ってみるしかない。

 人間の場合、急流を渡るとき、足と足の付け根より水が深い場合、流される。
 付け根より上に水がくると、水の抵抗が急に増す。
 且つ、ザックを背負っているため重心が上にあり、バランスを崩し倒れる。

 こういことがあるので、ザックの左右の背負いベルトを固定する胸の位置にあるフックは事前に必ず外しておかなければならない。
 流れの中で倒れた場合、ザックをすぐ脱ぎ捨てなければザックの重さのため起き上がれない。
 どこまでも流され、最後は滝に行き着き、落ちる。

 PCTの渡渉箇所には、川にロープは張っていない。

 トレイルが、急流と交差した時、その場所の流れが深く渡れなければ、その川の上流・下流で渡れる場所を探すしかない。

 そういう場所では、誰かが渡渉箇所を探した跡はある。
 ただし、水際の藪地帯なので道跡はあるようでないし、ないようである。
 自分で渡れると思う場所まで、上流に行ったり、下流にいったりして、渡れる場所を探さなければならない。

 2016年は、幸いなことに、渡るのが不可能という渡渉箇所は一か所もなかった。



日本人女性が亡くなったという「South Fork of the Kings River」
2016年6月28日通過
まさに濁流である。



2016年6月30日
Evolution Creek 
ここは、渡渉箇所である。
但し、川幅が広く中央部の水深がわからない。
この時、周りには誰もいなかった。
ここは渡らなかった。



「Evolution Creek」渡渉箇所の下流。
渡渉箇所で流されると、数分以内にこの場所に到達する。
おそらく、体中の骨が折れる



2016年6月30日
「Evolution Creek」にある注意事項

「Evolution Creek が、水深が深く危険な時は、
上流の Evolution Meadow で渡渉すること」

こういう掲示を見落とすと命取りとなる














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