ギコバン日記

伊藤工設計代表 伊藤 博範の日記。家づくりのお役立ち情報を発信。

思い出の建築2 カマキン

2017-03-28 13:10:44 | 思い出し日記

通称カマキンは神奈川県立近代美術館 鎌倉です。





1951年11月17日、鶴岡八幡宮の敷地内に日本で最初の公立の近代美術館として開館しました。
平家池にせり出すように建てられ、建物2階部分を「ピロティ」として呼ばれる列柱群が支える形式をとっています。

「ピロティ」と言えば、ル・コルビジェですが…。

設計者はル・コルビジェの弟子にあたる板倉準三さんです。

材料の使い方、見せ方、手摺りのDT…。
天井に写る水面のゆらぎは最初から考えていたのか…。

板倉さんの設計ですがル・コルビジェそのもののように思える建物です。

すごいな~この師弟関係…。

このコンペには前川國男さん、吉村順三さん、谷口吉朗さん、山下寿郎さんが指名されていました。審査委員長は吉田五十八さん。すごいメンバーです…。








二年前、品川での勉強会のついでに鎌倉のアジサイを見に行ったついでに寄りました…。
アジサイも良かったのですがここが一番良かった!

残してもらいたい…。


吹き抜けは必要か?

2017-03-22 11:16:05 | 家づくり
20年前の家の玄関にはよく吹く抜けがありましたが、今は住宅雑誌にリビング階段が多く取り上げられているせいか、それが普通のごとく存在する時代となりました…。

大御所のA建築家は「吹き抜けのない家は家ではない!」とまで言っています。
自然素材に薪ストーブの家には大体吹き抜けがセットで写真に載っています。

リビング吹き抜けは寒くないのか?
いや、薪ストーブなので大丈夫!
だって気持ちいいでしょ!この開放的な空間…。

さて、リビング吹き抜けは必要でしょうか?
問題はないでしょうか?



イメージ的には気持ちいい空間がすぐ想像できます。
自然素材系の工務店・設計事務所はよく「木」や「薪ストーブ」を使いたがりますが…。
「自然」の言葉を利用するとなんでもよく聞こえてきますが…。

考え方としては国語的(イメージ)なものだけでみるのではなく、算数的(実験・数値)なことも含め考えなくてみたいと思っています。






【気密はしっかりとる】
吹き抜けを設けるうえで気密はしっかりとらなければなりません。

冬の朝、キッチンでお湯を沸かすと湯気が上昇していくのが想像できると思いますが暖房も暖めた空気は軽くなるので上がっていき、上部に隙間があるとそこから熱が逃げてしまいます。
逃げた分だけ冷気が下から入ってくるので、暖房するほど寒くなる!ということになります。

東大の前先生のサーモ画像では、高気密住宅と低気密住宅で薪ストーブ暖房を行なった比較の画像をみると低気密住宅では暖気が上方からどんどん逃げる一方で、下から冷たい漏気が浸入してくることが画像で分かります。

また、CFDシミュレーションの画像では高気密の場合エアコン暖房の温風が床下にまで届いていますが低気密の場合、床下まで温風がとどかず、床下一面が冷たい画像になっています。

やはり、空気の流れを止めないといくら暖房しても、たくさん断熱材を入れても隙間があると機能しません。

断熱材は繊維や樹脂で空気を絡めて止めているからこそ、熱を通さない「断熱材」になるのです。

自然素材系の工務店・設計事務所は気密が高いとよく「息が詰まる」や「雨合羽を着ているようだ」とよく言います。

気密のとらえ方を間違っているような…。

計画換気をするには気密がしっかりとれていないといけません。
とれないと汚染空気が部屋の中に滞留することになります。

【暖房はどうなのか?】
通常のリビング(天井高さ2.4m)ではエアコン暖房できても吹き抜けは空間が広い分だけ熱負荷が大きくなり、床面に暖気が届かず温度ムラが大きくなってしまいます。

吹き出した空間は高温で軽いので、上方に広い空間が開けていると簡単に舞い上がってしまいます。

エアコンの温風を床まで届かせるためには、温風の温度を控えめにして風量で稼ぐ方が有利ですが風量が大きくなると不快に感じる方は多いと思います。

しかし温度を上げると空気がさらに軽くなって床に届きません…。

それでは床暖房が良いのでは?
温度ムラの少ない環境を創り出すことはできますが…。
床暖房は瞬時の加熱能力が限られるので立ち上がりが遅く、エアコンと比べるとエネルギー効率が低いのです。

床暖房だけで吹き抜けリビングをまるまる暖めることは困難と前先生は言っています。

そもそも「人のいない」上部空間を暖めること自体がムダでしょうか?

