ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「夜汐」

2019年01月24日 | 書籍関連

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文久3年。やくざ者の蓮八(れんぱち)は、苦界に沈んだ幼馴染み・八穂(やほ)を救う、やくざの賭場から大金をせしめた報復として蓮八に差し向けられたのは、凄腕の殺し屋・夜汐(よしお)。新選組の一員となり、身を隠す事にした蓮八だが、或る日、八穂からのを受け取る。帰って来て欲しい・・・其の想いを読み取った蓮八は、組から脱走する事を決意。土方沖田からも追われ乍ら、八穂の待つ小仏峠に向かうべく、必死で山中を進む。だが、夢で蓮八に語りか掛け、折りに触れ彼を導くのは、命を狙っているの夜汐だった。

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小説」で、第153回(2015年上半期直木賞を受賞した東山彰良氏。彼の作品を初めて読んだのは9年前で、第1回(2002年)「『このミステリーがすごい!』大賞」で銀賞及び読者賞を受賞した「逃亡作法 ~TURD ON THE RUN~」だった。「逃亡作法 ~TURD ON THE RUN~」に対する自分の総合評価は「星2つ」、「流」には「星3つ」と芳しい物では無かった。

 

今回読了した彼の作品「夜汐」は、主人公の蓮八を軸にして、彼が所属した(と設定する)新選組を描いている。

 

以前にも書いたと思うが、自分は新選組という組織が好きでは無い。新選組を熱狂的に愛する人達は概して、彼等の中に“純粋さ”や“一途さ”を感じるのだろうが、自分はそう感じないので。とは言え、非常に興味深い組織なのは事実で、だからこそ関連する書籍等を、そこそこ読み込んでいたりする。

 

そんな自分からすると、「夜汐」の中で描かれる新選組隊士達の姿は、目新しさを感じる物は無い。「普段は子供の様な部分を見せる沖田総司が、一度剣を持つと人が変わる。」といった事等、新選組ファンの方達ならば、尚更の事だろう。

 

此の作品、時代小説なのは間違い無いのだが、幻想文学的色合いも強い。直木賞受賞作「流」のレヴューの中で「余りにも無意味と思える描写が多過ぎで、読んでいて疲れてしまう。“的描写”を入れたのも、必要性が感じられなかったし。」と記したが、「夜汐」も余りに無意味と思える描写が多く、何よりも殺し屋・夜汐に象徴される“霊的描写”は、必然性を感じ得なかった。

 

一度パッと読んだだけでは“状況”が良く理解出来ず、再度読み直して「そういう事か。」と理解出来た点が多く、読み進めるのに時間を要した。文章が難解という事では無いのだけれど、読み手に対する丁寧さ不足というのを感じてしまう。

 

総合評価は、星2.5個とする。

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