妙に◎×谷川という川にこだわる一人のお爺がいました。
もう一人のお爺はこだわる川とて知りません。
で、釣行先は当然◎×谷川となりました。
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朝6時に拙宅へ迎えの車が到着です。
すぐさましゅっぱ~つ。
二時間半を要して目的の渓に着きました。
二人のお爺にとっては初めての谷です。
ほいだら、この辺からおりてみようわい。
ほいだら、支度でもしようわい。
ありゃぁ~?
胴長忘れとるがな!
オイラは知りませんヨ。
こだわりお爺が興奮のあまりに胴長を家に忘れて来てしまった!
これでは釣にならんぢゃないか!
しゃぁねぇから登山靴にアイゼンつけて歩こうかい。
さすが、山歩きで鍛えた剛の者である。
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と、そこへ建設業者らしい人が軽トラに乗って通り掛った。
この辺で降りやすい所知らん?(二人組み爺)
え~、こっから下へ1kmほど下ったところが入りやすいですよ。(とっても感じのよい若者)
なんなら、送りましょうか?だってさ。嬉しいなあ。
そ、それぢゃぁお世話になろうかいの。(二人組み爺)
こないだも釣り人が居たんで話してみたらこの下でええ型のアマゴを20ほど釣ってましたね。
と若者。
もぉ~お爺の心をくすぐることばっか言うんだから。
細い脇道を川近くまで送ってくれたから助かった。
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川を見れば心が騒ぐのはお爺になっても変わらないもの。
早速、川に向かって仕掛けを振る。
しか~し・・・
幾ら毛鉤を振り込んでもアマゴは掛からない。
時折、毛鉤をくわえて飛び上がったりするものの、針に乗らないんだなぁ。
まぁ~10時近くなって竿を振ってもお魚の食事時間は終わってるもんな。
でも、10箇所くらいで魚の反応があり七寸ほどのアマゴが全身を見せたり
毛鉤を上からボコッと押さえ込むように喰いに来たりした。
結果としては・・・
3時間ほど渓を遡りつつトライしたが、掛かったのは1尾だけ!
腹が減ったから飯を食べて午後のラウンドをこなそうわい。
ということで川の左岸の雑木に取り付いて林道めがけて這い上がって行った。
今回の釣の目的のひとつはキムチ饂飩を食べようというものである。
料理などを行うのにピッタリの小屋があった!
水も出るし、最高だ。
「どなたでもご自由にお使い下さい」なんて優しいことが書いてある。
まず、饂飩を茹でて冷水で〆た。
なんて言ったって世界一の饂飩だ!
香川県一、日本一、世界一という理屈。
シッカリ目に茹でてツメタ~イ水で締めこむ。
コシがあって弾力に富む最高の饂飩が出来た。
大き目の鍋にキムチと牛肉、赤味噌、白味噌、ネギを炊き込んで
そこへ饂飩を放り込む。
ん、んま~い!!
お爺の股の間にズンドウ鍋を置いてむはむはとキムチ牛肉打ち込み饂飩をほうばる。
結構なお味ですな!
でも汗がだくだくと出てくる。
これでビアがあれば最高なんだけど・・・なんて声が思わず出てしまう。
さぁ~午後のラウンドに入るぞぉ!
ご馳走様
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午後はこの料理サイトから少し上流にある橋の袂からその先にある堰堤まで
釣ってみようぢゃないの?ということに。
渓相はすこぶる良くお爺の釣には最適な環境と思われたが・・・
ここでは、殆どアタリすらなかったのである。
最後は大きな堰堤に行く手をさえぎられてしまい、
川通しで橋まで戻ることにした。
距離にして300mちょっとぢゃないかな?
ところが!
ここから大間違いをしてしまった。
途中、岩を越えながら歩くのはシンドイから右岸の藪の中を歩いて下った。
もう橋が見え始めたところで、右岸の藪の中の道が上に向かって伸びている。
そうか・・・この道を上がって行けば橋が対岸に渡った所へ出るに違いない。
と、勝手に考える浅はかさ。
この道を上がって行ったら、左手にコンクリートの階段が見えてきた。
おや、まだ上に上がるのか?
ま、行ってみようか。
このコンクリート階段を上がり始めたのが運のつき。
まぁ~きっつい階段が100mは続いていたろうか。
もう道路へ出るに違いないと思いながら上がると更に階段があった。
ヘルメットから汗が垂れる。
もうこれ以上行けないところまで、階段を上がると!
なんと! 民家の庭に出てしまった。
誰も居ない綺麗に片付いた民家に。
こりゃいかん、庭の外れから道がついてるのでそこを辿ると
またぞろ上へ登り始めた。
いったいどこまでいくんだろ?
しばらく登ったら林道に出た。
や~れやれ。道に出たぞ、これを下れば帰れるワイ。
だがまてよ・・・・この道は、自分達が車を止めた場所から遥かに北へ寄ってる。
しかも、南へ行く分岐はなくて、ドンドン北へと遠ざかってるぢゃないの?
やばいよこれは。
確かこの先で左岸に渡る橋はずっと下までない筈だよ。
しゃぁねぇ、田んぼの脇に道らしいものがあるからこれを辿って
南へ下ろうということになった。
30mほど下る間は農耕用のあぜ道があった。
しかし、そこから一気に藪に突っ込んだ。
いたるところに茨が生えていて
そいつがシャツやらズボンに突き刺さる。
クモの巣で顔が網みたいになっちゃった。
足元の草が滑って尻餅をつきながら転がるようにして下って行った。
泣きべそかきながら下って行ったら下にアスファルトが見えた。
やったぁ~道路だ。
例の橋から伸びてる道路だ。
最後の最後で、右手の親指に茨が突き刺さって折れた。
いてぇ!といいながら引っこ抜く。
血がぴゅっと出た指を舐め舐め、最後の段差を飛び降りた。
もぉ~泥んこで汗まみれのお爺二匹の出来上がり!
いやぁ~楽しい釣でした。
また、もう一人の頑固お爺さん、よろしくお願い致します。
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