前回の続き。
同じくネタバレを含みます。
視点
謎を解くためには、プレイヤーは情報を集めて推理しなければならない。
情報を集めるには、プレイヤーは物語の主人公たちの体験を見なければならない。
つまり、主人公たちの視点こそが情報源。
ひぐらし
表向きの主人公は前原圭一・・・なのだが、シナリオによっては別の人物が主人公になることもある。
先に説明したように、各シナリオはパラレルワールドなので
鬼隠し編の前原圭一と綿流し編の前原圭一は別の主人公とも言える。
この視点の違いを理解できるかがグッドエンドを推理するための最初の課題となる。
次に、各シナリオの「隠された分岐点」に気が付く必要がある。
しかし、ひぐらしは基本的には読むだけのサウンドノベルなので
当然その分岐点は選択肢として登場せず、プレイヤーは主人公を動かすことはできない。
そのシナリオの展開や結末が変化することはない。
「このとき、この主人公は、このように行動したから、こうなった」
というプレイヤーが選べない分岐点で、もしも違う行動を取ったら・・・?
一般的なサウンドノベルゲームなどでは、選択肢まで遡って「やり直す」ことができる。
やり直した結果、さっきはバッドエンドルートだったところが、グッドエンドルートへ変化するかもしれない。
それは、主人公の視点で考えた結果、行動を選択できるからだ。
ひぐらしではそれが叶わない。
用意されたシナリオは一本道で完結してしまっている。
その一本道で、もしも、違う行動を取れたら。
もしも、やり直すことができたら。
解答編で描かれているパラレルワールドが、それだ。
その正解へ至るための分岐点を見付けることこそがひぐらしの核心だ。
しかし意地悪なことに、この物語は1つの視点だけでは正解を推理できないようなシナリオだ。
さらに、毎回違う世界(パラレルワールド)だというのだから、
推理という言葉を用いていいものなのか怪しいくらいに難解だ。
同一時間軸上の事象を異なる人物の視点で体験する・・・というシナリオは珍しくないが
1つ1つの完結してしまっている個別のシナリオから、バッドエンドを辿ってしまうような誤った分岐点を見付け出し
グッドエンドへ向けての正しい選択肢を頭の中だけで考えなければならない、というシナリオは斬新だ。
このサウンドノベルを推理ゲームと言うならば、
各シナリオの主人公たちの体験は、プレイヤーにとってのヒントにしか過ぎないというわけだ。
それがただの推理モノで終わらないのは、
1つ1つのシナリオの完成度と、個別だったはずのシナリオに隠された関連性が
劇中で熱く描かれているからだ。
そのドラマ性も高く評価したい。
ダブルキャスト
主人公=プレイヤー視点で物語が進行するので、一般的なシナリオと言える。
グッドエンドを迎えるためには、用意された選択肢で正しいものを選べば良い。
それが非常に難解なのは先に述べたとおりだが・・・
実は、ダブルキャストのグッドエンドは最凶最悪に意地悪なのだ。
まず、グッドエンドなのに複数ある。
しかもどれも釈然としない内容だ。
(なぜ釈然としないかは、3回くらい前に記事にしているのでそちらを。)
そう。
主人公の視点だけでは真の理解は難しいのだ。
シナリオ前半では、ヒロイン赤坂美月の好感度が下がらないような選択肢を選び、ジェノサイド回避に努める。
美月の好感度が低いと容赦なく殺されてしまうからだ。
シナリオ後半では、逆に美月に疑いを掛け、裏切るようなカタチで正体を暴く。
中途半端に真相に触れると、またしても殺されてしまうので
少しもスキを見せず、完璧にやらなければならない。
これでいずれかのグッドエンドになるわけだが、それは「シナリオ」を理解しているだけであって
「美月」を理解できていないのではないか。
そこが釈然としない部分だった。
では、美月を理解するためには?
ギャルゲーではないので、主人公の視点だけでは難解だ。
全ての選択肢を選んで達成率を100%にしても100%の理解は難しい。
最凶最悪に意地悪だと感じた点はそこだ。
そもそも主人公=プレイヤーというのがミスリードだ。
主人公視点だけで考えていても真の理解は得られない。
美月本人の視点で考えなければならなかった。
ドラマCDでは、本編中で語られなかった美月の本心などが聴けるが
本編だけでそこまで理解するのは不可能と言ってもいいと愚痴をこぼしたくなる。
そういった理解があって初めてグッドエンドの先が見えてくる。
今まではグッドエンドを見ても、だたの解決であって幸せがない。ハッピーエンドではない。
と思っていたが、視点を変えて見るだけで
ハッピーエンドに見える、もしくはグッドエンドの先にハッピーエンドを迎えられる確信、
といった妥協なしの結末を理解できたので良かった。
結論
総合的に見ると全然違うゲーム。
夏を感じさせる舞台という以外は全然違うシナリオ。
ホラー表現の1つとして、「女の子が豹変して狂気に走る」というものがあるが
それだけは共通している。
しかし動機や結果も全然違うので、表現が同じだった、としか言いようがない。
後出しのひぐらしが不利っぽいが、ヤンデレというジャンルが確立されてしまっている以上、パクリとは言い難い。
同じくネタバレを含みます。
視点
謎を解くためには、プレイヤーは情報を集めて推理しなければならない。
情報を集めるには、プレイヤーは物語の主人公たちの体験を見なければならない。
つまり、主人公たちの視点こそが情報源。
ひぐらし
表向きの主人公は前原圭一・・・なのだが、シナリオによっては別の人物が主人公になることもある。
先に説明したように、各シナリオはパラレルワールドなので
鬼隠し編の前原圭一と綿流し編の前原圭一は別の主人公とも言える。
この視点の違いを理解できるかがグッドエンドを推理するための最初の課題となる。
次に、各シナリオの「隠された分岐点」に気が付く必要がある。
しかし、ひぐらしは基本的には読むだけのサウンドノベルなので
当然その分岐点は選択肢として登場せず、プレイヤーは主人公を動かすことはできない。
そのシナリオの展開や結末が変化することはない。
「このとき、この主人公は、このように行動したから、こうなった」
というプレイヤーが選べない分岐点で、もしも違う行動を取ったら・・・?
