ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「暗約領域 新宿鮫Ⅺ」

2020年02月12日 | 書籍関連

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信頼する上司桃井正克(ももい まさかつ)が死に、恋人・青木晶(あおき しょう)と別れた新宿署生活安全課刑事鮫島(さめじま)は、孤独の中、捜査に没入していた。北新宿闇民泊で男の銃殺死体を発見した鮫島に新上司・阿坂景子(あさか けいこ)は、単独捜査を止め、新人刑事・矢崎隆男(やざき たかお)
と組む事を命じる。一方、国際的犯罪者・陸永昌(ルー・ヨンチャン)は、友人の死を知って来日する。友人とは、闇民泊で殺された男だった。
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大沢在昌氏の「新宿鮫シリーズ」は、映画化、TVドラマ化、そして漫画化もされた人気小説。今回読んだ「暗約領域 新宿鮫Ⅺ」は長編小説として第11弾となるが、実は過去に読んだ新宿鮫シリーズは、前作の「絆回廊 新宿鮫Ⅹ」だけ。レヴューの中で理由を書いているが、レヴューの中で詳しく書いているが、ハードボイルド小説が苦手。」というのが理由だ。

新宿鮫シリーズの主人公・鮫島は、「元々は国家公務員採用Ⅰ種試験に合格し、警察庁に入庁したキャリア。だが、自身の正義感を貫き通す事から、“警察内の厄介者”と扱われる様になり、新宿署に“左遷”されるも、一匹狼ならぬ一匹として、悪を追及し続ける男。」という設定。

警察内外に“敵”の多い鮫島だが、“仲間”は存在した。「単独捜査を行う彼への批判が在る中、“防波堤”として守ってくれた上司・桃井正克。」、「疲れ切った心に、潤いを与えてくれた恋人・青木晶。」、「新宿署鑑識課員で、色々助けてくれる藪英次(やぶ ひでじ)。」等がそうだが、前作にて桃井と青木は鮫島のから“離れる”事に。

シリーズとして大きな転機を迎えた今回、阿坂景子と矢崎隆男という新しいキャラクターが登場。「警察
組織を“絶対的な存在”として考え、単独捜査を否定する新上司。」と、「彼女が、鮫島の“御目付け役”として組ませる事に決めた新人刑事。」で在る。

新しい環境に戸惑う鮫島が、最後の最後にタッグを組むのは、同じキャリアで同期香田(こうだ)「“”を守る事を最優先する香田。」と、「“人”を守る事を最優先する鮫島。」は“水と油”の関係と言えるのだが、本質的には似通った部分が在る気がするし、結構良いパートナーなのかも。

ストーリーとしては面白いのだが、如何せん話が長過ぎる。年齢も在ってか、若い頃よりも集中力が続かなくなっている身にとって、700を超える小説を読み終えるのは、結構しんどさが在る。外国人の名前、其れも“偽名”が合わせて幾つか使
われていたりするので、「誰だっけ?」と頭を整理しなければならないのも、しんどさを増させた。

総合評価は、星3つとする。


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