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TPPはインフレ対策です

2011年01月19日 11時12分32秒 | 現代日本
 最近のニュースで、TPPという言葉がチラチラ現れます。これは環太平洋戦略的経済連携協定のことで、テレビに出る評論家の殆どは、推進派のように見受けられます。しかし本当に推進していいのでしょうか。議論では単に農業が不利になるという話しかデメリットは話されていません。
 これに関して三橋貴明さんのブログにより多くのデメリットが書いてありましたので転載します。


三橋貴明さん

転載開始

 TPPに関する論説を見ると、相変わらず「農業」のみを焦点に上げ、「『待ったなし』の改革を推進しろ」といった、イメージ優先の言葉が並んでいます。


 皆様の周りの方々に聞いてみてください。
「TPPに加盟すると、加盟国の労働者の移動が基本的に自由化されるのを知っていますか?」
「TPPに加盟すると、アメリカの法律サービスが、一切の障壁なしで日本に流れ込んでくることを知っていますか?」
「TPPに加盟すると、世界金融危機の元凶となったアメリカの投資・金融サービスが日本に流れこんでくることを知っていますか?」



 この手の情報がシェアされた上で、「総合的な国益」のためにTPPが議論されればいいのですが、現実にはそうなっていません。


 チャンネル桜の中では、「農業の構造改革のために、TPPを利用しろ」などという議論がありましたが、「高々」農業の構造改革のために、「あの」アメリカの法務サービスや投資銀行を受け入れるなど、本末転倒もいいところです。農業の構造改革は「国益」のためにやるのだと思いますが、そのために「他の国益を犠牲にしろ」などという議論はありえません。

   
日本の農業

 日本がアメリカのような訴訟社会になるのも、「あの」投資銀行の連中が金融市場で暴れまくるのも、真っ平ごめんです。
 個人的に一番恐れているのは、アメリカの「医療サービス」までもが日本市場に入ってくるのではないかということです。人の生命がかかった「医療」サービスを、株主利益優先で展開する連中が日本にやってくるのだけは、本当に勘弁して欲しいです。


 一つ気になるのが、

「管政権はTPP一点に焦点を絞り、解散総選挙をしろ!」
 という論調がマスコミで流行り始めていることです。


 まんま、郵政解散、あるいは「政権交代選挙」のときと同じ流れになりつつあるわけです。今度は「TPP解散」というわけですね。
 郵政解散のときも、郵便事業の民営化などについて「正しい情報」が国民に行き渡らないまま、「構造改革です! 郵政民営化も改革の一つです!」などというイメージ先行で解散、総選挙へと雪崩れ込んでしまいました。09年の「政権交代選挙」のときも、政権交代というイメージやフレーズのみが先行し、中身や意味についてはきちんと国民でシェアされていませんでした。

 今回も、同じことが起きるのではないかと、大変恐れています。


 NHKは11日世論調査を発表し、TPP(環太平洋経済連携協定)について「交渉に参加すべきだ」が47%、「交渉に参加すべきでない」が9%だったという結果を報じました。

『TPP反対28% 宮日世論調査 
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=34056
 宮崎日日新聞社が知事選に合わせて県内有権者に実施した電話世論調査(18、19日)で、投資や貿易の自由化を進める環太平洋連携協定(TPP)参加に「反対」とした人は28・9%、「賛成」とした人は20・4%だった。
 菅首相が10月1日に行った所信表明演説で突如浮上してきた感があるだけに、「TPPを知らない」と答えた人も21・3%に上った。「どちらでもよい」も25・2%を占め、県民の関心が決して高くない実態も明らかになった。(後略)』


 賭けてもいいですが、NHKや宮崎日日新聞で「TPPに賛成」といった方々であっても、上記の「アメリカの法律サービスや金融サービスを日本に販売可能となる」について全く知らないでしょう。

 その手の情報が伏せられたまま「農業構造改革のためのTPP!」という単純なスローガンがまかり通り、総選挙の焦点になってしまった日には、まさに郵政選挙や政権交代選挙そのままです。

 以下のヘーゲルの言葉が身にしみます。

「歴史は繰り返す、一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」 

三橋さんの今日の最新の記事では二人の方の賛否の両論が乗せられていました。

転載再開

TPPの話題が続きますが、本当に管政権が「TPP解散」をもくろんでいるという話が耳に入ってきており、国会開会前にできるだけ本件を取り上げたいと思います。国会が始まると、政治家の方々も情報収集をする時間が無くなってしまうと思いますので。


