刺さった男

LA CHISPA DE LA VIDA／AS LUCK WOULD HAVE IT
２０１２年
スペイン
９４分
ドラマ／コメディ
劇場公開（2014/11/22）



監督：
アレックス・デ・ラ・イグレシア
『気狂いピエロの決闘』
出演：
ホセ・モタ：ロベルト
サルマ・ハエック：ルイサ
ブランカ・ポルティージョ：メルセデス
ファン・ルイス・ガリアルド：アルカルド
フェルナンド・テヘロ：ジョニー
マヌエル・タリャフェ：クラウディオ
サンティアゴ・セグーラ：デイビッド・ソラー
アントニオ・ガリード：Dr.ベラスコ
カロリーナ・バング：ピラー・アルバレズ
ホアキン・クリメント：ザビエル



＜ストーリー＞
失業してどん底状態にある元エリート男性・ロベルトは遺跡発掘現場に迷い込み、高所から転落。命は助かるも、後頭部に鉄筋が刺さった状態で身動きがとれなくなり…。

－感想－

倒れている場所が場所だけにドエライ騒ぎになってしもとるやんけ。

もっとこう途方に暮れている雰囲気がズシンと重たく流れている作品かと観始めてたのだが、主人公筆頭にどいつもこいつも自分の事か金の事しか考えてなくて苦笑い。

人の命をなんだと思っているんだ！？

その中で唯一マトモな考えをしているのが妻のルイサ。
当たり前の事を当たり前の様に言っているだけなのに、周りが頭のおかしい（笑）奴ばかりなのもあってか、一挙一動、一言一句全てに感心させられてしまった。
人間的にも良く出来た素晴らしい嫁ですよ。

「メディアに出て注目を浴び金儲けをするんだ！」
そんな馬鹿な行動に走っている夫の“最期”が妻の頭の中でも現場での手術決行時間が迫る内に過ぎってくる。
その夫の願いを叶えてあげようと最善の限りを尽くす妻。
これが泣けるんだわ。

鉄筋を引き抜き大量の血が溢れながら（結構リアルな血の出方でちょっとヒエッ！となった）手術室に運ばれる夫。
メディアや現場に駆け付けた市民の多くが見守る中、果たして夫の命は救われるのか！？

そして妻ルイサは大金を目の前にしてどのような姿勢を見せるのか。

金の切れ目が縁の切れ目、とはならず。

本当に心の底から夫の事を愛してたんだろうね。
長年無職でも、優しい性格で子供達の事を妻の事を何時も一番に想ってくれているそんな夫にルイサは惹かれていたのだろう。

「被害者家族を馬鹿にするな！！！！」

ルイサの悲痛な気持ちを蔑ろにする糞メディアに強烈な蹴りを一発！
むっちゃスカッとした！！
いいぞ！ルイサ！！

とは云え、殆どの人が助かって欲しいと願っていたのは事実。
当然、私もですよ。
そう願わない人はもう人ではない、只の屑だわ。
だからかな、手術の結果が分かった時の市民の表情には私の感情も刺激されちゃって何ともいたたまれない気持ちを抱かされたまま画面を見つめる事になってしまった。

機敏に振る舞い正しく言動するルイサに救われ助けられた感じ。
彼女のお陰でこうしてラストは感動出来た事には違いはない。
逆に彼女が居なかったら単なるバカ映画（笑）。
今回の評価は全てルイサに捧ぐ。

リポーターの提案で画面一つに家族を収めましょうとなった時に、警備員のおっさんがどさくさ紛れに映ろうとしていたのには不覚にも吹き出してしまったｗ

評価：★★★☆
１５／０４／０２ＤＶＤ鑑賞（新作）
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レンタル開始日：2015-04-02
メーカー：松竹

オフィシャル・サイト（日本語）