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ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“本当のファミリー”には敵わない!?

2009年06月04日 | 其の他
豊臣秀次は気の毒な武将とも言える。彼は豊臣秀吉の姉・日秀の子で在るから、秀吉にとってはに当たる。主君織田信長本能寺の変で亡き者にされて以降、その後継者としての地位を固めつつ在った秀吉は、数少ない縁者として秀次を重用正室で在る高台院(北政所)とは子宝に恵まれなかった秀吉は、側室淀殿の間に長男・鶴松儲けるも、鶴松は僅か3歳で病死。彼を後継ぎに考え、溺愛していた秀吉の哀しみは相当な物だったろう。「もう自分に子供が授かる事は無いだろう。」と考えたのだろう、秀吉は鶴松の死から約3ヶ月後に甥・秀次を養子に迎え、当時「羽柴秀次」を名乗っていた彼に「豊臣」の性を与える。此処に「豊臣秀次」が誕生した訳だが、自身の子供を諦めていた秀吉は、秀次に「後継者」としての地位を認めたとされといる。

ところが、それから約2年後に淀殿が次男・拾丸(豊臣秀頼)を出産する(秀吉では無く、実父は秀吉の家臣・大野治長という説が根強い。諸々の状況を考え併せると、自分もその可能性大と考える。)と、状況は一変してしまう。「何とか実子に後を継がせたい。」と思い始めた秀吉は以降、露骨な迄に秀次を疎んじる様になる。元々その素行には悪評が強かった秀次だったが、秀吉から疎んじられる様になって以降、益々蛮行が増し、秀頼生誕から約2年後に秀吉から謀反の疑いを掛けられ、1595年8月20日に高野山にて自刃に追い込まれる事に。20代後半での死。栄光の座から、一転して地獄のどん底に落とされた感の在る秀次。自らの素行の悪さが招いた部分も少なからず在るとは思うが、やはり「自らに最も近い人間をトップに据えたい。」という秀吉の思いが、秀次の“排除”に到らしめたというのが大きいだろう。

古今東西の歴史を顧みると、この手の話は枚挙に遑が無い余所者よりは身内、そしてその身内の中でも自身により近い者を重用し、それ以外は遠ざけたり謀殺したりというのは、或る意味「人間の防衛本能」と言えるのかもしれない。

歌手の山本譲二氏が30年以上所属していた北島音楽事務所から独立し、個人事務所を立ち上げたのは2年前の事だった。その前年に催された師匠・北島三郎氏の「古希&芸道40周年祝賀パーティー」の席上で、北島氏が唐突に「来年、山本に暖簾分けする。」と宣言。傍に居た山本氏の呆然とした姿が映し出されていたのを覚えている。ダチョウ倶楽部のギャグ「聞いてないよォ」とは異なり、どうやら本当にあの場で初めて聞かされた話だった様だ。「弟子の将来を思い遣る師匠の愛」といった報じられ方もしたが、自分は違和感を覚えていた。と言うのも、それより以前に「北島氏は若手の弟子を溺愛しており、その彼を娘婿にしたがっている。」という記事を目にしていたので。

昔から芸能界では、「独立」がタブー視されている。ずっと所属していた事務所と喧嘩別れの形で独立した場合は言う迄も無いが、表面的には「円満独立」とされるケースですら、芸能界から“干される”事はしばしば在った。「村社会」の芸能界では、「帰属組織への反抗」を「村全体」で抑え込むという意思が強く働いているとも言われる。事務所の稼ぎ頭と言える山本氏を単に「愛情」だけで手放したというのは、余りに演歌調で現実味を感じ得なかった。それよりも「『溺愛する若手の弟子が娘婿になったら、古株の山本氏との関係が面倒な事になる。だったら、この辺で因果を含め放逐した方が良いかも。』という思惑が、北島氏の中に在るのではないだろうか?」という気がしたのだ。

