ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「#真相をお話しします」

2022年09月12日 | 書籍関連

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家庭教師派遣サーヴィス業に従事する大学生が、と或る家族の異変に気が付いて・・・。(「者面談」)

不妊に悩む夫婦が、漸く授かった我が子。然し其処へ「貴方精子提供によって生まれた子供です。」と名乗る別の“娘”が現れた事から、予想外の真実が明らかになる。(「パンドラ」)

・子供が4人しかない島で、僕等はiPhoneを手に入れ、「ゆーちゅーばー」になる事にした。でも、或る事件をに、島の人々がやけに余所余所しくなって行って・・・。(「拡散希望」)
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幾つかの書評で高い評価を得ている小説#真相をお話しします」(著者結城真一郎氏)を読んだ。書店を訪れる、「一度見たら忘れられない、印象的な表紙のイラスト。」が気になっていた作品だ。結城真一郎氏の事は全く知らなかったのだが、東京大学法学部を卒業した彼は、大学の同級生だった辻堂ゆめさんが先に文壇デビューした事に触発され、作家の道を目指したのだとか。

「#真相をお話しします」は、5つの短編小説で構成されている。中でもヤリモク」、「三角奸計」、そして「#拡散希望」の3つは“大昔”、具体的に言ってしまうと“インターネット普及前”には考えられなかった状況をテーマとしており、“新しさ”を感じる

「惨者面談」は「結末が読める。」と早い段階で思ったけれど、意外などんでん返しが待っていた。「成る程、“彼の記述は、此の結末の伏線だったのか。」という“遣られた感”が。
でも、「ヤリモク」と「三角奸計」の2つに関しては、予想した形と同じの結末で、意外性は全く無かった

最後の「#拡散希望」は、取り分け今風の作品”だと思う。一部ネタバレになってしまうかも知れないが、YouTuberをテーマにした作品だからだ。常識弁えたYouTuberも居るが、所謂炎上系”と呼ばれる「アクセス数を稼ぐ為には、モラル反した事でも平然と行う馬鹿なYouTuber。」も少なく無い現実。そういう連中には辟易とした思いが在るけれど、現実問題として馬鹿なYouTuber“も”存在している以上、「#拡散希望」の様な世界は「在り得なくは無い。」と思ってしまうのが不気味な所。

「パンドラ」という作品が顕著だけれど、種明かし”に回りくどさを感じる所も在る。もっとすっきりした、端的な記述で在れば、読み進め易いのだが・・・。

総合評価は、星3.5個とする。


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