ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ライアー」

2014年06月12日 | 書籍関連

**********************************

優しい夫・神村洋祐(かみむら ようすけ)と可愛い小学生の息子・智(さとし)。幸せな生活を送る妻・奈々(なな)の本当の顔は、対象人物の「処理」を専門とする工作員。彼女にとって、家庭とは偽りだった。夫が謎の死を遂げるは・・・。

 

感情を持たないがに無敵だった彼女が、愛を知るの戦いの幕を開ける。壮絶騙し合いと殺し合い。其の果てに待つ真実とは?

**********************************

 

大沢在昌氏の小説ライアー」。ライアーは英語で「liar」と記し、「嘘吐き」を意味する。其のタイトル通り、此の作品に登場する人物達の多くは、嘘で固められた“姿”で生活している。

 

病気や事故を装って、工作員を“排除”する政府機関には認められていないとしても、海外にはそういった物が存在しているのは確かだろう。公の組織では在るけれど、我が国の“公安警察”も、そんな役割を担っているだ。しかし、一般人で在る我々には、そういった存在のイメージが、今一つ希薄なのも事実で、「ライアー」に登場する工作員達の“活動”も、現実感が薄かったりする。

 

上記した様に、嘘で固められた姿で生活する人物達が余りに多い為、実像」と「虚像」がゴチャゴチャになってしまい、ストーリー的に判り難い部分が在る。

 

終わり方もスッキリしないし、「結局、“神村奈々”という女性の“実像”は何なの?」という思いしか残らない。消化不良と言うよりも、「何だか良く判らない。」という感じの作品。

 

総合評価は、星2つとする。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 腐るな! | トップ | 「人」を育てる事の難しさ »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (マヌケ)
2014-06-13 00:06:30
私は、読書メーターに登録してから、先に読まれた方々のコメントや感想を参考にするようになりまして、ハズレに出くわすことが減りましたです。作品の好き嫌いも、ものごとの好き嫌いと同じように、好きと嫌いは対極にあるわけではなく、好きさや嫌いさ加減の差があるというだけな気がしています。あと、作家としては、経歴も長く大御所なのに、何じゃこりゃ?な作日がたまに出てしまうのはなぜなのでしょうか?スランプや編集者とソリが合わなかったとかなのでしょうか、などと読後に勝手な想像をしてしまいます。
返信する
>マヌケ様 (giants-55)
2014-06-13 00:36:56
書き込み有難う御座いました。

ネット上で読書傾向の似た方のレヴューを参考にする事が多く、其れで「面白そう。」と思った作品には、概して外れが少ないです。唯、読書傾向が似ていても、細かい部分では「どうかなあ。」と思う事も在るし、逆に普段は読書傾向が似ていない方の激賞作品を読んで、「此れは面白い!」と思う事も。

でも、一番嬉しいのは、余り注目度が高くない作品を自身で“掘り当て”、「面白いなあ。」と感じた瞬間。他の人にも教えて上げたくなるし、読書好きとしては至福状態とも言えます。

大御所の作品にも、信じられない様な外れが在ったりしますね。当ブログでも何度か指摘しているのですが、好きな作家の1人で在る西村京太郎氏も、随分前より「行数稼ぎとしか思えない、余りにも多い読点使い。」や「似た作風が続く。」等、初期の頃の琴線に触れる作品を知っているだけに、幻滅する事も少なく無いです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。