紅白歌合戦には、様々な「出場枠」が設けられていると聞く。北島事務所所属歌手の枠、即ち「北島枠」は2つとも。確かに、ずっとその傾向は見られる。その師匠・北島氏と共に山本氏はこの枠に入り続けていたと思うが、2004年を以て彼は紅白から姿を消す。そして彼と入れ替わる様にして「枠」に入ったのが、「娘婿になる。」という噂がずっと在った若手の弟子・北山たけし氏だった。彼のファンには申し訳無いけれど、一般的な知名度が低かった彼の“抜擢”には、「娘婿にするという噂は本当なんだな。これじゃあ北島氏を『親父』と呼んで慕い、事務所の長男的な立場の山本氏は居辛くなるだろうなあ。」と自分はその時に感じたが、それから約2年後に山本氏が独立させられるに到って、「やはりなあ・・・。」という思いが。

その北山氏が、師匠の二女と入籍していた事を発表した。北山氏個人は好青年といった感じで嫌いでは無いし、結婚という祝い事を祝福したい思いは在る。唯、山本氏の事を思うと、複雑な気持ちが湧いてしまうのも事実。北島氏も北山氏も満面の笑顔で記者会見に臨んでいたが、その中で北山氏が口にした次の言葉が印象的だった。

本来、北島家は師匠が一番先に食事をするが、今は僕が一番になりました。

体育会系の気質が色濃く残る芸能界。その中でも演歌界は、特にその気質が強いと思われる。もし“長男”の山本氏が北島事務所に残ったままで、“師匠”に先んじて料理に箸を付ける“後輩”の姿を目にしたとしたら、その心中は複雑どころでは無いだろう。「北島ファミリー」と称されるが、やはり「疑似のファミリー」は「本当のファミリー」には敵わないという事か。

「同じ事務所に所属する後輩が師匠の婿となったら、弟子の彼がさぞかし嫌な思いをするだろうから。」という親心が北島氏に在り、それが「山本氏は独立はさせたけれども、北島音楽事務所と業務提携はしている関係。」という形なのかもしれないが・・・。

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とかくこの世は。。。 (tak)
2009-06-04 03:05:13
こんばんは。
親心と師弟関係、そして義理人情に村社会のしきたりとしがらみ。複雑な関係が入り組んでいるなかで北島サブちゃんのとった打開策が山本譲二さんの発展的な独立だったんでしょうね。芸能界で得られる「魅力」をその構成員(芸能人)が不公平感無しに享受する機会を与えられるためには、年功序列が一番すんなりするんでしょう。なんでもかんでも実力主義・成果主義とかいった黒船的方法論は結局は幻想にしか過ぎないと若いのを含めて我ら大和民族は気がつき始めているようですし。
演歌万歳
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Unknown (iorin)
2009-06-04 08:54:46
自分は不倫の子です。今となっては全く気にしていませんが、高校ぐらいまでは血筋がなんなんだと思っていました。弟は両親の子なので溺愛されてましたねwしかし今ではバカで心配でしかたないのでしょうか両親の愛情を感じます。わからんもんですわ~




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>tak様 (giants-55)
2009-06-04 11:39:20
書き込み有難う御座いました。

師匠の下で修行を続け、何年か経ったらデビューする。そういった徒弟制度が崩れつつは在る様ですが、今でも色濃く残っている演歌界。「
この師匠の下で頑張り、何とかビッグになってやる!」、昔の演歌歌手はそういった思いを強く持った上で、辛い日々を乗り越えて来たと思うし、それが歌に彩りを与えていたという面は在る様に感じます。山本譲二氏もそんな一人ではなかったかと思いますし、そんな彼だからこそ「村」の中で己がポジションを失ってしまった“かの様な”状況になってしまうと、その心中はさぞや複雑になった事だろうと想像します。

以前にも書いた事ですが、自分はずっと「実力主義や成果主義を、もっと一般社会に取り入れて欲しい。」と思い続けていました。今でも実力主義や成果主義が必要だとは思っていますが、でも余りにそれ等に移行し過ぎてしまった感も在ります。「怠惰な人間」が「必死で頑張って成果を出している人間」と同じ評価というのは全く理解出来ないけれど、でも“過度な”実力主義が敷かれてしまうと、「人の事なんか構ってられない。自分の事だけで精一杯。」とそれ迄に培われて来た「後進の育成。」や「皆で助け合って行く。」といった良き伝統迄が放棄されて行ってしまった。海外には海外の良さが在る一方、我が国には我が国の良さが在る筈。何でもかんでも無節操に取り入れたり、余りにどっちかに寄り過ぎてしまうというのは、何処かに破綻を生じてしまうもの。そのバランスが非常に難しくは在りますが。
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>iorin様 (giants-55)
2009-06-04 11:53:09
書き込み有難う御座いました。