一般的なサウンドノベルゲームなどでは、選択肢まで遡って「やり直す」ことができる。
やり直した結果、さっきはバッドエンドルートだったところが、グッドエンドルートへ変化するかもしれない。
それは、主人公の視点で考えた結果、行動を選択できるからだ。
ひぐらしではそれが叶わない。
用意されたシナリオは一本道で完結してしまっている。
その一本道で、もしも、違う行動を取れたら。
もしも、やり直すことができたら。
解答編で描かれているパラレルワールドが、それだ。
その正解へ至るための分岐点を見付けることこそがひぐらしの核心だ。
しかし意地悪なことに、この物語は1つの視点だけでは正解を推理できないようなシナリオだ。
さらに、毎回違う世界(パラレルワールド)だというのだから、
推理という言葉を用いていいものなのか怪しいくらいに難解だ。
同一時間軸上の事象を異なる人物の視点で体験する・・・というシナリオは珍しくないが
1つ1つの完結してしまっている個別のシナリオから、バッドエンドを辿ってしまうような誤った分岐点を見付け出し
グッドエンドへ向けての正しい選択肢を頭の中だけで考えなければならない、というシナリオは斬新だ。
このサウンドノベルを推理ゲームと言うならば、
各シナリオの主人公たちの体験は、プレイヤーにとってのヒントにしか過ぎないというわけだ。
それがただの推理モノで終わらないのは、
1つ1つのシナリオの完成度と、個別だったはずのシナリオに隠された関連性が
劇中で熱く描かれているからだ。
そのドラマ性も高く評価したい。
ダブルキャスト
主人公=プレイヤー視点で物語が進行するので、一般的なシナリオと言える。
グッドエンドを迎えるためには、用意された選択肢で正しいものを選べば良い。
それが非常に難解なのは先に述べたとおりだが・・・
実は、ダブルキャストのグッドエンドは最凶最悪に意地悪なのだ。
まず、グッドエンドなのに複数ある。
しかもどれも釈然としない内容だ。
(なぜ釈然としないかは、3回くらい前に記事にしているのでそちらを。)
そう。
主人公の視点だけでは真の理解は難しいのだ。
シナリオ前半では、ヒロイン赤坂美月の好感度が下がらないような選択肢を選び、ジェノサイド回避に努める。
美月の好感度が低いと容赦なく殺されてしまうからだ。
シナリオ後半では、逆に美月に疑いを掛け、裏切るようなカタチで正体を暴く。
中途半端に真相に触れると、またしても殺されてしまうので
少しもスキを見せず、完璧にやらなければならない。
これでいずれかのグッドエンドになるわけだが、それは「シナリオ」を理解しているだけであって
「美月」を理解できていないのではないか。
そこが釈然としない部分だった。
では、美月を理解するためには?
ギャルゲーではないので、主人公の視点だけでは難解だ。
全ての選択肢を選んで達成率を100%にしても100%の理解は難しい。
最凶最悪に意地悪だと感じた点はそこだ。
そもそも主人公=プレイヤーというのがミスリードだ。
主人公視点だけで考えていても真の理解は得られない。
美月本人の視点で考えなければならなかった。
ドラマCDでは、本編中で語られなかった美月の本心などが聴けるが
本編だけでそこまで理解するのは不可能と言ってもいいと愚痴をこぼしたくなる。
そういった理解があって初めてグッドエンドの先が見えてくる。
今まではグッドエンドを見ても、だたの解決であって幸せがない。ハッピーエンドではない。
と思っていたが、視点を変えて見るだけで
ハッピーエンドに見える、もしくはグッドエンドの先にハッピーエンドを迎えられる確信、
といった妥協なしの結末を理解できたので良かった。
結論
総合的に見ると全然違うゲーム。
夏を感じさせる舞台という以外は全然違うシナリオ。
ホラー表現の1つとして、「女の子が豹変して狂気に走る」というものがあるが
それだけは共通している。
しかし動機や結果も全然違うので、表現が同じだった、としか言いようがない。
後出しのひぐらしが不利っぽいが、ヤンデレというジャンルが確立されてしまっている以上、パクリとは言い難い。