ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「6時間後に君は死ぬ」

2007年07月29日 | 書籍関連
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「6時間後に君は死ぬ。」原田美緒を街角で呼び止めた見知らぬ青年は、唐突にそう”予言”した。江戸川圭史*1と名乗るその青年は、他人の未来が映像として頭に浮ぶのだという。意志の力では無く、誰かを見た時に急に浮ぶもので、それも非日常的な未来に付いてのみ。美緒の姿を見た際、彼女が胸をナイフで刺されて死ぬ映像が浮び、その時彼女の嵌めていた腕時計が約6時間後の午前0時を指し示していたというのだ。そしてその午前0時は、美緒が25歳を迎える瞬間でも在った。

信じられるのは一体誰なのか?運命を変える事は出来るのか?回り続ける運命の時計。未来を賭けた戦いが始まる。
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13階段」で第47回江戸川乱歩賞を受賞した高野和明氏の近刊作「6時間後に君は死ぬ」は、タイトルにもなっている上記の「6時間後に君は死ぬ」の他に、「子供の頃に1日だけ行方不明になった経験を持つ女性が、或る日”子供の頃の自分”と遭遇し、共に生活をする事で記憶を失っていた行方不明の1日の真相を思い出す。」という「時の魔法使い」。や「『今度の水曜日だけは、誰かを好きになってはいけないよ。最後に凄く哀しい思いをするから。』と言われた少女が、その”予言”に逆らって恋に落ちてしまった。」という「恋をしてはいけない日」、「とあるドールハウスに陳列された数対のダンサーの人形は、或る女性の未来の姿だった。」という「ドールハウスのダンサー」、「自分の未来だけは絶対に見る事が出来なかった圭史。そんな彼が初めて見た自分の未来は、自身が死ぬ場面だった。」という「3時間後に僕は死ぬ」の5つの短編+エピローグで構成されている。未来を見る事が出来る人物を中心に、人の過去・現在・未来を繋ぐストーリー。

この本のタイトル「6時間後に君は死ぬ」を目にすると、サスペンス・タッチなミステリーを想像する方も多いだろう。確かに”謎解き”の要素は無い訳では無いが、それよりも自身の未来を知った者の心の揺れ動きがなかなか興味深い作品だった。最上級の作品とは思わないが、人間関係で疲弊していたり、自分の未来に不安を抱えていたりしている人に、心の安寧を与えてくれる作品だと思う。

何度撥ね返されても、希望さえ持っていれば、夢の扉を叩き続ける事が出来る。個人的には「時の魔法使い」という短編が一番心に残った。

総合評価は星3つ

*1 この名前に、あの人物の名前を思い浮かべる方も居られる事だろう。
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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございました。 (似夜)
2007-08-01 12:30:30
はじめまして。この度はTBをありがとうございました。
わたしも『時の魔法使い』が印象的でした♪

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