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リスクがあるインフルエンザ外来患者での3剤併用療法

2018-02-15 | 呼吸器・集中治療
題名:Oseltamivir, amantadine, and ribavirin combination antiviral therapy versus oseltamivir monotherapy for the treatment of influenza: a multicentre, double-blind, randomised phase 2 trial.
雑誌:Lancet Infect Dis. 2017 Dec;17(12):1255-1265.
著者:Beigel JH


【背景】
様々な抗インフルエンザ薬の併用療法が研究されているが、報告されている治療効果は定まっていない。
オセルタミビル・アマンタジン・リバビリンの併用は、in vitroでA5H1N1またはAH1N1でネズミの死亡率を下げた。
インフルエンザに罹患し、重症化するリスクのある患者を対象にオセルタミビル・アマンタジン・リバビリンの効果を検討した。

【研究デザイン】多施設・多国籍RCT

【対象者】
・外来患者
・18歳以上(妊娠女性除く)
・インフルエンザ重症化に関連する合併症を1つ以上
 ※6歳以上、1つ以上の慢性疾患、BMI 40 kg/m^2以上
・迅速抗原検査またはPCRでAH1N1,AH3N2またはB陽性
・気道症状が出て96時間未満
・除外:貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少、遺伝性異常ヘモグロビン症、クレアチニンクリアランス低下、自己免疫性肝炎の既往、発症前に2回以上抗インフルエンザ薬を服用


【介入】
オセルタミビル(75mg)・アマンタジン(200mg)・リバビリン(100mg)の併用、またはオセルタミビル(75mg)単剤に1:1で振り分けした。
オセルタミビル単剤の患者群はプラセボ2つを併用した。服用は5日間、それぞれ1日2回服用した。


【エンドポイント】
Primary 3日目時点でのウイルス排出量
Secondary 臨床徴候の改善(SF-36や以前のオセルタミビルの研究を参照に質問を作成)


【結果】
633人を対象とし、454人を解析対象とした。合併症は気管支喘息、糖尿病が各群でいずれも最多だった。

・PCRによるインフルエンザウイルスの検出
    併用群 vs 単剤群
治療開始時 98% vs 93%
   3日目 39% vs 52% (P=0.009)
7日目 11% vs 14 %(P=0.24)

・臨床症状
症状の持続期間、発熱の持続期間については有意差はなかった。
発症前と同程度の状態までに回復する期間は、併用群 7.5日 vs 単剤群 6.5日(P=0.0086)と併用群が有意に長かった。

・adverse event
消化器症状(併用群 12% vs 単剤群 11%)、下痢(10% vs 11%)、嘔吐(7% vs4%)が最多だった。
入院は併用群 4% vs 単剤群 2%(P=0.011)と併用群が多かった。


→併用療法により、ウイルス量の減少は速やかであったが臨床徴候の改善にはつながらなかった。
併用群で入院がやや多いが、入院理由を見ると薬剤の副作用と関係している可能性はなさそうと筆者の考察。
入院重症患者には適応できないが、外来軽症患者では少なくとも併用療法の妥当性はない。

※各群とも1週間経過しても、10%以上にウイルス排出がみられていました。




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