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交換日記、全部読みました。そして、思い出しました。嘘、殺人予告、そして告白・・・。大切な人の為、綴った日記に秘められた真実とは?
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第13回(2014年)「このミステリーがすごい!」大賞の優秀賞を受賞した小説「いなくなった私へ」(総合評価:星2つ)。著者は辻堂ゆめさんで、彼女の作品を約5年振りに読んだ。タイトルは「あの日の交換日記」で、交換日記を通した人間模様を描き、7つの短編小説で構成されている。
第2話の「教師と児童」では意外な設定に「そう来たか!」と思わされたものの、第4話の「母と息子」迄はぴんと来る内容では無かった。全体的にだらだらとしていて、締まりの無い感じだったので。
でも、第5話の「加害者と被害者」から、雰囲気ががらりと変わる。そして、第6話の「上司と部下」の予想外な結末に驚かされ、最後の第7話「夫と妻」で、其れ迄の6話に登場した人々の関係性が明らかとなり、伏線の張り方の見事さに降参。著者が意図したミスリード(同一人物と思いこまされていたり。)にまんまと引っ掛かる等、「第4話迄の退屈さは、一体何だったのか?」と言いたくなる展開。
第6話以降は面白いだけに、其れ迄のだらだら感が残念。総合評価は、星3つとする。