ギコバン日記

伊藤工設計代表 伊藤 博範の日記。家づくりのお役立ち情報を発信。

二週間ぶりの瓦屋さん

2011-03-28 12:59:56 | 日記
二週間ぶりに瓦屋さんが事務所に来ました。


やっと連絡が取れたのは震災一週間経ってからでした。

屋根の上で仕事をしているとのこと。

元気がありません。
バカなことを言っても乗ってきません。



多賀城に住んでいる瓦屋さんは消防団員です。
地震があった時、自宅の近くで仕事をしていたそうです。
すぐ家に戻り、車で末の子どもを迎えに出ると、信号が点かなく大渋滞。

その時、津波の情報が…。
また家に戻り車を置いて走って迎えに行ったそうです。

たまたま道路で子どもと会うことができ、遠回りして帰宅。

すぐさま、消防小屋へ。

後ろを観ると津波が…。

ゴムボートを急いで出し、救助活動を行いました。

一晩中、寒い、冷たい津波の中、
コンビナートの爆発音が鳴る中の救助活動は想像を絶する…。

何人か助けたそうです。
救助した人は冷たい水に濡れて動けず、助け出すには大変だったようです。
自分の体も濡れていて冷たいのですが、それすら感じなかったと言います。

助けた方をロウソクの明かりが灯る家に預け、また救助活動。

夢の中の出来事か?
何度もそう思ったそうです。

一週間、休まず救助活動を行いました。

休む間もなく次は仕事。
瓦屋根が崩れた所の仮養生へ。


震災の前の日、近・木・職会議がありました。
終わってから長男が東北大学に合格した報告を受け、内輪で喜んでいました。

その息子達(二人)も父親の仕事を手伝いました。

会議が終わってから渡した見積もり図面は津波でどこかに行ってしまいました。

顔からは体の限界がみてとれます。

とても
「早く瓦屋根をなおして!」とは言えない状況です。

・・・言えません。

こんな活動をしているので瓦屋さんには差し入れが多く、今回の震災では食べ物には困らなかったそうです。近隣の人に感謝していました。

二週間ぶりの風呂に入れることを楽しみにしていました。

ご苦労さま、お疲れさまでした。

震災から

2011-03-26 13:47:48 | 日記
最初に、
震災で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

そして、必ず復興することを目標に、更なる気概をもって仕事に臨みたいと思っています。



23日、建具屋さんのいる多賀城明月に行ってきました。
多賀城イオンの東側です。

想像を絶する、すごい光景が広がっていました。
カメラは持っていたのですが…。
シャッターを押せません。…。




地震が起こった時は事務所にいました。

古い事務所なので次の大きい地震があれば、ある程度の覚悟はしていました。
その隣にある築50年の母屋もそうです。

今までの地震より少し強く、長い地震でした。
事務所や近くの建物の揺れを確認するため、外に出て後藤くんと揺れを見ていました。

近くのプレハブの鉄骨階段や石塀が崩れる中、事務所や母屋は何とか踏ん張っていました。

古い耐震基準で建てられた家ですが倒壊しませんでした。
母屋の棟瓦が落ちてはしまいましたが余裕で建っていました。
自宅は珪藻土壁のひび割れしている所が少し大きくなりました。

地震は普通より大きいかな~
ぐらいに思っていました。

が、電気が消えました。
携帯電話で見るTVで津波が仙台空港を…。でもよくわかりません。
バッテリー確保の為、あまりみることができず、情報が入ってきません。

夕方18時に妻と次女が東京から仙台に特急バスで帰って来る予定でした。
何回かけても連絡が通じません。
横転しているのか?

名取は、松島は、東松島は、気仙沼は…。



妻とやっと連絡が取れたのは次の日の深夜2:30と早朝6:00。
7:30に仙台駅に迎えに行くことができました。

お客さん、業者さんとは連絡がとれません。

パソコンのメールが通じたのも3/17木でした。


震災後の前半は安否確認。
それから瓦の仮養生・復旧手伝いなど。
後半はお客様の家へ。

床上浸水されたお客さまもいました。


たくさん方から瓦修理の依頼を受けましたが…。
人数が限られています。すぐに伺うことができません。

瓦が落ちて、どこに頼んで直してもらったらいいかわからないという電話もありました。

できれば建ててもらった所に問い合わせしてもらった方がいいのですが…。

たぶん、建て売りで家を購入した。
前つくってもらった工務店が廃業した。
どこで建ててもらったかわからない。という方も多かったと思います。

私たちもお客さまの顔がすぐ思い浮かべることが出来ない場合があるのが残念です。

今後の課題です。

そして、余震の来る中、素人の人が応急処置をやるよりは職人さんが仮にでもブルーシートを張ったほうがいいのですが、大工さんだって命がけです。そのこともご理解いただきたいと思います。




限界も感じました。
せめて、あと2倍の人数がいれば何とかすぐ伺うこともできましたが…。
これも今後の課題です。

瓦の修理は1年待ちだそうです(予定がたたない)。
人がいません。人を育てていません。
人がいないのは人を育てていないから。
人を育てることができないのは社会の倫理やシステムが…。

理由にしてもしょうがないです…。



建具屋さんから…
作業場の片づけをするので一輪車があれば貸してほしいとのこと、ガソリンと車を入手したら取りに行きたいということでした。

大変だからこっちから今持って行くからと、行ってみたら…。

到着するまでに景色が変わっていきます。道路があってないような…。
タンクローリーが家に突っ込んでいるし
アパートが360°回転して10メートル離れたところに建っているし

奇跡的に作業場と家は建っていました。
津波は1階の天井まで来たようです。
天皇陛下からいただいた勲章と賞状も汚れてしまいました。

そんな中、一人で黙々と作業場を片付けていました。

近・木・職メンバーで一緒に片付けたいと思っています。
メンバーの方、ご協力お願いします。

3月3日のこと

2011-03-08 13:31:15 | 日記
長女は東京から2/28に帰って来て、3/4には東京へ戻って行きました。
2月中から4月中まで大学は春休み…、なのですが週末のバイトの為に戻っていきました。
バイト代は私のこずかいの3倍以上稼ぐ?ようです。

帰る前日の3/3、母も妻も用事で出掛けたことで、二人で遅い昼食をとりました。
いつものラーメン(500円)です。それに餃子とライス(200円)を!

