1月23日(火)9時20分に起きる。そろそろ起きる時間かなあ、と暖かい布団の中で
ぐずっていたら、カナが飛び乗ってきて「起こして」くれた。
室内温度は9.6度。綺麗に晴れて、まださほど寒くはなが、夕方からガンと冷え込むそ
うで、テレビの天気予報では、大阪にも横殴りの吹雪マークが出ている。買い物は早めに
済まそうと、昼前に出かける。
野菜庫の買い置きのサツマイモや玉ねぎがあるので、今夜のメインは暖かい「おさつシチ
ュー」に決め、カレー用の豚肉とマッシュルーム、パセリを買う。ほかにサラダ用に春菊
とチリメンジャコ、総菜1点。仏壇の花用にはストック、ラナンキュラス、カスミソウなど。
帰りにちらちら白いものが降ってきた。いよいよこの暖かい阪神間にも、初雪が舞うか。
夜の9時過ぎ、娘が洗濯ものを干そうと庭に出たら雪が降っていて、「庭が白くなっている」
と興奮している。今年初めての雪景色になるか?
夕方、灯油売りの車が「雪やこんこ」のBGMを流して回ってきた。丸谷才一さんのエッセー
「好きな背広」(文春文庫)に、結婚式の花嫁お色直しに「花嫁人形」、巡回する魚屋さん
の車に「かわいいかわいい魚屋さん」のBGMは必ず流れるが、三つ目のBGM(童謡)はどうして
も見つからない、と書いている。でも立派な三つ目があるじゃないですか。冬になると必ず耳
にする灯油売りの「雪やこんこ」。作詞、作曲者は不明だが、誰でも知っている童謡で、立派
なBGMになっている。稀代の博識の丸谷さんにも、知らないことがあるのだろうか、と一人で
突っ込んでいる。
寒いから、こたつに膝から下を突っ込んで、NHK再放送の時代劇「ぼんくら」(宮部みゆき原
作)のビデオを観る。岸谷五朗、松坂慶子ら芸達者たちが江戸下町の長屋で繰り広げる人情劇。
25日(水)8時に起きる。暖房切れた朝の室内温度は5.5度、この冬一番の寒さだ。
雨戸をあけると、庭は雪景色。と言っても薄化粧を少し濃くした程度で、命がけで雪かきし
なきゃならない豪雪地帯に比べたら、ほんの申し訳程度だけど。何年振りかの雪景色、カメ
ラを持ち出し写し回る。やっと顔を出して咲き始めたビオラも、雪をかぶり寒そうだ。
わずかな雪でも目の当たりにすると、70年も前の子供の頃の思い出がよみがえる。
生まれた紀州の山の中は、ひと冬に何回か深い雪景色になる。家の向かいの山には孟宗竹林
があって、竹に雪が覆うと重さに耐えかねてパ~ン、パ~ンと破裂音を響かせながら折れる。
住んでいる家は築後100年近い古い茅葺だが、屋根に雪が積もると重みでミシッ、ミシッ
と家全体がきしむのだ。
少年時代の雪の思い出は、どこか牧歌的だから懐かしいのだろう。