 朝日新聞で東大教授の戸堂氏と、おなじみ中野剛志氏の「争論」が掲載されました。

『朝日新聞2011年1月18日「争論 第三の開国」
 突然、パッと出てきた、プロジェクト、名づけてTPP。ではなくて、環太平洋パートナシップ協定。管直人首相はこれに日本も参加し、幕末、戦後に続く「第三の開国」とすることに意欲を示す。さらに国を開いて、この国はよくなるのか、それとも?

【中進国に落ちぶれていいのか? 東京大教授 戸堂康之さん】
 日本経済は長い停滞が続いています。このままだと近い将来、先進国から脱落し、落ちぶれた国になってしまうでしょう。(中略)
 そうならないためには国を開き、グローバル化を進めるしかない、と私は考えています。
 それはなぜか。経済成長の源泉は技術進歩です。ここでいう「技術」とはモノづくりでいう技術だけではなく、効率的な生産手法やマネジメント、ビジネスモデルなども含めた広い概念です。「技術」が進むと、同じだけ働いても、より多く生産できたり、今までにない製品が生まれたりします。インターネットや電気自動車が象徴的な実例です。
 一国の中だけの技術革新には限界があります。鎖国時代を考えれば明らかでしょう。それよりも国を開いて世界中の知恵や知識を採り入れることです。その手段が貿易であり、外国への直接投資や外国からの直接投資です。実際、約4万社のデータベースを分析したところ、グローバル化している企業、つまり輸出や海外への直接投資、生産委託をしている企業は平均的に生産性を上げている、という実証研究があります。
 残念ながら日本はまだまだ閉鎖的です。 他の先進国並みに国が開いていて「技術」が入ってくる状態なら、他の先進国並みの成長率を実現しているはず。そうなっていないのは、国を開いていないからです。
 ですから私は、TPPへの参加は、日本の閉鎖性を打ち破る契機になる、日本人全体の意識改革につながる、と期待しています。
 一方で、企業が海外に出てしまう空洞化、雇用の減少が懸念されています。国内に活力がないままなら、企業が出て行くのもおかしくありません。しかし前述のように、日本全体がグローバル化すれば国内の生産性が向上します。企業は国内から出て行かなくても良くなるわけです。(後略)



【デフレがますます進むだけだ 京都大助強・元経済産業省課長補佐 中野剛志さん】
 TPPへの参加など論外です。今でも日本の平均関税率は欧米よりも韓国よりも低い。日本はすでに十分、開国しています。
 そもそも「海外に打って出れば、日本製品の競争力が高まる」というのは、考え方が古い。「安ければいい」という途上国市場でいくら製品を売っても、開発力はつきません。
 日本製品に競争力があったのは、消費者の要求水準が極めて高い国内市場で鍛えられたからです。「神様」までいるトイレで、便座がお尻を洗ってくれることを求めるうるさい消費者を相手にしてきたから、日本企業は強くなった。ところがデフレが進み、安さばかりが求められるようになって、国内の「目利き」の消費者が減ってしまった。企業は研究開発を怠るようになり、「iPad(アイパッド)」のような魅力的な商品を作れなくなった。
 輸出といっても、一体どの国に売るのか。米国は失業率10%という大不況。中国の景気は明らかにバブルで、頼るのは危険です。他のアジア諸国は外需依存で国内市場が小さすぎる。そんな中で、輸出を増やすには、製品価格を下げるため、さらに賃金を下げなくてはいけない。
 それで輸出が増えても、今度は貿易黒字で円高になる。輸出主導で経済成長という道に未来はなく、国民を苦しませるだけです。日本は2002年から06年にかけて輸出主導で景気が回復しましたが、それは米国の住宅バブルのおかげ。しかも1人あたり給料は下がりました。利益は株主と企業に回り、一般国民にはまさに「実感なき景気回復」でした。欧米でも同じ現象が起きています。
 「自由貿易が経済を成長させる」という教条主義にとらわれるのはやめて、現実をみて欲しいのです。
 日本は10年以上、デフレに悩んできました。そこからの脱却が最優先課題です。私がTPPに反対する最大の理由は、いま以上に貿易自由化を進め関税を引き下げると、外国の安い製品が入り、デフレがさらに進んでしまうからです。農業が打撃を受けるからだけではありません。
 TPP交渉に参加する9ヶ国と日本の国内総生産(GDP)を合計すると、日米両国で9割を占めます。TPPは実質的に日米自由貿易協定です。米国は輸出拡大を目指してドル安を誘導しているのに加え、米国自身もデフレに落ち込みそうです。そんな国との貿易をさらに自由化すれば、デフレの日本がさらにデフレを輸入するようなものです。(後略)』

