ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

先送り体質

2010年09月29日 | 時事ネタ関連
尖閣諸島中国漁船衝突事件」で公務執行妨害及び違法操業容疑で逮捕された中国漁船の船長に対し、那覇地方検察庁が処分保留で釈放した事で、国内では「中国に対して余りに弱腰だ!」との声が多く上がっている。野党のみならずも与党の議員の間からも批判が出ている今回の決定、自分もハッキリ言って納得行かない。先日の記事でも書いた様に、中国側が正しくない事柄に関しては、日本政府臆する事無く、毅然とした態度で、正当性を主張するのは当然。という自身の考えは何等変わっておらず、其れからすると腑に落ちない点が多過ぎるので。

那覇地方検察庁が下した今回の決定には、政府からの強い圧力が在ったのは間違い無いだろう。「政治主導」を旗印掲げている政府ならば、那覇地方検察庁に「全ての責任」を負わせずに「高度な政治判断から、釈放を決定しました。」と主張すべきではないか?「其の政治判断によって、我が国の国益(「現状」だけでは無く、「将来」も含めての国益。)が死守出来る。」という深謀遠慮が“確実に”在るので在れば、堂々と主張出来るだが、要はそんな深謀遠慮なんか無いのだろう。

故に今回の決定に対して批判の声が多く上がるのは当然だと思うのだが(斯く言う自分も強い憤りを感じているし。)、一方で「生意気な中国に宣戦布告!」等の様な極端な意見を主張している人や、其れに類する様な発言をしている政治家にも疑問を感じている。今回の件で其れこそ鬼の首を取った様に「自民党政権下なら、今回の様な事は在り得なかった!」と主張していた自民党議員が居たけれど、「古くは『ダッカ日航機ハイジャック事件』でハイジャック犯の要求を丸呑みし、服役及び勾留中の政治犯6名を釈放した(個人的に、此の時の福田赳夫首相の判断は止むを得なかったと考えているが。)のは、そして近年で言えば『我が国に密入国を図って拘束された金正男氏(“偉大なる将軍様”の長男。)と思しき人物を、あっさりと退去強制処分で済ませたのは、一体どの政党が牛耳っていた時代だったのか?」を聞いてみたくなる。我が国の弱腰体質は今に始まった訳では無く、ずっと昔からそうだったと言えるのではないか?、「弱腰体質」と書いたけれど、正確に言えば「先送り体質」だと思っている。面倒な事柄を“取り敢えず俎上から外し、根本的な問題を先送りする。というのが、我が国の昔からのスタイルの様に感じる。

無為無策で釈放を決めた政府」も駄目だが、同時に「強硬な態度で出れば、全て解決する!」といった思考も駄目。主張すべき点は毅然と主張し続ける必要が在るけれど、「戦争も辞さず!」的な感じで無為無策に攻め立てるのも、決して賢明には思えないので。長期的なヴィジョン確固たる戦略を有さずに強硬姿勢だけを続け、結果的に我が国の経済を更に冷え込ませたり、最悪のケース戦争にでもなったならば・・・そういった無為無策の強硬姿勢を主張する人達には国民に対し、「欲しがりません勝つ迄は」を強要しそうな危うさを感じる。

中国漁船の船長が釈放された事で、当事者の中国、そして日本に対して含む所が在る韓国等のマスメディアは、「中国の全面勝利、日本の大敗北。」といった論調で報じている。だが、其の一方でアメリカアセアン諸国等では日本の弱腰を批判しつつ(「今回の対応は適切だった。」と評価するメディアも在った様だが。)も、ごり押しで全てを正当化しようとする中国に対して、警戒感&不快感をにした。メディアが少なからず在った事を、頭に置いておく必要が在るだろう。今回の件で中国は「自国民の政府に対する不満のガス抜き」と「勝利宣言」を“一時的に”出来たかもしれないが、“長期的に”見れば国際的な評価を下げただけとも言える。

此れから日本がすべきなのは、「中国漁船が意図的に衝突して来た。」のを撮影した映像等で明らかにし、同時に物的証拠を挙げて尖閣諸島が日本の領土で在る事を、海外に向けて毅然と主張し続ける事。中国に対して警戒感&不快感を持つ海外諸国と連携し、世界的なコンセンサスを作り上げなければいけない。こういうのは、日本が最も不得手とする所だけれど。

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2 コメント

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小沢一郎 (雫石鉄也)
2010-09-29 10:11:36
この件に関して小沢一郎は何をしていたのでしょう。
一兵卒として働くといいっておったではないですか。中国に顔が効くのだろう。だったら、こんな時こそ身を粉にして、一兵卒として働き、ただちに中国に渡るべきではなかったのか。
140人もの手下を引き連れて、胡錦祷に会いにいったのだろう。何しに行ったのでしょう?
手下どもと胡錦祷のツーショットの写真を撮って、選挙の宣伝写真に使うつもりだったのでしょうか。
今回ほど小沢一郎の存在感を見せるいい機会だったのに、小沢は何をしていたのでしょうね。
>雫石鉄也様 (giants-55)
2010-09-29 14:12:59
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

過去に何度か書いている事ですが、個人的には政治家に「“過度な”清廉潔白さ」は求めていないんです。「非常に身綺麗でも、全く無能な政治家」よりも、「“或る程度”ブラックな部分が在っても、其れ以上の国益を生み出してくれる政治家」の方が評価出来るし。そういう意味では、「小沢一郎」という政治家が気になる存在では在る。今回の代表選でも菅首相の再選を希望しつつも(「無能な人間を『直ぐに変えるのは如何なものか?』という理由だけで、再選させるのはおかしい。」という御意見も在りましたが、無能で在れば確かに其れは言えると思います。唯、原采配を何年も「無能。」と自分は批判して来たけれど、過去の失敗を糧にして彼が名将の仲間入りした“現実”を考えた時、僅か3ヶ月程で「無能」と決め付けてしまうのも如何なものか?という思いも在る。)、「こういう混迷の時代には、小沢氏みたいな人間の方が何かしてくれるかも。」という思いも在りました。

しかし小沢氏本人なのか、其れとも取り巻き連中なのかは判らないけれど、表面に出て来る話は旧態依然とした内部抗争絡みばかり。今回の件でも、仰る様に中国に乗り込んでガツン!と言ってくれれば評価は高まっただろうに、黙りを決め込んだ(「二元外交」の批判を懸念したのかもしれないけれど。)のは戴けなかった。

尖閣諸島の領有権に関し、自民党政権は国際的に“もっと”アピールして来るべきではなかったのか?沖縄の基地問題と同様、先送りして来た感が自分には在る。其れをさて置いて、鬼の首を取ったかの様に批判する姿は、正直“美しさ”を感じない。「“女性として”初の3役入り!」と自己アピールする人(女性だからどうこうと言うのは、好い加減止めた方が良いと思っています。女性だから、男性だからなんてもう関係無い。却って反感を生むだけだと思うので。)等、自民党は何故支持率が上がらないのかをもっと真剣に考えないと、浮かぶ瀬は無いのではないかと。

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