リンスケさんが
初めて覚えた言葉は「まんま」だった。
じょいフルが教えたわけではなくて、
じょいフルはごはんのことは「ごはん」と言っていたから、
「まんま」は、保育所で使っているのだと思う。
気がついたら、じょいフルがごはんの支度をしている後ろを
「まんまっまんまっ」と叫びながら歩き回っていた。
リンスケさんは、何かを食べたくなると
仕事帰りの地下鉄の中でも
自転車に乗せられて走っている最中でも、
ところ構わず「まんまー」と叫ぶようになって、
それがしばらくの間、リンスケさんの唯一の言語的意思表示だった。
ただそれだけでも、リンスケさんが
自分の意思で何かを伝えられる能力を持ったということに
じょいフルもブリちゃんも大喜びをしていて、
ただ、私達がケーキやら何かいいものを食べている時に
前はリンスケさんが何か反応していても気がつかないフリが出来たけど、
今はケーキやら何やらが運ばれてきた途端に「まんまー」と叫ぶので
無視出来なくなってしまった。
そんな状態がしばらく続いて
最近やっと、リンスケさんが第二の言葉を獲得した。
3人でLOFTで買い物をしていた時に、
勝手にどこかに歩いて行ってしまったリンスケさんが
「たったー」と叫んでいるのが、
私やブリちゃんを呼んでいるのだと気が付いた。
そう思って意識してみると、
じょいフルが台所に行くと
和室から「ぁたったー」と聞こえたり、
お店でウロウロしながら
「たったったったー」と叫んだりしていて、
ちょっと前からリンスケさんは
そうやってじょいフルのことを呼んでいたみたいだった。
それが、リンスケさんが二つ目に覚えた言葉で、
今度のは、誰に教わったでもなく
リンスケさんが自分で決めて使い始めた言葉だった。
「母ちゃんどこだ」とか、「これで遊ばせろ」とか、
「全部食べたんですけど」とか、あらゆることが
「たったー」で表現される。
リンスケさんはいつの間にか
ずいぶん都合のいい言葉を獲得していた。
そしてそれを、やっぱりところ構わず、
見境なく乱用している。
初めて覚えた言葉は「まんま」だった。
じょいフルが教えたわけではなくて、
じょいフルはごはんのことは「ごはん」と言っていたから、
「まんま」は、保育所で使っているのだと思う。
気がついたら、じょいフルがごはんの支度をしている後ろを
「まんまっまんまっ」と叫びながら歩き回っていた。
リンスケさんは、何かを食べたくなると
仕事帰りの地下鉄の中でも
自転車に乗せられて走っている最中でも、
ところ構わず「まんまー」と叫ぶようになって、
それがしばらくの間、リンスケさんの唯一の言語的意思表示だった。
ただそれだけでも、リンスケさんが
自分の意思で何かを伝えられる能力を持ったということに
じょいフルもブリちゃんも大喜びをしていて、
ただ、私達がケーキやら何かいいものを食べている時に
前はリンスケさんが何か反応していても気がつかないフリが出来たけど、
今はケーキやら何やらが運ばれてきた途端に「まんまー」と叫ぶので
無視出来なくなってしまった。
そんな状態がしばらく続いて
最近やっと、リンスケさんが第二の言葉を獲得した。
3人でLOFTで買い物をしていた時に、
勝手にどこかに歩いて行ってしまったリンスケさんが
「たったー」と叫んでいるのが、
私やブリちゃんを呼んでいるのだと気が付いた。
そう思って意識してみると、
じょいフルが台所に行くと
和室から「ぁたったー」と聞こえたり、
お店でウロウロしながら
「たったったったー」と叫んだりしていて、
ちょっと前からリンスケさんは
そうやってじょいフルのことを呼んでいたみたいだった。
それが、リンスケさんが二つ目に覚えた言葉で、
今度のは、誰に教わったでもなく
リンスケさんが自分で決めて使い始めた言葉だった。
「母ちゃんどこだ」とか、「これで遊ばせろ」とか、
「全部食べたんですけど」とか、あらゆることが
「たったー」で表現される。
リンスケさんはいつの間にか
ずいぶん都合のいい言葉を獲得していた。
そしてそれを、やっぱりところ構わず、
見境なく乱用している。