ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「捜査線上の夕映え」

2022年03月30日 | 書籍関連

此れに自分が読んだ本は、一体何冊になるのだろうか?ブログを立ち上げたのは「2004年7月17日」で、約17年8ヶ月前の事。此の間、今回の記事を含めて“書籍関連”では「1,180件」の記事を書いている。読んだ本全てを記事にしている訳では無い事も考え合わせると、少なく見積もっても「此れ迄に、4千冊は読んだ。」のではなかろうか。

「読んだ本の多くはミステリー。」で在り、最初に読んだミステリーは「金色の魔術師」。そんなにも大好きなミステリーだが、読書傾向は結構偏っている。気に入ったミステリー作家の作品は全てを読み漁る一方で、「ミステリー・ファンならば、読んでいて当たり前。」と思われるミステリー作家の作品を全く読んでいなかったりする。

有栖川有栖氏もそんな1人で、彼の原作をにしたTVドラマ臨床犯罪学者 火村英生の推理」は見ていたというのに、彼の作品は1冊も読まないで来た。特に理由は無く、強いて言えば「が無かった。」という事になろう。

そんな自分が初めて読んだ有栖川作品が、今回レヴューする「捜査線上の夕映え」。「探偵役で在る犯罪学者・火村英生(ひむら ひでお)と、ワトスン役のミステリー作家・有栖川有栖(ありすがわ ありす)が謎を解くスタイル。」の「作家アリス・シリーズ」の新作で、30年間で(恐らく)32冊上梓されている人気シリーズ。

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大阪場末のマンションの一室で、男が鈍器で殴り殺された。金銭の貸し借りや異性関係のトラブルで、容疑者が浮上するも・・・。

「俺が名探偵の役目を果たせるかどうか、今回は怪しい。」。
火村を追い詰めた、不気味な“ジョーカー”の存在とは?
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情景描写上手いなあ。」というのが、“初有栖川作品”の第一印象。又、TVドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」を見て判ってはいたのだが、(作品内に登場する方の)有栖川有栖の関西弁が実に良いアクセントになっていて、火村との掛け合いも心地好い

扱われている殺人事件自体は、“平凡な匂い”しか感じられない。「読者の好奇心をグッと惹き付ける要素が見出だせない感じ。」なのだが、調べれば調べる程に“謎が深まる事件”なのだ。

「作品世界に一気に引き込み、最後迄読ませてしまう。」のは、流石人気シリーズで在る。或る人物の過去には意外性が在るし、強引さを感じなくも無いが、トリックも面白い。

だが、著者作中にて火村に“言わせている”様に、犯行動機に弱さを感じてしまう。」のが気になる。「過去に起こった出来事の“真実”が、結局は“はっきりとした形”で明らかにされない。」のでもやもや感が残るのだけれど、〇〇を“殺害”していたのなら判らないでも無いが、そうで無かったら「そんな事で、犯行に手を貸すかなあ?」と思ってしまう。

総合評価は、星3.5個とする。


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