母が孫に食べさせたいと、昨日の昼も餃子でした。
今日は、食べ比べの、迎い餃子だ!

軍配は昨日の餃子へ。食材も気持ちも?違っていた…。


その時、少し話をすることができました。

東京はラーメンのおいしいお店がたくさんあるのだけれど、全然行ってないことや
友達がこの春休みを利用して一人で欧州を旅していること…。
浪人している同級生の受験の心配…。
友達と広島に旅行しに行くこと…。

「いいな~」と思ってしまいました。
この時期しかできないような体験を、今、していることに!


思えば…。
小さい時からどこかに連れて行ったことは、あまりありません。

土日は仕事。
お盆休みも仕事。

運動会ですら…。半分観たら良い方です。

自分の親もそうでした。休みなどありません。旅行に出かけたことは記憶がありません。

自分の子どもには…と思っていたのですが…。

もう少し…。いろんなところへ連れて行きたかったな~。
もう遅いです。反省

その代わりではありませんが東京の大学へ。
いろんな人がいる、いろんな考え方がある、東京へ。
できれば世界も見せてやりたい!



満腹食べた遅い昼食でしたが、この日は早い夕食になりました。

母屋の和室12帖ある茶の間の座卓は、いつもより少し華やかです。
手巻きずしの具が並べられています。


私がそこに行ったときにはすでに食べ始めていました。
お腹の満腹感で「もう少し遅くても」と思っていた私が遅かっただけなのですが…。

お雛様は茶箪笥の中に何時からか飾るようになりました。
古くなって鈍くなったオルゴールもあります。

嵐の番組を観ながらの食事です。

昼、あれだけ食べたのに…、ドンドン入ります。
お腹が苦しくなってきました。
かなり食べました。

具材が残ってしまったので最後はみんなで均等に!また一押しこみ!
食べました。

遅い昼食と早い夕食で座っているのも苦しくなってきました。
とうとう、こたつに大の字です。


目をとじて…。

いろんな音・声が聞こえます。

次女はTVを観ています。(きっとにやけ気味です)

妻と長女は台所で洗い物をしています。(はっきり聞こえませんが予定とか話しています)

母は500円硬貨用の貯金箱をあけています。(孫にこずかいを渡す準備が始まりました)

目を閉じても、日常の音が聞こえます。
家族が何をしているかがわかります。

いいな~。

お腹と心の満腹感が眠りを誘います

断熱と気密

2011-03-03 09:25:27 | 日記
先週の金曜日と今週の月曜日にご契約を交わし、これから工事をさせていただきます。
よろしくお願いします。

今は書類をつくっています。

地区計画の届け出、文化財の申請、特別名勝松島、確認申請、長期優良住宅のノミネート、長期優良住宅の認定、資金代行手続き。

忙しくさせてもらっています。



さて、また寒くなって冬に逆戻りしています。
この前は12℃ぐらいあったのですが…。

この寒い時に実感する、断熱と気密について書いてみます。

基本は気密と断熱をしっかりとる!これがセットです。
そのことによって省エネルギーで暖房や冷房ができます。

「いやいや自然が一番なんだ!自然のエネルギーを利用して暮らすのが一番だよね!」
と言う方もいるでしょう。その通りです。

自然素材系の住宅会社で多く取り入れているのが屋根面に集熱機能を持った設備を取付け、冬場日中の熱を床下の土間コンクリートに蓄熱し、夜放熱する…。
いいとは思います。

でもこのレベルであれば建物中央に吹き抜けを設け、日中の熱を壁や床面に蓄熱しておくこととあまり変わらないのでは?

自然のエネルギーは嬉しいです。
お金はかからないし。当社も利用しています。

でも、3日曇りの日が続いたらどうするのか?という問題もありますので…。
暖房はいずれも必要になってきます。


また、暖房器具の温度表示が20℃あるのに寒い!
そう思ったことはありませんか?

それは壁の温度が低いからです。壁温度が10℃とすると
(20+10)÷2=15℃、この15℃が実際の温度になります。

冬場長期間家を不在にし、久しぶりに暖房をつけても、なかなか温かくならない。温度表示は20℃なのに暖かくないのはそのせいです。
表面温度が上がらないために、体感温度が低下するからです。


そして、高気密高断熱の暖房は全室暖房が基準です。
長期間不在の場合を除き暖房は止めないほうがいいのです。

暖房を止めたりつけたりすると、高気密高断熱本来の暖かさを体感することができないばかりか、暖房を止め室温が下がると、窓や押し入れなどで結露が起きやすくなると言われています。

人がいる部屋だけを必要に応じて暖房する今までの住宅では、暖房している部屋に面している暖房していない壁の表面温度が低いため暖房温度を必要以上に上げなければ寒く感じました。

使わない部屋の室温を保つことで温度差がなくなり暖かさを感じられるのです。

また、違った暖房方法として床下にエアコンを設置し、深夜電力で基礎の土間コンを暖める方法もあります。


基本は気密と断熱をしっかりとることです。