「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律」が6月16日、
衆議院本会議において原案どおり可決・成立。同月24日、令和2年法律第62号として公布された。
同法は、マンションの老朽化等に対応してマンション管理の適正化の推進、
マンション再生の円滑化を図るため、政府が2月28日に閣議決定し、
国会(参議院)に提出。参議院では4月10日の本会議で可決され、
6月16日の衆議院本会議で可決・成立したものです。
改正法では、マンション管理適正化法に関して、
① 国による管理適正化推進のための基本方針の策定(改正後の同法3条)、
② 都道府県等によるマンション管理適正化推進計画の作成(任意、同法3条の2)、
③ 管理組合に対する助言・指導等の実施(5条の2)、
④ 上記②の計画策定の場合、管理組合が作成する個々のマンションの管理計画の認定(5条の3~5条の13)、
⑤ マンション管理業の登録の欠格事由・取消事由に「暴力団員等」などを追加(47条)
という措置が盛り込まれた。
マンション建替円滑化法に関しては、
① マンションの除却の必要性に係る認定対象の拡充(改正後の同法102条2項)、
② 団地内の要除却認定マンションの敷地または
その借地権の分割を共有者の5分の4以上の多数決により可能とする制度の創設(115条の4)などが講じられた。
上記①の新たな対象としては
「外壁の剥落等により危害を生ずるおそれがあるマンション」
「バリアフリー性能が確保されていないマンション」などが追加されました。
改正法は原則として公布日から2年内の政令指定日に施行、です。
以下は、法案時点のものを掲げます。
「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律」の公布~マンションの管理の適正化と再生の円滑化を推進します~
マンションの老朽化等に対応し、マンションの管理の適正化の一層の推進及びマンションの建替え等の一層の円滑化を図るため、
都道府県等によるマンション管理適正化のための計画作成、
マンションの除却の必要性に係る認定対象の拡充、
団地型マンションの敷地分割制度の創設等を内容とする
「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律案」が
閣議決定されました。
1.背景
築40年超のマンションは
現在の約81万戸から
10年後には約2.4倍の約198万戸、
20年後には約4.5倍の約367万戸となるなど、
今後、老朽化や管理組合の担い手不足が顕著な、
建設後相当の期間が経過したマンションが急増する見込みです。
老朽化を抑制し、周辺への危害等を防止するための維持管理の適正化や、
老朽化が進み維持修繕等が困難なマンションの再生に向けた取組の強化が
喫緊の課題となっています。
こうした状況の中、地方公共団体の役割の強化によって
マンションの管理の適正化の推進を図り、
また、維持修繕が困難であり建替え等を行う必要があるマンションの
再生の円滑化を図る必要があります。
2.概要
(1)マンションの管理の適正化の推進に関する法律関係
[1] 国による基本方針の策定
〇 マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針を策定
[2] 市区(町村部は都道府県)によるマンション管理適正化の推進
〇 基本方針に基づき、
マンションの管理の適正化の推進を図るための計画(マンション管理適正化推進計画)を策定(任意)
〇 管理の適正化のために、必要に応じて、
管理組合に対して指導・助言等を実施
〇 マンション管理適正化推進計画を策定した場合に、
管理組合が作成する個々のマンションの管理計画を認定
(2)マンションの建替え等の円滑化に関する法律関係
[1]除却の必要性に係る認定対象の拡充
〇 除却の必要性に係る認定対象に、現行の耐震性不足のものに加え、
外壁の剝落等により危害を生ずるおそれがあるマンション、
バリアフリー性能が確保されていないマンション等を追加
[2] 団地における敷地分割制度の創設
〇 要除却認定を受けた老朽化マンションを含む団地において、
敷地共有者の4/5以上の同意によりマンション敷地の分割を可能とする制度、を創設。
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