無用な熱負荷の増大を招いていることは事実です。必要な場所を必要なだけ暖房する方が省エネにはなりますが…。

【ダイレクトゲイン】
窓から太陽熱を直接取り込むことをダイレクトゲインと言います。

弊社のモデルハウスにも吹き抜けを設けました。
冬の陽射しから無料のエネルギーをもらいたい。
空の青をみたい。
家の中心(芯)で各部屋がつながっている…。

吹き抜けの窓はタタミ2枚分の大きさで約400Wのエネルギーをいただくことができます。
電気ストーブ1台分です。

【エアコン暖房がいい?】
リンゴのような、家の中心(芯)に吹き抜けがあり、各部屋がそれでつながっている家は全館暖房のエアコン暖房をお勧めします。

ブドウのような廊下で個室がつながっているような家は間欠暖房の方が省エネになると思います。

暖房器具は家族構成や間取り、家にいる時間によって変わってきます。
今まで利用してきたものも基準になってくると思いますのでいろいろ検討は必要です。

基本は断熱と気密をしっかりとる。
できればQ1住宅を目指したいところですが…。
UA値0.46、0.42レベルは最低ほしい所です。このぐらいであれば少しの費用UPですみます。

弊社の計画では南側隣地に高い建物があるような場合は必ず吹き抜けを設けています。
吹き抜けから見える青い空はとても気持ちがいいもので今まで陽射しが入ってこなかった場所に陽が入ることは大変気持ちのいいものです。

大御所の建築家が「吹き抜けがない家は家ではない!」と言ったことがよくわかります…。





近木職GGセミナー2903

2017-03-18 14:37:59 | 近木職GG
3/17(金)は国交省地域型住宅グリーン化事業にてグループを形成している工務店さんと勉強会を行ないました。





内容は…

1.トップランナーの紹介
・須田賢司さん(人間国宝の木工芸作家)
板と板を組み合わせて小箱や家具などの調度品をつくる指物の家に生まれ、3代目に当たります。2014年、60歳で人間国宝に認定されました。
本格的に制作に取り組み始めた25歳のとき父を亡くし、分からないことが出てきても、聞く人がいません。答えを見つけるためには、造り続けるしかないと…。

・池原正樹さん(モルタルマジック 代表取締役)
鳥取砂丘のモアイ像、冨士山の砂でつくった富士山等、各地の砂や土などを固めたお土産つくりで全国展開を目指している会社です。
もともとは建築業でしたが事業転換し、材料の質感を残したまま固めることができる接着材を開発しました。ごく少量で固められる驚異的な能力にはJAXAも協力し、月面での建物つくりに応用できないかと共同研究しています。

2.経営・営業スタイル
・自分と社員のUSPを考えよう(宿題)
自分を一言で表してみよう!
・経営理念をつくろう(宿題)
何の為にこの仕事をしているのか?、それは自分でなければならないのか?

3.マーケティング・ブランディング
・応援される工務店とは何かを考えました。
・他社の家づくりに対しての考え方・思い

4.各部会から報告
・技術部会より
有住さんから気密工事の施工方法を解説していただきました。
・ 維持管理部会より
短期保証の内容について掘り下げて考えたことを報告してもらいました。


18時から20時までの約2時間の勉強会となりました。
今回は新しく柴田町の工務店さんに参加していただき、次も参加したいとのことでした。

仲間が増え、情報を共有できることはありがたいことです。
これからもみなさんの刺激になれば幸いです。

思い出の建築1 ホキ美術館

2017-03-13 13:03:12 | 思い出し日記
2013年の5月に行ってきました。
東京駅から快速電車でTDLを眺めながら1時間!




震災前後に新聞一面のオープン広告で知りました。
30mも建物が突き出ていて、下に柱がありませんでした…。







それを確かめようと東京にいた長女も誘い見学してきました。

やはり柱がありません。
空中に浮かんでいる?突き出しています。

突き出している先端に行って、ジャンプ!
同じタイミングで長女もジャンプ!
不思議だな~








建物の外をぐるぐる。中もぐるぐる。
見るところがたくさんあり、疲れるけど疲れない…。

展示されている写実絵画も素晴らしい!
学生さんには一度体験することをお勧めします。

近木職会議1703

2017-03-11 09:09:17 | 近木職GG
3/10(金)、18:30から、モデルハウスにて近木職会議を行ないました。
2カ月に1回の業者全体会議になります。


今回の内容は…

1.地域工務店の生き残りのヒントとして
・士魂商才の工務店とタラレバ工務店・社員
海賊と呼ばれた男、出光さんの唱える武士の魂を持った商売と予定とは異なることを仮定してする、後悔しても仕方がない話、「もし~していたら」、「もし~していたとすれば」の思考を比較してみました。

・緊急度が低く、重要度が高いタスクへの時間配分を大切に!
目の前の仕事も大切ですが…。
緊急度は低いけれど重要度が高いタスクへの時間配分は未来の仕事をつくります。
情報発信、資格取得、健康維持のための運動、イベント、メンテナンス訪問!継続することが大切。

・必用なのは対処ではなく予防!
家づくりは建物完成がゴールではなく、そこからがスタート!の業界です。
一部の心無い方が混じっているとすべての努力が一瞬にして無くなります。
そうならないようにするにはどうするか!




