ば○こう○ちの納得いかないコーナー

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「三笠宮と東條英機暗殺計画 極秘証言から昭和史の謎に迫る」

2017年04月05日 | 歴史関連

東條さんがに乗っている姿を見た事が在る。」。昔、今は亡き父から聞いた話で、東條さんとは東條英機元首相の事だ。父が子供の頃の話だから、恐らく昭和10年代半ばから後半に掛けてで、見た場所は馬場とかでは無く、町中だったと言う。

 

東條元首相と言えば、太平洋戦争開戦時の首相。戦争泥沼化し、日本敗戦不可避な状況に陥った1944年7月22日、首相と陸軍大臣兼任していた。

 

父から東條元首相の話を聞いていた事も在り、彼に関する本や資料はそこそこ読んで来たが、はっきり言って“自分が嫌いなタイプの人間”という印象しか無い。

 

「学校の成績は、余り芳しく無かった。」、「劣等感の裏返しからか、自分を大きく見せ様とするパフォーマンスを好んだ。(「馬に跨がり颯爽と町中を歩く。一方で、馬上から市民に対して話し掛けたりし、気さくさをアピール。」等)」、「猜疑心が異常に強く、自分に少しでも逆らう人間は、徹底的に“排除”する。」等は、何処かのの現首相と非常に似ている気がしたりも。

 

ソ連の第2代最高責任者にして、冷酷独裁者としても知られるヨシフ・スターリン書記長秘密警察国家政治保安部」を使い、少しでも自分に逆らったり、自分の立場を危うくする可能性が在ると判断した人間を、次々と“殺害”し、其の人数は少なくても約70万人、最大で約700万人と言われている。其の中には身内の人間も少なからずたというのだから、猜疑心のといった感じだったのだろう。

 

そんな彼だったから、「暗殺を非常に恐れ、同じ形の寝室を複数作った上で、其の日に寝る部屋は就寝直前に決めていた。寝室は鋼鉄の箱の様な構造で、扉は内側から施錠すると、外から開けるには警備責任者が持つ1本の鍵を用いるしかなかった。或る日、予定時間を過ぎてもスターリンからの指示が無い事を、警備責任者は不審に感じたが、眠りを妨げられた彼から“排除”される事を恐れ、午後になる、何もしなかった。午後になっても指示が無く、『流石におかしい。』と様子を見に行く事になったが、上記した様に何の寝室に居るのかが判らない上、鍵を開けるのも大変だった事から、中に入るのに相当な時間を要した。結果としてスターリンは部屋の中で脳卒中にて倒れており、発作を起こしてから手当を受ける迄、余りに時間を要してしまった事から、4日後に死亡。」なんて事になってしまった訳だ。

 

スターリンの様な手法は用いなかったろうが、東條元首相の場合は子飼いの“憲兵達”を使い、自分に少しでも逆らう人間や不都合な人間を、盗聴監視等で炙り出して捕まえ、生きては帰れない様な戦地最前線に次々と、兵士として送り込んでいた。というのだから、全く酷い話で在る。

 

憲兵政治により、独裁体制を築いて行った東條元首相。内情を知らない国民は、開戦当初こそ多くが彼を支持していた様だが、戦況が悪化し、“物言えぬ社会”に息苦しさと恐怖を感じ始めると、反東條の火種が出て来る。そんな中、1944年に「東條英機暗殺計画」が計画されたと言う。

 

以前より、そういった計画が在った事は知っていたけれど、何しろ詳細が良く判らなかった。「(昨年亡くなられた)三笠宮崇仁親王昭和天皇の弟で在り、今上天皇叔父当たる。)が、此の計画に関わっていたのではないか?」という話が在ったし、彼自身も此の計画に付いて、昭和59年に少しだけ触れられてはいるのだけれど、関連する本や資料が少ない上、幾つかが絶版になっていたりするからだ。

 

今回読了した本「三笠宮と東條英機暗殺計画 極秘証言から昭和史の謎に迫る」は、著者加藤康男氏が2006年夏から2007年春先に掛け、三笠宮崇仁親王及び崇仁親王妃百合子さんに直接「東條英機暗殺計画」等に付いて聞いた話を元に、書き上げた内容。直ぐにでも刊行されるだったのだけれど、「証言内容が現状では支障が在る。」と判断されたのか、三笠宮崇仁親王から直接「自分が“居なくなってから”、刊行されたら良いと思う。」という連絡が在り、ずっと御蔵入りになっていたそうだ。

 

非常に興味深い内容なので、昭和史に興味が在る方は、是非読んで貰いたい。「此の本で、『東條英機暗殺計画』の全てが明らかとなった。」という内容では無いし、未だ未だ解明な点は多いけれど、「が、少しは晴れた。」という感じは在る。

 

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津野田軍人は、学者連中の『天皇機関説』を不埒だといい、不敬とも難じているくせに、統帥権にして『天皇機関説』を実行しているじゃないか。全く呆れて、物もいえん。軍人が権勢ほしいままにして政権まで掌握したら、日本は一体、どうなると思う?戦争を始めた軍人が政治をやったのでは、誰が戦争を終わらせるのだ。泥沼の戦いは、しょせん亡国の戦いでしかないのだぞ。(「わが東条英機暗殺計画」/抄出

 

しかしだ、東條は絶対に自ら引こうとは言うまい。墓場へ行くまで、いや、殺されなくては分からん男だ。反省ということを知らん男だ。

 

(省略)それに、皇族方を信じ過ぎてはいかん。皇族方は大事を命がけでやるような教育は受けておられない。あてにすると、とんだ思惑外れになるぞ。心しておいたほうがいい。

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