ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ジャンヌ Jeanne,the Bystander」

2019年04月12日 | 書籍関連

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ロボット工学3原則

第1条:ロボットは、人間に危害を加えてはならない。又、其の危険を看過する事によって、人間に危害を及ぼしてはならない。

第2条:ロボットは、人間に与えられた命令に服従しなければならない。但し、与えられた命令が、第1条に反する場合は、此の限りで無い。

第3条:ロボットは、前掲第1条及び第2条に反する恐れの無い限り、自己を守らなければならない。
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SF好きならば常識として知っているだろうけれど、生化学者にしてSF作家でも在ったアイザック・アシモフ氏が、自身の小説の中で記した“ロボットが守るべき3原則”だ。此の三原則は、後に生み出された多くの作品に影響を与え、「『鉄腕アトム』のロボット法」も其の1つ。

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「私は、自律行動ロボット3原則に逆らう行動は出来ません。」。

人口が5千万人減少した2060年代の日本では、ロボットの存在は珍しい物では無くなっていた。

或る日、警視庁刑事・相崎按人(あいざき あんと)は“在り得ない”現場を目撃する。政府主導で開発された家事用人間型ロボットが主人を殺害し、風呂場で其の死体を洗っていたのだ。

“ジャンヌ”と名付けられた其のロボットにも、人間に危害を加える事を禁じる 「自律行動ロボット3原則」が組み込まれ、絶対に人を殺せないだった。

バグが疑われたが、科捜研での検査では異常無し。急遽、製造元のJE社への護送を命じられた相崎は、道中、謎の武装集団の襲撃に遭う。其の絶体絶命のピンチから相崎を救ったのは、何とジャンヌだった・・・。
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河合莞爾氏の小説「ジャンヌ Jeanne,the Bystander」は、2060年代の日本を舞台にしている。“人口減社会”に入った日本だが、今年1月1日時点での人口(概算値)は約1億2,632万人と報じられている。此の小説の世界は約40年後という設定だが、日本の人口は今の半分以下の約5千万人。此処迄人口が減ってしまうと、を維持する、(今と比べて)大きな変化が起きている。“極端なコンパクトシティ化”や労働力人口不足を補う為のロボットの一般化等だが、人口減社会が極端に進めば、こういう懸念も出て来るのか。唸らされる人も多いだろう。ネタバレになってしまうので書かないが、此の作品の大事なポイントだ。

そして、もう1つの大事なポイントは「『ロボット工学3原則』を下敷きにした『自律行動ロボット3原則』では、人間に危害を加える事は絶対に許されていないのに、ロボットのジャンヌは何故、人を殺してしまったのか?」という疑問を解いて行く過程で、「ロボットとは何なのか?」、「人間とヒトとの違いは?」、「人間は殺していけないなら、動植物は“殺して”も良いのか?」、「生命の存在しない物、石やロボットは殺しても良いのか?」等々、“人間の領域で答えを出すのは難解な問題”を、“哲学的とも思える見地”から解き明かして行っている事。“哲学的”と書いてしまうと、小難しそうに感じられるだろうが、全然そんな事は無く、又、自分を含めた人間(又はヒト)という物を、改めて見詰め直す機会にもなる事だろう。

SF作品としてもミステリーとしても面白い。総合評価は、星4.5個とする。

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2 コメント

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Unknown (悠々遊)
2019-04-13 00:20:15
こんばんは
giants-55さんの評価で4.5とは相当高いですね。
SFでも近未来物はあまり好きなほうではないのですが、読んでみたくなりました(笑)。
人口減少を「悪いこと」としてとらえる風潮がありますが、果たしてどうなのかと疑問に思うことがあります。
確かに現在から半減することは国力の減衰ととらえることもできますが、むしろ現在の人口の方が国土の平地面積に対して異常に多いといえるでしょうね。
江戸時代末期まで日本の人口は概ね3000万人以内で推移していて、明治の終わりごろにようやく5000万人を超えているぐらいです。

それで国にとって何か不都合があったのか?
むしろ問題なのは年齢人口の逆ピラミッド型の方で、増える一方の非生産人口と減る一方の労働人口の問題であって、決して人口減が問題ではないはず。
問題の原因がはっきりすれば、外国人労働者に頼るか、お勧めの本のようにロボットに頼るかの選択になるのでしょうね。
>悠々遊様 (giants-55)
2019-04-13 01:04:50
書き込み有り難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

映画や書籍関連の総合評価、最近は少し甘くなっている様な気もしているのですが、此の作品に関しては迷い無く「星4.5個」としました。記事の中でも触れた様に、「哲学的とも思える見地から、様々な問題を解き明かして行っている。」所が自分の琴線に触れたし、「人間とヒトの違いという物を、自分形に考える一助となった。」からです。

「ピンチはチャンス。」という言葉が在りますよね。多くがピンチと思っている状況でも、其の状況を逆手に取ってチャンスに変える人が居る。人口減少もそうで、「渋滞問題解消」や「1世帯当たりの住居面積拡大」といったメリットを生み出すかも知れない。勿論、デメリットも多く存在するでしょうが、日本人の叡智を結集すれば、意外と何とかなるのではないかと。悠々遊様が書かれている「現在の人口の方が、国土の平地面積に対して異常に多いと言える。」というのも、頷ける所ですね。

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