社員だけで家はつくれません。
家づくりにかかわるすべての業者・職人さんも会社と同じ理念で行動してもらいたく話させてもらいました。

2.設計進捗状況
・設計打ち合わせ状況と契約報告をさせてもらいました。
・土地情報の協力を呼びかけました。

3.工事進捗状況
・東松島市:大工工事が終了して、内装工事がはじまりました。
・西中田:外壁工事中、内装工事がはじまります。
・荒井西:基礎工事が終了して、3/中頃から土台敷きがはじまります。
・富谷市:3/末頃から解体工事がはじまります。
・その他の工事
・今月の点検
・ステップアップ現場改革
現場改善の必要性
良い現場と悪い現場の比較をしました。

4.活動等
・イエココロ(住宅雑誌)春号(2/12発売)に掲載されている旨を報告しました。
・3/22(水)13:30よりパナソニックショールームにてお料理体験会を開催の報告。
・4/23(日)10:00より伊藤工設計モデルハウスにて家づくりセミナー開催の報告。





5.その他


最後に経営理念を読みます。

一、低価格で高品質な家づくりを目指し、社会に貢献する
人・環境にやさしく、丈夫で長持ちする、安くていい家を提供していく。
一、若い職人、社員を育て、次の世代へつなげる
夢を生きることに自信とチャンスを与え、「地域循環型家づくり」ができるような環境を整える。
一、「元気」と「笑顔」が生まれる家をつくる 
みんなが幸せになれるよう、お互いに利益を得る家づくりを目指し、健康で安心
して暮らせる家をつくる。


みなさんの大切な時間を削って来てもらっています。
説明・報告する側も会議の内容を充実させなくてはと思っています。


せんだいデザインリーグ2017へ行ってきました

2017-03-09 13:44:29 | 
休日の午前中はランニングとアイロンがけ!

一週間ぶりのランニングとなってしまったのでゆっくり走ろうと思っていやのですがタイムは6分40秒/kmと、いつものペースに…。

戻って来て、午後から出かけるので一週間分のアイロンがけ!


午後は次女の引っ越し準備の買い物と仙台メディアテークへ



仙台メディアテークでは今、せんだいデザインリーグ2017卒業設計日本一決定戦を行っています。
全国の優秀な学生さんの卒業制作が集まってきて、そこから日本一を決めます。



作品を観てきました。


自分で課題を決め、作品をつくりあげていきます。
どれもすばらしく、どれだけ時間がかかったのか…。









これだけの大作を完成させることは、今後の仕事に活かされるのは間違いありません。

沢山の作品を拝見しましたが午前中のランニングもあり足が作品に追いつきません。


さて、私の論評は…。



【2つの記憶】

25年ぐらい前でしょうか?
仙台メディアテークの設計コンペがあり、仙台市役所内に模型が展示されていました。

かなり数の模型です。
どれがいいのか自分で審査?したことを覚えています。

設計競技ですがその当時としては珍しく、誰の設計かわからない名前を伏せての競技だったと思います。

数が多いので何が何だか…。

その中で一点だけ気になるものがあり、じっくり覗いていたのを覚えています。

周りの模型に比べたら貧相でした。
こう言ったら失礼に当たりますが実際そうでした…。

海の中をイメージしているようでワカメがゆらいでいるような?

7層ぐらいの空間が床と思われる板状がありそのつなぎ(柱にあたる部分)をひも状(ハンモックのような網)で模型の建物がつられていたと思います。

吊る?

床板が薄く、上からつられているようなイメージを持った建物…。
海中にいるような、ワカメのような、ゆらぎ…。

衝撃的でした。
これは無いな!建築できない…。
私の想像を超えていました。

その時見た模型が今の仙台メディアテークです…。


東松島市の旧野蒜駅近くの施設に震災後、海外の学生の設計課題が展示されていました。
野蒜地区の復興計画を各自が考え、提案していました。

約20点はあったと思います。

どれも秀逸で表現の仕方がファンタスティック!

図面ではなく絵です。
A2サイズぐらいの絵(図面)が5~7枚ぐらいあったと思います。
文字がわからなくても理解できます。
まるでキレイナ絵本のようでした。

素晴らしい表現力です。
そこからは学生の復興への思いが十分伝わってきました。


設計の究極は何も書かない、模型を造らないで伝えることです。
でも、これは逆に難しい。

キレイにつくることや最後まで成し遂げることはこれから仕事をする上で最低限求められることではありますが…。

つくること・仕上げることに時間がとられているように感じました。

模型や図面がキタナクテモ…。

「ジブン」の考え方がうまく表現できていればもっといいのかと…。

課題と向き合って、悪戦苦闘することは最大の成長です。

これからは「課題」から「仕事」に変わります。
社会人になってからの成長が楽しみです。

現場状況

2017-03-06 10:12:26 | 現場
【荒井西】



先月、地鎮祭を行ないましたが…。もう少しで基礎工事も完了という所まできました。
3/17から土台敷き、3/21に建て方を予定しています。


【西中田】



来週から外壁工事が入る予定です。
天気が味方して、順調に進んでいます。


【東松島】



外壁工事も終わり足場がとれました。
大工工事もほぼ完了!
これから内装工事、住設工事です。

近隣周辺も一気に家が建ち、街並みが形成されつつあります。