まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「<複数回答可>2013年夏のボーナス、何で運用する?」では・・・
1位:定期預金 34%
2位:普通預金で様子見 13%
3位:国債 8%
〃:日本株・日本株投信 8%
〃:外国株・外国株投信 8%
6位:外国債券・外国債券投信 6%
7位:国内債券・国内債券投信 5%
8位:ボーナスはない 4%
9位:外貨預金、FX 2%
〃:国内不動産・国内不動産投信 2%
〃:海外不動産・海外不動産投信 2%
〃:その他の運用商品 2%
ということになりました。やはり1位は「定期預金」で他を圧倒していますね・・・。
ちなみにこのアンケートは複数回答可なので、いつものように投票者のシェアに直すとこうなります。
1位:定期預金 68%
2位:普通預金で様子見 26%
3位:国債 16%
〃:日本株・日本株投信 16%
〃:外国株・外国株投信 16%
6位:外国債券・外国債券投信 12%
7位:国内債券・国内債券投信 10%
8位:ボーナスはない 8%
9位:外貨預金、FX 4%
〃:国内不動産・国内不動産投信 4%
〃:海外不動産・海外不動産投信 4%
〃:その他の運用商品 4%
やはり定期預金は7割近いシェアです!ほとんどの人は運用先として、いくら金利が低くても定期預金は外せない、ということですね。その点では定期預金は資産運用における「お米」、「主食」と言っても過言ではなさそうです。
今どきそのお米ですら、3食の中で食べられる頻度で言うと7割もなさそうですね。筆者も朝昼はパンがメインの時が多いです。ま、そんなことはどうでもいいのですが。
いずれにしても定期預金人気が底堅い一方で、昨年末から爆発的に円安株高が進んだことを背景に投資商品の人気はどうなっているかと言うと・・・3位に日本株や日本株投信、外国株や外国株投信がランクインしているものの、そのシェアは現時点で2割弱と、定期預金人気に比べれば大きく見劣りしている状況です。
少なくとも当サイトの読者の皆さんの中では、投資が盛り上がっている感じは全くしませんね・・・。
ここ数ヶ月、活況と報じられている外貨預金やFXに至ってはわずか4%に沈んでおります。この違いは何なのでしょうか?
当サイトの読者の方が資産運用に関してより保守的になってきたのか、今までの急激な円安がさすがに「出来すぎ」で警戒感が出ているのか、はたまた足元の一転した円高にすっかり気持ちが萎えてしまったのか、その理由は分かりませんが、個人的には意外な結果となっています。
ここで昨年12月の、冬のボーナス時のアンケート結果を振り返ってみるとこうなっています。
1位:定期預金 60%
2位:普通預金で様子見 34%
3位:日本株・日本株投信 20%
4位:外国債券・外国債券投信 16%
〃:国内不動産・国内不動産投信 16%
6位:外国株・外国株投信 12%
〃:海外不動産・海外不動産投信 12%
8位:外貨預金、FX 8%
〃:国内債券・国内債券投信 8%
10位:国債 4%
やはりこの結果と比較しても、今は定期預金人気が高まる一方で、投資商品の人気はあまり変わらず、全く盛り上がりが見られない、ということですね。
そうした中で大きく順位が上がっているのが国債ということになります。何だか、昨年の冬より今の方が投資に対してむしろ消極的になっているという気すらしますね!?筆者自身も実は「追加投資」という点ではかなり消極的になってきたりしているわけですが、読者のみなさんの運用の実態はいかがなのでしょうか。
では投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=931
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=729
さて今回は、変動する為替相場について。
--- Ginkou ---
円相場惑わす新要因
http://www.nikkei.com/
アベノミクスや日銀の異次元緩和で大幅な円安が進んだことを受け、新たに外貨商品での運用を始める人が増えてきた。外国為替取引の入門書を読むと、2国間の金利差や輸出入の需給差などが相場の決定要因として書かれている。だが最近は様々な要因が複雑に絡み、定石通りには相場が動かなくなった。外為市場で何が起きているのか。
野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは「値動きの大きいユーロや新興国通貨を取引していたヘッジファンドが異次元緩和を見て新規参入してきた」と話す。問題は相場への影響だ。長期保有が前提となる生保の外債投資なら持続的な円安が期待できる。だが短期売買中心のヘッジファンドだと、再び円高に転じる可能性が高まる。実際、異次元緩和後に1ドル=100円に迫った円相場は4月16日に一転して95円台に急騰。緩和後の円安分は帳消しになり、個人の外為証拠金(FX)取引では多額の損失を被る人が続出した。
