チラシの裏

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ひぐらしVSダブルキャスト その2

2008年11月04日 17時12分51秒 | ゲーム全般
これは優劣を競うものではない。

なぜパクリと言われたのか。

実際のところ、類似しているのか。

それを比較検証するものである。大分いい加減に。

完全にネタバレです!!!

読んでしまうと面白さが損なわれます。



印象

ぱっと見、似ているかどうか。

ひぐらし

パッケージやタイトルからはいかにもなホラー臭が漂っている。

キャッチコピーは「惨劇に挑め」。

しかし、いざゲームを始めてみると・・・

冒頭は伏線ぽい謎めいた文章ではあるものの、

シーンが切り替わると穏やかな雰囲気で和気藹々としている。

昭和58年の夏を感じさせるよくできた舞台設定。

触りだけではとてもホラーに見えない。

ダブルキャスト

パッケージは、ギャルゲーに見えてもおかしくない。

不思議な女の子と出会うところから始まる、ボーイミーツガール的なスタート。

しかも女の子は記憶喪失ときた。

王道だがキャッチーな設定なのですぐに惹きこまれる。

1997年の夏という舞台設定。我々くらいの世代だと、思うところがあって感慨深いかもしれないw

しかし、やはり印象としてはギャルゲー臭が強い。

結論

「夏」ということ以外は似ていない。

しかし、要所で挿入されるひぐらしの鳴き声は、プレイヤーに強い印象を与えていることに違いないと思われる。

ゲーム性

アドベンチャーや、サウンドノベルなどのゲームでは

プレイヤーの選択によって展開が変化するという、選択肢形式が多く採用されているが。

ひぐらし

基本的にプレイヤーの選択によってシナリオが分岐したりすることはないが、(PS版などには分岐があるが。)

鬼隠し編、綿流し編などを始めとし、異なる選択肢によって起き得るパラレルな世界が複数描かれている。

要するに、各編の主人公がどう行動したかで分岐するシナリオを、パラレルワールドとしていくつか体験することになる。

そしてそれぞれは、共通する真実を含んだバッドエンドとして終幕する。

ただの一本道では終わらない斬新なシナリオだ。

しかし、これを「ゲーム」と呼ぶのは抵抗がある。

物語の主人公はプレイヤーではないし、プレイヤーにできることは読み進めることだけ。

制作側から言わせれば、この「ひぐらしがなく頃に」という題材を読み解いて真実を推理する、

というところが推理ゲームになっているとのことだ。

ダブルキャスト

選択肢もエンディングも数多く存在する。

選択肢ひとつひとつを取っても、フラグの設定が非常に細かく、

40週以上しないと全てのパターンを見られないというボリューム。

選択肢は、主人公=プレイヤーとなって物語を進めていくカギとなるものなので

まさに「やるドラマ」。

結論

僅かたりとも似ていない。

そもそも、ひぐらしはサウンドノベルでダブルキャストは選択肢付きアニメだ。全く異なる。

シナリオ(ホラー性)

恐怖演出がどう盛り込まれているのか。

ひぐらし

上記のとおり、少年少女たちの和気藹々とした学園風景からスタートするので

頬を緩め、なにも警戒することなく物語を読み進めていくことになるのだが・・・。

「時報」により一気に恐怖のドン底に叩き落される。

その極端な転調こそがひぐらしの怖さ。

優しかった仲間が突然豹変する怖さ。

殺人犯なのか、祟りによる呪いなのか、「分からない怖さ」。

主人公の周りは全て敵なのではないかという疑心暗鬼、

親友だと自覚し始めた学校の仲間を殺してしまう主人公、

最後は主人公も怪死・・・

これは最も印象深いとされる鬼隠し編を紹介したにすぎない。

他のシナリオもプレイヤー驚愕の惨劇が待っている。

真実が明かされるはずの「解答編」に入ってもしばらくは惨劇という悲惨さ。

しかし、全てを理解したとき、惨劇はホラーなどではなく、悲劇だったことが分かる。

ダブルキャスト

主人公(プレイヤー)が思慮に足りない行動ばかりしていると

犯人にナイフで刺されて死亡(バッドエンド)したり、

ジェノサイド編に突入して生還できなくなったり、

犯人の正体が分かっても殺されてしまったり、と、常に緊張が伴う怖さ。

ジェノサイド編に至っては、まさに殺戮の夜。ホラーそのもの。

血を見せられることになる・・・。

犯人の顔が一瞬映り、笑い声で終幕する狂気のバッドエンドは背筋に冷たいものが・・・。

その顔は、どう見てもヒロインの女の子。

主人公(プレイヤー)はドン引き。

なぜヒロインが豹変するのか、その謎解きも踏まえて選択肢を思慮深く選んでいかないと

グッドエンドには辿り着けない。

結論

ヤンデレ。

なるほど、キャラクターの豹変ぷりだけを見ると同じ怖さがある。

最初は穏やか、突然転調して惨劇、という展開も似ている。

ダブルキャストはひぐらしよりも前に発表されている作品なので

ホラー性だけを見れば厨房に「ひぐらしはダブルキャストのパクリ」と言われても不思議ではない。


次回へ続く。