史上４度目

「１９８９年の日本シリーズ」は、第３戦を終えた時点で近鉄バファローズがジャイアンツに３連勝し、日本一に王手を掛けたが、第３戦に先発したバファローズの加藤哲郎投手が試合後のヒーロー・インタヴューで所謂「巨人は最下位ロッテより弱い発言」（正確には、そう言ってはいないのだけれど。）をした事により、展開はガラリと変わった。此の発言に激怒したジャイアンツの選手達が発奮し、第４戦以降のジャイアンツは４連勝。此の年の日本一は、ジャイアンツが成し遂げる事に。

 

今年の日本シリーズ、第３戦を終えた時点でホークスがベイスターズに３連勝し、「ホークスは強いなあ。４連勝で、ホークスは日本一達成かな。」と思った。然し、第３戦後に行われた勝利監督インタヴューでホークスの工藤公康監督が「明日決められたら。」といった趣旨の発言をした際、上記の“加藤発言”が思い浮かんだ。「『明日決められたら。』なんて言ったら、ベイスターズの選手達は面白く無いだろう。嘘でも『ベイスターズは強いので、気を抜かないで頑張ります。』とか、相手を刺激しない発言をすれば良かったのに。余計な事を言ったなあ。」と感じたのだ。

 

第４戦＆第５戦とベイスターズが連勝し、ホークスの対戦成績「３勝２敗」で迎えた昨夜の第６戦。ベイスターズの先発・今永昇太投手は好投を見せ、９回表を終えた時点で「２対３」とベイスターズがリード。「９回裏はクローザーの山﨑康晃投手が出て来るだろうから、今日の試合はベイスターズが勝利し、対戦成績を『３勝３敗』の五分となるだろう。勢いはベイスターズに在るから、此れで“逆王手”を掛けたベイスターズが日本一かな。」と予想。然し、９回裏に山崎投手が打たれ、「３対３」の同点。延長戦となり、１１回裏に“サヨナラ・ゲーム”としたホークスが日本一に。サヨナラ・ゲームで日本一を決めたのは過去に１９５０年、１９６５年、そして１９８８年の３度在り、今回が史上４度目という事になる。

 

過去に何度か書いている様に、自分は「長いレギュラー・シーズンを闘い抜き、リーグ優勝したチーム同士が闘うからこそ、日本シリーズは価値が在る。クライマックスシリーズ（ＣＳ）は邪道で在り、廃止して欲しい。」と考えている。なので、今年は「パ・リーグの覇者・ホークスと、セ・リーグの覇者・カープが日本シリーズを闘って欲しい。」と願っていたので、ＣＳで勝ち上がったベイスターズが日本シリーズに進出した事に、正直複雑な思いが。（ルールに則った形で日本シリーズに進出したベイスターズは全く悪く無いし、ベイスターズを批判する気も全く無い。）そういう思いが在ったので、ホークスが日本一になった事にホッとした。ホークスの選手達、そしてファンの方々本当におめでとう！！！

 

複雑な思いは在ったものの、日本シリーズでのベイスターズの選手達のプレーには、何度も心打たれた。彼等の必死さが伝わって来たし、こういう闘い方を見せられたベイスターズは来季、間違い無く今季よりも強いチームとなる事だろう。熱戦、御疲れ様。