最近は個人のFX取引にも「システムトレーディング」と呼ぶ為替のプロが作成したプログラムを利用できる仕組みが広がる。IT(情報技術)の急速な進展で取引が高度になり、相場の決定要因は複雑になるばかりだ。入門書通りに動かず、振れ幅も大きくなった相場に対し、外貨取引を新たに始めた初心者はどう向き合えばいいのか。
最も安全なのは短期的な利益を追い求めず、中長期的な運用を目指すことだ。短期的に不規則な値動きが起きたとしても、中長期的には入門書にあるように、金利差や需給差に沿った値動きに落ち着いていく可能性が高いからだ。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
前回のアンケートとも関連しますが、昨年の年末以降、爆発的に進んできた円安・株高の流れにようやく一服感が出てきましたね。今までの動きが急すぎた、という面も大きいとは思いますが、日経平均の株価と米ドル円の推移はこのようになっています。
■日経平均株価(1年)
■米ドル円為替レート(1年)
確かに5月下旬あたりから、株価も為替も大きく反転しています。「5月は株を売ってどっかに行け」という格言がありますが、それを地で行くような相場の動きですね・・・。
しかし目盛りがなければどちらが株価チャートで、どちらが為替チャートか、全く見分けがつきません。つまり日本の株価と為替レートは驚くほど相関していることになります。
これはやはり、日本企業の収益・利益が為替レートと相関している、というのもありますが、それに加えて日本株の主な買い手が外国人投資家であり、彼らはドルベースで投資判断をしているのでしょうから、円安となれば日本株が相対的に割安になる、というのもあるのでしょうね。
それはともかくとして、気になるのが今後の為替と株価の動向です。
今回は為替について考えてみたいわけですが、円安材料は引き続き多いですね。日本では「異次元の金融緩和」が始まったばかりですが、アメリカでは景気の順調な回復を背景に「金融緩和の出口」が議論されはじめています。金融緩和が実施されれば通貨の価値が下がる一方で、金融緩和が終了すれば通貨の価値が上がるわけですから、素直に考えれば円安ドル高につながっていきます。
また日本の貿易収支は、原発停止による化石燃料の輸入増大に伴い、引き続き赤字が続いています。経常収支では黒字回復したものの、実需面では円安圧力となっている可能性が高いと思われます。
一方で、理論的な為替レートから見れば、今は「円安すぎる」という考え方もあるかもしれません。通貨間の相対的な為替レートの高い低いを判断するものとして「実効為替レート」というものがありまして、こちらのサイトさんのグラフを拝借すると、2013年4月時点でこのようになっています。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5072.html
このグラフの解釈はいろいろあるのでしょうけれど、それは専門家にお任せするとして、素人が分かることは今の日本の為替レート(赤色のグラフ)が、2007年ごろと、1980年代以前にあったきりの、歴史的に見てかなりの円安水準になってしまっている、ということです。
そして2007年の円安は、その後のリーマンショックによって跳ね返されて円高水準に戻っていったように、今の円安がどこかで跳ね返されて円高となるのは当然かもしれない、ということですね。
しかしながら。
上記記事によれば、新たなヘッジファンドや、システム取引の影響で、そもそも「外国為替取引の入門書通りには相場が動かなくなった。」とのことです。
だとすると厄介ですね。もう素人には、為替相場を予想して取引するのは不可能だということかもしれませんね。もちろん以前から正確に予想できる人はいなかったわけですけれど。
そうした複雑化する為替相場を前に、上記記事は「最も安全なのは短期的な利益を追い求めず、中長期的な運用を目指すことだ。」という結論でしめくくっております。
中長期的な運用が「最も安全か」と聞かれればもちろんその答えはノーですが(笑)、短期的な取引よりもまだ理論的に動きやすく、勝ち目が出てくる、と言われればそうなのかもしれません。
筆者自身は今まで複数回、FXにトライする機会がありましたが、全敗しておりまして(笑)、自信を持ってご案内できるハウツーは皆無ですが・・・。
残念ながら前回のアンケート結果によれば、夏のボーナス資金でFXや外貨預金に挑まれる方は少数派のようですが、果敢にチャレンジされる方は参考にしていただければと思います。ご武運をお祈りしております。
では今回の読者アンケートは「昨年末から勢いよく円安が進んでいた為替相場ですが、ここに来て大きく円高に動くなど、状況が一変してきています。ここからは円高が進む?それとも再度、円安が進む?」でいきましょう。投票は7月12日まで。
■昨年末から勢いよく円安が進んでいた為替相場ですが、ここに来て大きく円高に動くなど、状況が一変してきています。ここからは円高が進む?それとも再度、円安が進む?(7月12日まで)
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=933
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