5道県議会で予算案に異議=統一選にらみ独自色-民主系会派
今年2月から3月にかけて開かれた都道府県議会で、北海道、千葉、三重、香川、福岡の5道県の民主党系会派が、自治体側の提出した2010年度当初予算案に対し、修正案を出したり反対したりして、「異議」を唱えたことが時事通信社の調査で分かった。全国学力テストの手法や八ツ場ダムの工事費用などを問題視。同会派は来春の統一地方選挙をにらみ、国政と連動して独自色を強めつつある。
調査によると、民主系会派は、全国学力テストの手法をめぐり、北海道で組み替え動議、福岡県で修正案を出した。千葉県では前原誠司国土交通相が建設中止を表明した八ツ場ダム(群馬県長野原町)について、本体工事費を含む周辺自治体の建設負担金が計上されているとして反対。香川県では高校無償化、三重県では県立医療施設の改革をめぐり、それぞれ修正案を出した。
福岡では、国が抽出方式に変更した全国学力テストで、県が独自に全校実施を計画。民主系会派はこれに反対して修正案を出し、経費の減額を求めた。修正案は否決されたが、予算案以外の一般議案も含め、同県議会での修正案の採決は43年ぶりだった。
福岡県議会の民主系会派幹部は「(国政の)政権与党として態度を明確にする必要性もあった。来春の統一地方選挙に向け、独自色を出す狙いもある」と強調している。
◇2010年度当初予算案に対する都道府県議会の民主系会派の動き
北海道 全国学力テストの抽出分以外の学校に対する調査費用を外すなどの組み替え動
議提出
千葉 八ツ場ダム本体工事費用が含まれているとして反対
三重 県立医療施設の独立行政法人化をめぐる修正案提出
香川 高校無償化に伴う私立学校の授業料補助の増額などを求めて修正案提出
福岡 全国学力テストの抽出分以外の学校の調査費用を外す修正案提出
(2010/05/10-09:25)