もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

中露合同訓練と帽振れ

2021年10月25日 | 社会・政治問題

 新華社通信が配信した、中露合同演習を終了して両国艦隊が分離する画像を見た。

 中露合同演習は、2012年から毎年(昨年はコロナ禍で中止)行われており、「海上聯合2021」と銘打たれた今年の演習には中露艦それぞれ5隻が参加したとされている。
 防衛省発表等によって合同演習等の概要を振り返ると、10隻の艦船は10月11日に対馬海峡を通峡して日本海に、10月14~17日にウラジオストック周辺海域で潜水艦・露空軍機も参加した合同演習、18日に津軽海峡を通峡して太平洋に、その後日本列島に沿って南下、23日に大隅海峡から東シナ海に入ったとされている。
 このように、ほぼ日本を一周したことで、中露海軍は自衛隊の対応力や通信能力について少なからぬ情報を得たものと推測されるが、防衛省・海空自衛隊が正しく評価して適確な対応策を採ってくれるものと期待している。

 本日のお題は、海上自衛隊の「お別れ」や「見送り」の儀式についてである。
 「お別れ」や「見送り」の際、映画等ではハンカチを振る場面もあるが、一般的には手を振ることが多いと思う。今回新華社から配信されて映像でも、中露艦隊の分離に際しては両艦乗員がお互いが手を振り合っている。
 海上自衛隊では「お手振り」ではなく、旧海軍の伝統に倣って帽子を振り「帽振れ」「帽元へ」という立派な号令詞もある。真珠湾攻撃のために発艦する攻撃機に対して乗員が、ラバウル基地を離陸する攻撃機に山本長官が端正に、帽子を振る映像でお馴染みであるが、現在でも「洋上給油を終えて離脱する米艦に」「桟橋での見送り者に」「離任する指揮官や退艦する乗員に」「定年退職者に」・・・と、数限りない場面で「帽振れ」「帽元へ」の号令が掛かるが、実は「帽振れ」は礼式規則には定められていない儀礼である。
 何故に海軍・海上自衛隊では「お手振り」ではなく斉一に帽子を振るのかは定かではないが、勝手に手を振る行為は、視認距離内の僚艦に対する場合は手旗信号と誤認されたり信号員の手旗信号を見落とす危険性が有ることや、運用作業時にあっては部下に対する手信号と錯覚されることを予防する意味から、始まったのではないかと考えている。
 自分も幾度となく「帽振れ」の号例を掛けたり「帽振れ」に送られたが、「帽元へ」で着帽した際の寂寥感や区切り感は、殊更であったように思う。

 最後に、忘備録として中露合同演習の参加艦船を記す。
〇中国海軍
 ・レンハイ(南昌)級ミサイル駆逐艦1隻
 ・ルーヤン(旅洋)Ⅲ級ミサイル駆逐艦1隻
 ・ジャンカイ(江凱)Ⅱ級フリゲート2隻
 ・フチ(福池)級補給艦1隻
〇ロシア海軍
 ・ウダロイⅠ級駆逐艦2隻
 ・ステレグシチー級フリゲート2隻
 ・マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦1隻

 

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