 
 戸堂氏の主張は、まさに「インフレ対策」だなあ、というのが感想です。すなわち、生産性を高めることが良いことだ、というわけです。
 生産性とは「「労働者一人当たりの付加価値」です。生産性を向上すると、供給能力が高まり、今の日本ではデフレが悪化します。

 また、労働者一人当たりの付加価値が高まるわけですから、「労働者の数」がそれまでよりも少なくて済むわけなので、当然の話として失業率は増加します。


 現在の日本に必要なのは、デフレ対策であて、インフレ対策ではありません。わたくしにしても、日本がインフレすなわち供給不足に悩んでいるのであれば、戸堂氏の主張に反対しません。といいますか、むしろ積極的に賛成します。


 国内の国営企業の低生産性により、供給不足からくる高インフレに悩んでいたブラジルは、外資を積極的に導入し(まさに開国!)、国営企業を民営化し、生産性を高めることでインフレ率を引き下げました。すなわち、80年代のブラジルのような供給不足に悩んでいる国にとっては、戸堂氏のソリューションは適しているわけです。


 でも、今の日本は違うでしょう、という話です。


 日本でグローバル市場に対応している企業の生産性が高いのは当たり前です。何しろ、07年までのアメリカの不動産バブルにより、当時は世界的な需要拡大局面でした。そんな中においても、日本は政府の誤った政策により需要が伸びず、国内市場を相手にするよりも、海外市場を相手にしたほうが、それは収益性が高まるでしょう。


 しかし、すでにその局面は終わりました、という話です。


 少なくとも2002年以降の「グローバリズム」は、「アメリカの家計が負債を年間百兆円単位で増やす」ことが前提で成り立っていました、これほどまでに負債を増やし、投資や消費に回してくれる別の「需要項目」が登場しない限り、少なくとも02年から06年の状況は戻ってきません。


 そもそも、日本は02年の不況期に「デフレ期にインフレ対策を実施する」愚行を改め、国内需要の拡大に舵を切らなければならなかったのです。ところが、アメリカの不動産バブルを前提とした「グローバル市場の拡大」という「特需」を受け、そこそこの成長率を取り戻してしまう。結果的に、日本の舵を切るタイミングは、またもや失われてしまいました。


デフレ対策に舵を切らないと


 リーマンショック直後に成立した麻生政権は、まさしくこの「舵を切る」にチャレンジしたわけですが、結果的にどのようになったかはご存知の通りです。

 というわけで、戸堂氏の主張を踏まえた本日の締め。


「TPPはインフレ対策です。デフレ期にはデフレ対策が必要です」

転載終わり

 リーマン・ショック後に懸命にデフレ対策をやった麻生政権のおかげで、その後少し経済が回復に向かいましたが、政権交代で、それも元の木阿弥になり、せっかくの対策もその後の仕分けで、かなり中止になりましたよね。中には学校へのいろんな有効な設備投資もあって、結構期待されていたものが仕分けされてがっかりしている関係者のニュースがあったのも覚えています。たとえ国債を発行してでも民間に資金が流れお金が回るようにするのがデフレ対策なのですが、民主はこうした民間への資金流通の対策を中止して、子ども手当と高校無償化というバラマキをして同じように国債を発行しましたが、どちらが経済効果があるかは一目瞭然です。確かにムダを省くのも必要ですが、需要を喚起するような対策が何もなされず、切り詰め切り詰めではデフレからの脱却はむずかしいですよね。しかも、切り詰めているように見せかけながら、その仕訳はほとんど効果がなく、実態はバラマキによって史上最多の国債発行なのですから、言行不一致の上、対策自体何を目指しているのか訳のわからないものばかりで借金をふくらませているのですから、お粗末というしかありません。



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