エリザベス・サンダースホームを創設した沢田美喜さん(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%A2%E7%94%B0%E7%BE%8E%E5%96%9C)。ねむの木学園を創設した宮城まり子さん(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E3%81%BE%E3%82%8A%E5%AD%90)。神の愛の宣教者会を創設したマザー・テレサさん(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%B5)。血の繋がらない他人の子供達の世話に一生涯掛けて来た(来られている)素晴らしい彼女等を、自分は心から尊敬します。口で言うは易し、でも行動は難し。自分も含めて、一般人の多くはそんな感じではないでしょうか。

これ迄歩んで来られた人生の中で、iorin様も色々在った事とは御察し申し上げますが、御両親の深い愛情を感じられるというのは良かったと思うし、素直にそう感じられる感性を育まれた御両親は素晴らしいですね。
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競争して給与が増えれば報われるのでしょうか (マヌケ)
2009-06-04 12:53:35
そもそも、成果主義などをシステムとして導入しなくても、怠けている人間と死ぬほど?頑張っている人間では普通に人事考課されていると思います。 あからさまに制度として適用するから弊害もあからさまになるのだと思います。 今のように金に縛られた上下関係の世界で実力主義や成果主義と言われても、いちばん得をするのはいいところだけもっていく上の方の人間だけですね。 競争させてコスト削減とか収益アップが図れて、頑張っても結果が全てで、負けた方には少ない報酬で済みますから。 頑張り方に差が歴然とあるからと言って分配のパイは全く増えない中で奪い合いをすることが日本式の成果主義です。 つまりただのリストラ策でしかないです。 アメリカ式だとあまりにがんばった者に破格の待遇を行わなくてはならなくなり、時に、金融トレーダーが10億円?ドル?の賞与ゲット!なんてありましたし、そんな人は愛社精神もなく、一度稼いだらどこかへ行ってしまいますからね。 ハゲタカ社会ですよ。 人間性が高まったり、能力が高まる競争や、専門知識や技術の共有と継承を考えれば競争よりも助け合いや協力が先にあるべきですね。 商売敵と競争するのは当たり前ですが、社内で競い合って、瑣末な差異を指摘して待遇に差を付けることに尊い意味があるのでしょうか。 個性が認められないようなあまりにギチギチに管理された生きにくい世の中で、いったいどこで休まることができるのだろう?
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言うは易し。本当ですね。 (syuu)
2009-06-04 16:28:43
こんにちは。北島三郎さんの娘さんの結婚については、私もテレビで知りました。娘婿になった方のことは全く知りませんでしたが、彼もこれで安泰だろうなぁ・・・と結婚の話を聞いた時に思いました。
口では家族だとかなんとかいっていても、結局は血のつながりを重視する人がほとんど。私も最近よく実感させられることがあり、フムフムと思いました。実行できなければ、家族だとか言わない方がいいですね。とても絵空事に聞こえてなりません。私の体験については、またブログに書きますね。
山本氏、これからも活躍してほしいです。
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>マヌケ様 (giants-55)
2009-06-04 19:20:20
書き込み有難う御座いました。

これは何れ記事にしようかと思っていた事なのですが、かなり前に某サイトで実に不毛なバトルが繰り広げられていました。「愛国心」を巡ってのバトルだった訳ですが、一人の人物が「家庭一軒一軒に祝日は国旗を掲揚する事を義務付け、違反したら厳罰に処せば良い。そうすれば間違い無く愛国心は培われる。」といったコメントを書き込んだ事に始まり、それ以降は「国を愛さない奴は出て行け!」だ「売国奴だ!」と散々罵倒し始めた。「典型的な煽り目的の書き込みだな。」と苦笑して見守っていたのですが、その過激な書き込みは度を増すばかりで、どうやら真剣に確信して書き込んでいるのが伝わって来て、申し訳無いけれどゾッとする物を感じました。「各家庭での国旗掲揚を義務付ければ、それで愛国心が培われる。」という発想が、自分にはどうしても理解出来なかったからです。入学式や卒業式で国旗を掲揚する云々は“全く別の話”ですが、各家庭で何故国旗掲揚を押し付けられる必要性が在るのか?国旗掲揚をしたからと言って、それがイコール愛国心を持っているという事には必ずしも繋がらないと思うんです。国家に対して一寸でも疑問を呈すると、「御前は売国奴だ!」と罵られる言われは誰にも無い筈。常々「愛国」を口にし乍ら、実際には愛国心の欠片も無い人間も居るし、その逆に普段は国を馬鹿にする発言をしていても、本当は国が大好きな人間も居る。何故に“表面的な事だけ”で、画一的に決め付け様とするのかが、型に嵌められるのが大嫌いな自分には全く理解出来ないんです。

愛国心は他者から強要されて持つ筋合いの物では無い。誰だって基本的には自分の国を愛していると思うし、要は人によってその程度にばらつきが在るだけの話。己が愛国心の方向性と異なっているからといって、自分の思考に全てを従わせようというのはとんだ思い上がりだし、少なくとも自分はそういうスタイルに相容れない。

愛社精神も同様で、他者から強いられて持つ物では無いですよね。会社が独自のスタイルでも構わないので、各人の労働に見合った評価をすれ(対価を与えれ)ば、自ずと愛社精神は培われるもの。上層部だけが甘い汁を吸い、下々の人間は知ったこっちゃないでは、そりゃあ組織も崩壊するでしょうね。
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でも結局秀頼は (Spa supernova)
2009-06-04 22:23:29
彼は結局、ああなってしまった。この北山さんも「遺産相続権所有者の配偶者」になったことで終わる人という気もします。本人良さそうな人ですけど(出身地近くの久留米市のイベントで見かけたことがあります)。

そういや、小朝なんかは典型的な「娘婿として乗っ取り失敗→ほおり出された」ケース。ちょっと才気と野心がありすぎ。北山さんはそこんとこ注意しないとね、なんてイジワル!小舅根性です(苦笑)。峰はどうなんだろ。
そう思うと同じ「ファミリー」でも裕次郎は実子がいないし、甥はああいう人だから実権が渡に移った。そのほうが良かったと思います。
村社会でありつつも芸能界は成果主義ですから。。。なんかヤクザの世界みたいですね、まあ、ヤクザみたいなもんか。。。
東映の社長やってる岡田裕介なんかは俳優としてもそこそこ良かったですけどね。今は経営者に専念していますね。北山さんもそうなるかな?あと「新聞少年の歌」の山田太郎も今は芸能プロ社長ですね、親父の後継いで。
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ついしん (Spa supernova)
2009-06-04 22:25:55
そういえば北山さんは8年も徒弟修業をしていたので、それでカンベンしてあげてください
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>Spa supernova様 (giants-55)
2009-06-05 00:45:39
書き込み有難う御座いました。

北山氏、記事でも触れた様に自分も好青年というイメージが在りますし(北山氏の件の発言も、他意は無かったとも感じています。)、別段彼に恨みが在る訳でも何でもないのですが(笑)、あれだけ“滅私奉公”して来た山本氏を思うと、正直「気の毒だなあ。」という思いがどうしても湧いてしまうんですよ。滅私奉公期間は北山氏の数倍だし。

娘婿になったとはいえ、北島氏には実子が何人か居られ、その多くが北島氏関係の仕事に従事していたと記憶しておりますので、将来的にはその辺で揉めそうな気も。

それにしても、芸能界って不思議な世界では在りますよね。清水○太郎氏の様に何度も御縄を頂戴しても、きちんと戻って来る場所が用意されている一方で、凄い身内の七光りでデビューしても、当人に実力&魅力が無ければ、自然と淘汰されてしまう厳しさが在る。
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